遥輝
今日は赤い服なんだね
彼女が一口水を飲み ゆっくりと話し始める
紗季
うん。普段は青系なんだけどね
遥輝
赤も似合ってるよ
少し彼女の頬が赤くなるのを感じた
紗季
ありがとう
少し重いような、甘いような空気の中 俺は口に出す
遥輝
なあ、俺たち付き合って2年は経ってるよな
紗季
そうだね
そっとポケットに手を入れて
サファイアがついている指輪を出した
遥輝
手、出して
紗季
なんで?
遥輝
良いから
彼女の綺麗な手が 俺の視線に入り、少し緊張し始める
俺はそっと、指輪を彼女の薬指に入れた
紗季
…これって?
遥輝
紗季、俺と結婚してくれないか?
上手くいった。と思っていた
紗季
ごめんなさい
遥輝
…え?
まさかの答えに、俺は驚きを隠せなかった
紗季
私、サファイア嫌いなの。
紗季
前に言ったよね?
遥輝
…あっ
ふと、あの時の事を思い出す
心が罪悪感でいっぱいになっていく
遥輝
ご、ごめん、焦ってたから…
紗季
焦っててても彼女の言ったことくらい覚えててよ
紗季
…まあ、サファイアの指輪じゃなくても結婚してなかったけど
遥輝
な、なんでだ?
紗季
…貴方、漫画に影響されすぎなのよ
紗季
何よ、漫画のようにしたかったから私と付き合ったわけ??
紗季
私は演じたくない!
遥輝
ちがう!!
遥輝
俺は、紗季が喜ぶと思って!!
紗季
ベタなのよ
紗季
せめてもう少しロマンチックなやつなら許すけど
紗季
貴方のはベタなのよ!!
遥輝
ご、ごめん!
紗季
もう遅い、じゃあね
紗季
お金は置いていくから、これで支払って
視界がどんどん見えづらくなり
テーブルにどんどん水溜りができていく
遥輝
…はっ!!
俺は急いで日にちを確認する
遥輝
夢と同じ日にちだ…
紗季
遥輝!
紗季
おはよう!!
遥輝
紗季!!
遥輝
よかった…
紗季
悪い夢でもみた?大丈夫だよ、私が慰めてあげる!
遥輝
あ、ありがとう…
紗季
ところで…今日の夜、カフェに来てほしいんだけど______
夢で良かった
本当に良かった
ところで今日、カフェに行って______
遥輝
…っは!?
遥輝
…あれ??
遥輝
夢の…夢??
俺はまた、日にちを確認する
また、同じ日
紗季
遥輝
遥輝
あ、紗季!
紗季
何言ってんの?
遥輝
…え?
紗季
お母さんの事をそんな呼び方しちゃ駄目でしょ
遥輝
…ん?どういうことだ?
紗季
?…だから、お母さんの事はその呼び方では駄目でしょって…
俺はわけが分からなくなった
同じ日。同じ人なのに違う役
まるで、あの夜、彼女が言ったように______
…あれ?
俺って………
遥輝
っは…!!!
紗季
あのー、大丈夫ですか??
遥輝
…あ、え、はい
そもそも俺に…
俺に、彼女なんて居なかった
俺、無限ループに入ってたのかな
紗季
ってあれ、遥輝くん?
遥輝
あ、あれ…紗季さん??
紗季
覚えててくれてたんだ!久しぶり!
遥輝
あ、久しぶりですね!!
紗季
せっかく奇跡の再開をしたんだし、
紗季
これからカフェで色々話さない??
遥輝
あ、良いですよ!
まだ、無限ループからは抜けれてないのかもしれない
結局、現実世界で彼女はできないのか…






