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主
しにがみ視点
あぁ、またこの夢だ
クロノア
声のするほうを振り返る 向こうの方で相変わらずの白髪を 持ったクロノアさんが手を 振っている
しかし、いつもの学生服ではなく 猫の耳がフードについた服を 着ている
しにがみ
そう言って最後の魚を釣り上げた 自分もまた、黒い半ズボンに 紫の真ん中にドクロマークが ついたパーカーを着ている
ぺいんと
そう言いながら僕の肩に 腕を回すのは真ん中に 「ぺ」のついた黄色の パーカーを着るぺいんとさん
釣竿とバケツを抱える腕は いつもと同じで頼ましい
わかってる これは夢じゃない
緑色
ヨッシー?の着ぐるみを 着た緑色さんが僕たちに ピッケルを渡す
レウクラウド
金豚きょー
横から伸びてきた手は レウさんときょーさん
黒いガストの帽子、フードの 付いた黄色のパーカー もちろん、2人とも学生服ではない
家の中からスーツを着た コンタミさんと 緑の半袖の服を着た トラゾーさんが出てくる
コンタミ
と、コンタミさん
トラゾー
そう言ったトラゾーさんが キョロキョロと辺りを 見渡す
畑の方からバタバタと 足音が聞こえる
らっだぁ
手を振りながら走ってくる 男、青いカーディガン 少し低くて、優しい声
クロノアさんが笑った
クロノア
起きたら目覚ましをセットした 時間の3分前だった
これほど気分の悪いことはない もっと3分寝ればよかった
ボーッと、その3分が 過ぎるのを待つ
あれは夢じゃない
僕たちの前世だ
なんで僕、前世の事 覚えてるんだろ
いや、違うな…
しにがみ
らっだぁ
ぺいんと
らっだぁ
朝、らっだぁに起こされる 珍しい事ではない 何が珍しいって、俺がこんな 時間まで寝ていることが、だ
寝ぼけ眼で時計を手に取ると その針は朝の11時をさ指そうと していた、休日とはいえ、 完全に寝坊だ
ぺいんと
ようやくベットから起き上がる 不規則な睡眠のせいか 頭がぐらりとした
らっだぁ
らっだぁが俺の顔を覗き込む
ぺいんと
らっだぁ
ぺいんと
らっだぁ
らっだぁはしょんぼりとした様子で床に体育座りをした
らっだぁ
ぺいんと
黙り込む俺を 「ぺいんと?」と覗き込む らっだぁ
息が止まるんだ そんな事を言われると こんな俺を、大切にしてる様な ことを言われると
ふと、昨日のしにがみくんの 発言を思い出す
『親友が元気ないから 心配してるのに』
そんなことを言われると 話してしまう
ぺいんと
らっだぁはこっちを見つめてる ただ、小さく頷く
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
記憶を辿る あれは、俺がらっだぁの 名前を出した時?
ぺいんと
らっだぁは目を丸くした
らっだぁ
ぺいんと
らっだぁ
今度はらっだぁが黙り込む 何かを考えてるようだ しばらくすると、いつもの顔に 戻った、らっだぁは なんでもなかったように いつもの声で言う
らっだぁ
らっだぁ
俺は首を傾げる
ぺいんと
らっだぁ
そう言うと、らっだぁは勢いよく 立ち上がる、そのままベッドに 登ると窓を開けて足を乗せる
ぺいんと
彼はそのままぴょーんと窓から 外へ出ていった、ここは2階
らっだぁ
らっだぁは下から元気に 手を振っている 全く、心臓に悪いことは やめて欲しいものだ
ぺいんと
らっだぁはもう一度こっちに 手を振るとふわり、と 風のように消えた
ぺいんと
驚いて、窓から身体を 乗り出す、らっだぁは どこにもいない
ぺいんと
もう何年もらっだぁといるのに 俺はらっだぁのことは なんも知ってないんだな
〜放課後〜 しにがみ視点
ぺいんとさんがページを めくる音だけ
放課後、2人きりの教室 その言葉だけは青春みじているに ここに居るのは男2人 なんて残念なんだ
日直として日誌を書かなきゃいけない僕を、ぺいんとさんは本を読みながら待っていてくれてる しかし、日誌は先程から1文字も続かない、もうすぐで美術部の集合時間を回るというのに
ぱたん、とぺいんとさんが 本を閉じる
ぺいんと
しにがみ
ぺいんと
ぺいんとさんは読書に飽きたのか教室をうろちょろし始めた 窓を開け、身を乗りだす
気になっていた、ずっと
ぺいんとさんが話す ”らっだぁさん”と僕の前世の 記憶の中にいる”らっだぁさん” が同じ人物かどうか
でも、聞けない ぺいんとさんがらっだぁさんの 話をしてくれた時、僕は らっだぁさんと言う名前に 驚いてしまって、そこからは なんとなく、この話はタブー なんだとお互いが認識したから
聞けない
でも、聞かなくちゃ
あの”らっだぁさん”が 今も尚、ぺいんとさんの 近くにいるのならば
しにがみ
ぺいんと
しにがみ
ぺいんとさんはこっちを振り返る ゆっくりと歩いてきて、隣に座る
ぺいんと
ぺいんと
疑いは、確信へ 期待は、絶望へ
ぺいんとさんは教卓の前の なんもない空間を、 確かに捉えていた きっとそこにらっだぁさんが いるんだ
そう考えてるとぺいんとさんが でも、と言い出した
ぺいんと
しにがみ
僕はぺいんとさんに 聞こえるか聞こえないか くらいの声で呟く
しにがみ
ぺいんと
しにがみ
ぺいんと
しにがみ
しばらくの沈黙 身体の右側の視線が痛い 多分だけど、ぺいんとさんが 僕を見つめてるから
ぺいんと
クロノア
前の扉が勢い良く開く クロノアさんだった
クロノア
クロノア
ずかずかと教室に入ってくる クロノアさん ぺいんとさんの腕を掴む
クロノア
クロノア
しにがみ
僕が言い終わるかどうかの ところで扉はしまった
放課後の教室 1人……いや、なってない
すぅ、と息を吸って吐く
しにがみ
僕は誰も居ないはずの空間で 呟く
少しの沈黙後 机の上にペンが舞った
そのペンは、1文字も書いてない 日誌に独りでに文字を 書き出す
久しぶりだね しにがみくん
主
主
主
主
主