生け贄になった少女は光を見つける

何かを思い出せそうだ。その『ノアの方舟』について思い出せれば。

レイはニコの辞書をほっぽり出して、走り出した。

レイはゼラがいるであろう玉座のある場所へ走り出す。

レイはゼラに一旦落ち着くように言われて、深呼吸をする。

レイは口元に手を添えて考える。

チリン.....

チリン、チリン...

チリンっ！

そう。まずそこで矛盾がせいじるのだ。

ライチの活動範囲はこの螢光町。ライチを作った彼らならば、この町のマップぐらいライチにプログラムされているはずだからだ。

私は最初から

この町にいなかったから。

レイはまだ脈を打っている自分の心臓の位置に手を当てる。

温かい。自分の心臓はこんなにも脈を打っていたのかと、生を実感している。

ふざけるな！

レイは鞄から自分の拳銃を出す。そして、それをきちんとみんなに見せる。

じっくりみるのは初めてで、デンタクは食い入るようにレイの拳銃を見る。

凛とした少女の口から出たのは非科学的で非現実的な告白だった。

しかし、どれも納得がいく。多少理解できない部分はあるが、理解がいくのだ。

長い沈黙の中、玉座にいたゼラが重い口をゆっくり開いた。

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