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恵那

あーあ

恵那

もう嫌だ。

恵那

ホントなんなの?

恵那

うざいうざいうざいうざい。

恵那

……死んじゃおっかな

恵那

あはは

ドンッ

恵那

ん……

恵那

ここはどこだろう?

周りは霧がかかっていて、 見えないと言うより、真っ白だ…

恵那

もしかして、ここ天国!?

恵那

や、やった。

恵那

死ねた……

黒ねこ

違いますよ。

恵那

え?

黒ねこ

まだ死んでません。

黒ねこ

死んでないって言うのも違うと思うけど。

恵那

だ、誰ですか?

黒ねこ

わたしは、こーいう人が
いるからここにいるんです。

黒ねこ

勘違いする人が。

恵那

どういうことなんですか!?

黒ねこ

ここは天国と地上世界の狭間?

黒ねこ

みたいな所なの。

恵那

なんで死なせてくれないんですか?

恵那

私は……私は死にたいのに!

黒ねこ

命は大切なものなのに。

黒ねこ

もったいない。

恵那

とにかく死なせて!

黒ねこ

仕方ないですね。

黒ねこ

ある女の子と仲良くなってきてください。

恵那

は?

黒ねこ

まぁまぁ。

黒ねこ

そこではこの事は秘密。

黒ねこ

絶対仲良くしてくださいよ?

恵那

な、何で私勝手に行く前提に、

黒ねこ

頑張ってー

恵那

う、うわぁ!!!

目の前が真っ白になって 意識が遠のいていった.........

???

ねぇ、ねぇ!起きて〜

恵那

う、うぅ?

目をゆっくり開ける。

???

良かったぁ〜

恵那

す、すみません!

???

そんなそんな。

明日花

私は明日花っていうの。

この子が仲良くなれって言ってた子か。

頭にはニット帽を被っている。

髪とかが抜けてるのかな。

恵那

私は恵那。

明日花

恵那ちゃんね。

明日花

……なにしにきたの?

恵那

え、ええと、

ここを見ると病院1階の廊下だった。

ど、どーしよ

さっきねこに「この事は言うな」

って言われたしなぁ。

恵那

え、ええと、

恵那

外来で来たんです。

恵那

お腹痛くて……

明日花

そうなんだ。

明日花

私は検査しに来たの。

恵那

そうなんですか……

明日花

恵那ちゃん、

恵那

はい。

明日花

私の友達になって。

恵那

えぇ?

明日花

急にでごめんね。

明日花

私ビビビって来て!

明日花

あなたと友達になりたいのよ。

恵那

そんな、私でいいんですか?

明日花

友達、いないから。

明日花

私、したい事の1つが

明日花

友達を作る事なの。

明日花

お願い!

恵那

は、はい。

明日花

やったぁ!

明日花

よろしくね。

恵那

うん……

こんな感じでいいのだろうか。

私は死のうとした前と同じように

お父さんのいない家で暮らした。

学校にも行った。

そこでは不思議といじめられることは無かった。

私は毎日病院に通った。

恵那

明日花ちゃん。

恵那

来たよー

明日花

恵那ちゃん!

明日花

私ね、これからおやつなの。

恵那

なんだろうね。

看護師さん

おやつだよー

明日花

わぁ!ゼリーだ!

恵那

美味しそうだね。

明日花

いただきます。

明日花ちゃんはパクパク食べた。

でも、

明日花

うっ。

恵那

だいじょうぶ?

明日花

おぇっ

明日花ちゃんは吐いてしまった。

恵那

な、ナースコール!

看護師さん

大丈夫?

明日花

さっきよりは。

看護師さん

大丈夫だよー

明日花

はい。

大変だなぁ。

明日花

ごめんね。

恵那

えっ?

明日花

目の前で吐いちゃった。

恵那

いいよ、いいよ。

明日花

うっうっ。

恵那

明日花ちゃん、泣かないで。

明日花

だって……

そのあとも私は明日花ちゃんとの

距離を縮めていった。

一緒に過ごしていると、

明日花ちゃんはとても面倒見がよくて、

小さい子にも人気のお姉さんだということも

分かった。

恵那

ねぇ、

恵那

ご飯食べなよ。

明日花

食欲なくて。

目をふせた。

恵那

でも、食べないと。

明日花

死んじゃう?

恵那

そう。

明日花

でも私はもう死ぬし。

恵那

え?

明日花

私あと1ヶ月位しか

明日花

生きられないの。

恵那

そ、そんな。

私は言葉を失った。

なんて言えばいいのか分からなかった

という方がいいだろうか。

明日花

っ……

明日花ちゃんは悲しい顔をしている。

私はその日、いつもより早めに帰った。

明日花ちゃんは目に見えて

弱っていくのがわかった。

食欲が無くなって、

寝たきりになって、

ずっと点滴を打って、

鼻にチューブも付けた。

その様子を見る度に悲しくなった。

明日花

私そろそろ死ぬ。

恵那

えっ?

明日花

分かるの。

明日花

喋れなくなったり、

明日花

目も開けられなくなったり、

明日花

きこえなくなったり、

明日花

すると思う。

明日花

だからね、これが恵那ちゃんに会うの、

明日花

最後だと思うんだ。

恵那

いいよ、辛くない?

明日花

話したいから。

とぎれとぎれで、辛そうだった。

痩せこけて顔色も悪い。

明日花

私ね、小さい頃から病気で。

明日花

学校にも行けないし、

明日花

友達も出来ないでしょ?

明日花

両親は仕事に行ってる。

明日花

看護師さんは優しいけど、

明日花

やっぱり寂しくて。

恵那

うん。

明日花

だから、恵那ちゃんを友達にしたの。

明日花

はぁ。

明日花

私、なんで病気になんかなったんだろ。

明日花

もっと色んなことしたかった。

明日花

バイトしたり、部活したり、

明日花

喧嘩したり、恋もしてみたかったなぁ。

明日花

私はそれが出来ない。

明日花

だから、テレビとかで自殺した人とか見ると、

明日花

本当にムカつくんだ。

明日花

辛いなら助けを求めればいいのに。

明日花

未来はあるのにって。

恵那

……

私は自分のことを言われているようで

胸がちくりといたんだ。

明日花

生きている上で、

明日花

辛い事とか嫌な事とか

明日花

あるかもしれない。

明日花

だけどさ、明日があるって

明日花

とても素晴らしくて素敵なことだよ。

明日花

だから、精一杯生きて。

明日花

死ぬ時に

明日花

「あぁ、この人生楽しかったな」

明日花

って思える人生にして。

明日花

足掻いて、泣いて、笑って

生きて。

恵那

明日花ちゃん……

明日花ちゃんはにこりと

笑うと、苦しみだした。 私はすぐにナースコールを押した。

恵那

明日花ちゃん!!!

明日花

わ、わたし、

明日花

死ぬの、怖いよ。

恵那

明日花ちゃん!

明日花

ありがとう。

明日花

頑張って。

すると看護師さんたちが来て、

ベットのまま行ってしまった。

明日花ちゃんと話すのはこれで最後となってしまった。

恵那

明日花ちゃん、

恵那

ありがとう。

視界が涙でぼやけはじめ、

いつのまにか真っ白な世界に戻ってきていた。

黒ねこ

おかえりなさい。

恵那

明日花ちゃんは、

恵那

どうなったの?

黒ねこ

これは、ある1人の子の

黒ねこ

人生という世界にいたようなものだから、

恵那

幻ってこと?

黒ねこ

そんなものかな。。

黒ねこ

ただほんとに明日花ちゃんは

黒ねこ

実在した子だ。

恵那

「した」ってどういうこと?

黒ねこ

そのあと亡くなったよ。

黒ねこ

説明は難しいけど、

黒ねこ

明日花ちゃんにはこの記憶は

黒ねこ

刻まれていないよ。

恵那

そう、なんだ。

黒ねこ

この経験をしてでも

黒ねこ

死にたいと思う?

恵那

……ううん。

恵那

私、死にたくないや。

恵那

この人生を生きる。

黒ねこ

そう、良かった。

黒ねこ

じゃあ、地上でも頑張って。

恵那

ありがとうございました。

気がつくと病院のベットだった。

看護師さん

あら、気がついたのね。

看護師さん

良かった。

恵那

はい。

しばらくぼーっとしていると、

いじめっ子

入るよ。

あ、この声は

いじめっ子

私。

恵那

なにしにきたの?

恵那

病院にまで来ていじめに来たの?

いじめっ子

そうじゃなくて。

いじめっ子

……ごめん

恵那

!?

いじめっ子

遺書、見たよ。

いじめっ子

そんな辛い思いしてるなんて

いじめっ子

分かんなくて。

いじめっ子

私のイライラを

いじめっ子

解消するおもちゃとしか

いじめっ子

思ってなかったんだ。

いじめっ子

でも、恵那も人なんだよね。

いじめっ子

ごめんね、気づけなくて。

いじめっ子

ほんとに、ごめん。

ずっと頭を下げていた。

恵那

顔、上げて。

恐る恐る顔を上げている。

恵那

許せないよ。

いじめっ子

だよね。

恵那

でも、謝ってくれたのは

恵那

嬉しい。

恵那

これから絶対いじめないって約束してくれる?

いじめっ子

うん。

恵那

もちろん別の人も。

いじめっ子

もちろん。

恵那

なら。いいよ。

いじめっ子

ごめん、私家の事情で

いじめっ子

辛くてさ。

恵那

私もそういうのには慣れてるよ。

恵那

離婚してるし。

いじめっ子

そうなの。

恵那

いじめじゃなくて相談すればよかったのに。

いじめっ子

あ〜……私たち、

バカみたいだね

退院して学校に行った日

みんな

ごめんなさい。

みんなが謝ってくれた。

それからいじめはなくなり、

クラスの雰囲気もいい感じ。

恵那

生きていればいいことってあるんだね。

恵那

明日花ちゃん。

恵那

ありがとう。

❦ℯꫛᎴ❧

ここまで読んでくれてありがとう!

いいね&コメントよろしく。

コメントのとこに私のコメントあるんで

それも読んでください( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )❤︎

この作品はいかがでしたか?

29

コメント

5

ユーザー

>>星守。さん きゃああああ 嬉しいです!!!!!!

ユーザー

感動の2文字しかないっ✨(尊敬の眼差し)

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