ねえ。無人の村の話知ってる?
無人の村?
そう。誰もいない村があるの。
そりゃ。村なんてたくさんあるし、無人の村だってあるでしょ?
それが、その村が無人になった理由がね、、、
その村は全然雨が降らなくて、作物は枯れ、村の人々はとても困っていたの。でも、ある女の子が産まれてから村人の生活は一変したんだ。
そうなんだ。
その女の子が産まれて産声をあげた時全然雨が降らなかった村に雨が降ったの。それも、大雨。
よかったね。
最初は村人も偶然かと思った。でも、その女の子が転んでしまって泣き始めると同時に雨が降ってきた。村人は思った。もしかしたら、この子が泣くと雨が降るんじゃないかと。
すごいね。その子。
でも、その女の子が都合よく泣いてくれることはないから村人はその女の子にひどい仕打ちをしたの。
ひどい仕打ち?
丶丶丶
うん。女の子をわざと泣かせるために棍棒で殴ったの。女の子の頭には大きなたんこぶができて女の子は大泣きした。すると、一瞬にして晴天だった空が黒い雲に覆われたわ。その日は豪雨だった。
うん。女の子をわざと泣かせるために棍棒で殴ったの。女の子の頭には大きなたんこぶができて女の子は大泣きした。すると、一瞬にして晴天だった空が黒い雲に覆われたわ。その日は豪雨だった。
ひどい、、ひどすぎる、、その後女の子はどうなったの。
その後も女の子は雨を降らせる道具のようにこき使われいた。その度にそれを可哀想に思う医者の息子がいたわって手当していたの。でも、その女の子もいつまでも女の子じゃない。その子も大人の女性になってその医者の息子と結婚し、かわいい女の子も産まれたわ。
よかった。もうこき使われなくて済むね。
ううん。村人は今度はその子供の女の子にまで手を出そうとしていたの。大人になって忍耐力のついた女性では軽い暴力では泣かないからと言ってまた同じ過ちを繰り返そうとした。だから、女の子の母親はその子を遠くへ逃がそうとした。父親と共に遠くへ逃がしたの。
え?女の子のお母さんは?
村に残ったわ。村人は女の子がいなくなってしまい困りに困ったあげく残った母親を縛り付けて鞭打ったり、舌を切ったり、それはひどい拷問をして無理やり泣かしていた。ある日その母親は動かなくなった。
し、死んじゃったの?
うん。その母親が死んでしまって、何日が経ったある日のこと急に雨が降ったの。村人は喜んだことでしょうね。でも、村人は喜びもできなかった。
どうゆうこと?
溶けたの。
え?
雨が村人全員を溶かしてしまったのよ。
そんな雨あるの?
分からない。でもその村は今でも実在する。無人の村なの。きっと母親の村人への恨みや、子供の成長を見届けられなかった悲しい気持ちがその雨を生んだのかもね。
なんか状況が似てるというわけではないけど私も母は早くに死んでしまって顔も知らないし、父に育てられたから。感情移入というか。
父はなぜか母の事を話したがらないの。
その女の子も母親の顔見たかっただろうな。自分の命をかけて子供を守った母親の顔を。
なんか涙が、
ポツポツ
あれ雨?