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君と旅する

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君と旅する

1 - 君と旅する

♥

683

2019年10月10日

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私には、好きな人がいる

名前も知らない他クラスの男の子

どこかミステリアスな雰囲気に一目惚れした

先生

じゃあ、自主研修の班決めよろしくなー

ハルナ

雑だなあ

友達

さすが放任主義

友達

ね、うちらは同じ班でいいでしょ

ハルナ

そうだね!

彼は、誰とまわるんだろうか

女の子がいたらどうしよう

友達

ハルナ?

ハルナ

ああ、ごめんね

ハルナ

なんだっけ?

友達

恋寺一緒に行こ

ハルナ

恋寺?

女子

正式名所は美濃原寺

友達

恋が叶うお寺だよ!

女子

バカね、それは男女じゃなきゃ意味ないのよ

友達

そうだっけ?

ハルナ

恋が叶う…

彼を誘いたい

無理、だろうけど

当日

先生

じゃあ、自主研修ここからスタートです

皆が一斉に歩き始めた

ハルナ

晴れて良かったね

友達

だねー

友達

最初は…団子屋かな

ハルナ

こっちの方にあるみたい!

友達

じゃあ、団子目指してしゅっぱーつ!

???

ハルナ

っ…

ハルナ

あれは…

目的地に向かっていると

意中の彼が歩いていた

ハルナ

(一人だ…)

ハルナ

(どうしよう)

彼は一人でまわっているようだった

ハルナ

(勇気出せ…私!)

ハルナ

あのさ!ごめん!

友達

どうしたの急に

ハルナ

その…一緒にまわりたい人見つけてさ

友達

どこにそんな人…

ハルナ

とにかくごめんね!

友達

わかった

友達

いってらっしゃい

ハルナ

…!

ハルナ

ありがとう

友達が背を向けると

私は彼に話しかけた

ハルナ

あの…!

???

???

っ…!

???

俺…?

首を傾げる彼

私は何も言えずにただただ頷いた

???

俺が…の?

ハルナ

え?

???

なんでもない

???

どうしたの?

ハルナ

一緒にまわりたいなって…

どんどん掠れていく声

彼の顔も見れない

???

???

ッハハ!

突然の笑い声にビックリして顔をあげる

ハルナ

っ…

ハルナ

(笑っているところ初めて見た…)

???

俺でいいの?

ハルナ

…っ!

ハルナ

うん!

???

いいよ、いこっか

ハルナ

ありがとう

???

の前に…君、名前は?

ハルナ

私はハルナ

ハルナ

貴方は?

???

俺はコウ

コウ…バレないように心の中で何度も呟く

素敵な名前だ

コウ

自己紹介も終わったし

コウ

行こう

ハルナ

うん!

コウ

綺麗な城だな

ハルナ

ね、素敵だね

私は、決めた

最後に恋寺で告白をする

ハルナ

あ、八ツ橋食べたい

コウ

行っておいで

ハルナ

コウ君は?

コウ

俺…俺はいいや

ハルナ

そっか

ハルナ

行ってくるね!

自主研修も残り僅か

いよいよ緊張の時がやってきた

コウ

次が最後かな

コウ

どこ行きたい?

ハルナ

寺…

ハルナ

美濃原寺に行きたい

コウ

…っ

コウ

寺は…

少し困ったような顔をした

どうしてだろうか

ハルナ

駄目、かな?

コウ

コウ

わかった

コウ

行こうか

私はこの時緊張のあまり

彼の悲しそうな顔に気づいていなかった

ハルナ

わ、大きい所

ハルナ

行こう…

境内に入った瞬間

ハルナ

コウ、君…?

コウ

コウ

バレちゃった…

彼の身体が透け始めたのだ

コウ

俺、幽霊なんだ

コウ

だから寺駄目だったの

ハルナ

なら、どうして…

コウ

だって、ハルナの一番行きたかった場所でしょ?

コウ

力強い言い方だったから

ハルナ

…っ

ハルナ

私のせいだ

コウ

違う

コウ

君の「おかげ」だよ

ハルナ

…え?

コウ

俺は現世に囚われていた

コウ

成仏したくなかった

ハルナ

コウ

でも、君との旅行が楽しかったから

コウ

もう満足だった

ハルナ

コウ君…

か細い声しか出てこない

そんな私の頭を撫でるかのように手を伸ばした

その手すら残酷な事に頭に触れる事は無かった

コウ

…時間だ

ハルナ

まって!

ハルナ

コウ君の事が好きなの…!

勇気を振り絞る

もうあまり見えない大好きな人に向けて

コウ

コウ

ありがとう

「ごめんね」

その言葉を最後に消えていった

友達

ハルナ、おかえり

ハルナ

ただいま

友達

…泣いて…

ハルナ

やだなあ違うよ

ハルナ

欠伸!

友達

なら良かった

先生

お前らホテル入れー!

友達

よし行こう

ハルナ

うん

コウ君の事、好きな気持ちに変わりはない

きっとこれからも暫くは引きずるだろう

でも、後悔なんかしていない

彼を…優しい幽霊を好きになれて良かった

この作品はいかがでしたか?

683

コメント

19

ユーザー

コウ君の言葉や地文の意味、理由に感動。 それ表現の仕方、最後の終わり方に惹かれますね…。 幽霊、その実態から出る雰囲気、 幽霊なため食べ物を買うことも食べることも許されず、 誰かと何かを願うことも出来ない、そんな哀しい幽霊と幽霊に恋し焦がれてしまった女の子、その2人の話というアイデアも凄い。 それを表現出来るのも凄い。 そもそもこの作品が凄い…!!!! 参加、ありがとうございます!

ユーザー

それは低気圧のせいさん ナルホド(*゚∀゚)*。_。)*゚∀゚)*。_。) ずっとなんていったんだろう??って考えてました

ユーザー

コウくんの言った「俺が…の?」は「俺が見えるの?」 八ツ橋を食べなかったのは幽霊だったから ってことか… 凄いですね👀

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