影月夜空
煉獄、さん……
よろよろと煉獄さんの方へ近づく
煉獄杏寿郎
最後に少し話をしよう
影月夜空
ッッ!
”最後”だなんて…
言わないで欲しい…
竈門炭治郎
……
煉獄杏寿郎
思い出したことがあるんだ昔の夢を見た時に
煉獄杏寿郎
俺の生家”煉獄家”に行ってみるといい
煉獄杏寿郎
歴代の”炎柱”が残した手記があるはずだ
父はよくそれを読んでいたが…俺は読まなかったから内容がわからない
父はよくそれを読んでいたが…俺は読まなかったから内容がわからない
煉獄杏寿郎
君が言っていた”ヒノカミ神楽”について何か…記されてるかもしれない
ボロボロと貫通した鬼の腕が陽光で 消えていく
竈門炭治郎
煉、煉獄さん もういいですから
呼吸で止血してください…傷を塞ぐ方法はないですか?
呼吸で止血してください…傷を塞ぐ方法はないですか?
煉獄杏寿郎
無い
煉獄杏寿郎
俺はもうすぐにタヒぬ
影月夜空
ッッ!!
煉獄杏寿郎
喋れるうちに喋ってしまうから聞いてくれ
煉獄杏寿郎
弟の千寿郎には
「自分の心のまま 正しいと思う道を進む」よう伝えて欲しい
「自分の心のまま 正しいと思う道を進む」よう伝えて欲しい
煉獄杏寿郎
父には「体を大切にして欲しい」と
それから
それから
煉獄杏寿郎
竈門少年 俺は君の妹を信じる
鬼殺隊の一員として認める
鬼殺隊の一員として認める
煉獄杏寿郎
汽車の中であの少女が血を流しながら人間を守るのを見た
命をかけて鬼と戦い人を守る者は誰がなんと言おうと 鬼殺隊の一員だ
命をかけて鬼と戦い人を守る者は誰がなんと言おうと 鬼殺隊の一員だ
煉獄杏寿郎
胸を張って生きろ
煉獄杏寿郎
己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと心を燃やせ
歯を食いしばって前を向け
歯を食いしばって前を向け
煉獄杏寿郎
君が足を止めて蹲っても時間の流れは止まってくれない
煉獄杏寿郎
共に寄り添って悲しんではくれない
煉獄杏寿郎
俺がここでタヒぬことは気にするな
柱ならば後輩の盾となるのは当然だ
柱ならば後輩の盾となるのは当然だ
煉獄杏寿郎
柱ならば誰であってもおなじことをする 若い芽は摘ませない
煉獄杏寿郎
竈門少年
煉獄杏寿郎
猪頭少年
煉獄杏寿郎
黄色い少年
煉獄杏寿郎
影月少女
煉獄杏寿郎
もっともっと成長しろ
煉獄杏寿郎
そして今度は君たちが鬼殺隊を支える”柱”となるのだ
俺は信じる
俺は信じる
煉獄杏寿郎
君たちを信じる
影月夜空
煉獄さん…
煉獄杏寿郎
!!
煉獄杏寿郎
(何故だろう、何故、影月少女の隣に…”母上”が)
煉獄杏寿郎
(俺はちゃんとやれただろうか
やるべきことを、果たすべきことを全うできましたか?)
やるべきことを、果たすべきことを全うできましたか?)
煉獄瑠火
立派にできましたよ
そして_
煉獄さんは笑って息を引き取った