ストーカー Bルート

Bルート 見る

僕は、迷った。

見ても、いいのか？

この年になって、幽霊とか、妖怪とか信じている訳ではないが。

それでも、怖いものは、怖い。

体の震えが止まらない。

でも、ここで走って逃げれば、彼女は傷つくだろう。

今ここで彼女を傷つければ、僕はきっと、後悔するだろう。

意を決して、顔をあげる。

女の子が指さした所には、少し大き目の、痛々しい傷が残っていた。

とても痛そうだ。

そう答えた僕に、彼女は拍子抜けした様子でこちらを見た。

最後に嬉しそうに微笑んだ彼女は、すっと消えていった。

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あれから、僕は今までと何ら代わりのない日常を過ごしている。

僕は今日もストーカーをする。

そして危うく通報されかけては、逃げる。

いつもと同じで変わりない。

でも、電柱の前を通る度に思い出す。

彼女の、笑顔を。