沙羅 サラ
沙羅 サラ
沙羅 サラ
沙羅 サラ
沙羅 サラ
沙羅 サラ
その瞬間 彼女「沙羅」は目を見開き 一瞬硬直した
沙羅 サラ
沙羅 サラ
もう一人の彼女は 静かに笑みを浮かべ 彼女の後ろにゆっくりと回り 肩を優しく掴んだ
そっと彼女〘沙羅〙の耳元に近付き
優しく宥めるように呟いた
沙羅 サラ
彼女〔沙羅〕はひゅっと息を飲み かたかたと震えた
沙羅 サラ
そして 彼女を精一杯の思いで睨み 彼女を押し 自分から引き離し
沙羅 サラ
と 思いっきり 叫んだ
沙羅 サラ
沙羅 サラ
彼女が言っている事は恐ろしいくらい正しかった
だから 身体の震えも止まらなかったし
その ''事実'' に吐き気がした
沙羅 サラ
胸が苦しい
頭が痛い
吐き気が止まらない
彼女は 私が下を向きながら僅かに震えているという事に気付き
狼の様に意地悪な笑みを浮かべてから 私の顎を掴み 目線を無理矢理合わせた
私はただ…
私は…ただ その言葉に頷くしか出来なかった
何故なら 彼女が言っている事は
''誰よりも'' 正しい十字架の様だったからだ
かちっ
こちっ
かちっ
こちっ
シオン
複雑に構成された時計の中は何時も律儀で正確で
誰もその正体を知らない
シオン
シオン
シオン
シオン
シオン
シオン
シオン
シオン
ミノリ
気が付けば シオンの後ろには
黒くどろっとした得体の知れない液体が 入っている注射器を掌に乗せたミノリが立っていた
シオン
ミノリ
ミノリ
シオン
ミノリ
ミノリの感情を一切感じさせない冷徹な返事に シオンは 少しだけ眉を下げた
シオン
ミノリ
シオン
シオン
彼の言葉に彼女は 一瞬だけ 眉をひそめた
シオン
ミノリ
彼の言葉に彼女が返事をする
その姿は まるで 主(アルジ)と執事の様だった
シオン
シオン
シオン
シオン
シオン
シオン
シオン
シオンが口元を少しだけ歪ませてから不器用に笑った
ミノリ
彼女の言葉が止まった
いや 口止めされたと言った方が正しいのかもしれない
シオンが自分の指を彼女の唇にあて 〖それは言ってはいけない〗と目で語る
シオン
シオン
シオン
シオンが下を向きながら 静かに告げる
ミノリは 一筋の汗が頬を伝い 唾を呑み込む
ミノリ
シオンは ゆっくりと彼女の瞳を見詰めてから ふわっと笑った
シオン
一筋の光も通さない 暗い廊下はやけに騒がしかった
沢山の人のざわめきは 止めどなく聞こえ
血肉の腐った匂いもする
その奥のドア前で 扉に身体を預けた 少年が鼻を摘みながら 眉をひそめた
若葉 ワカバ
礼雅 レイカ
同じく隣で扉に身体を預けている礼雅が 呆れた様に呟く
礼雅 レイカ
礼雅 レイカ
礼雅 レイカ
彼女が淡々と話す中 彼は 違う場所を見詰めていた
若葉 ワカバ
礼雅 レイカ
それに気付いた 礼雅は 彼が見ている場所を視線で追うと
礼雅 レイカ
''赤い水溜まり''の中に 一束の黄色のカーネーションが朽ちていた
彼女は それに疑心を表したが ゆっくりと近付き 花束を手に取った
礼雅 レイカ
礼雅 レイカ
花束は 律儀に赤色のリボンで根の辺りを結んでおり
花は黒色の巻き紙で巻かれている
若葉 ワカバ
若葉は それを見てから目を細め
口をゆっくりと開いた
若葉 ワカバ
若葉 ワカバ
若葉 ワカバ
若葉 ワカバ
若葉 ワカバ
二人の間に沈黙が流れる
そして その沈黙を破ったのは…
亜流 アル
亜流 アル
李苑 リオン
二人の''敵''だった
コメント
11件
歪んでるねえ....。
表現のチョイスが凄すぎる( 最後の2人無事だといいけど‥(