乱歩
僕には恋人がいる
乱歩
二歳年下の女の子だ
乱歩
しかし、最近彼女に好きな人ができたらしい
乱歩
言わば、二股されている
乱歩
それを許してしまう僕も、とんだお人好しだ
モブの女の子
ねぇ、太宰
太宰
んー
モブの女の子
私のこと好き?
太宰
好きだよ
モブの女の子
私も好きー
太宰
今日はどこに行こうか?
モブの女の子
見たい映画があるのー主人公がイケメンでビジュが良すぎて映画公開中に気絶した人がいるって言う映画
太宰
それは…私への当てつけかい?
モブの女の子
違うー見たい映画がそれしかなかったの
太宰
そっか…
乱歩
彼女は今日用事があるって言って僕のこと避けるし
乱歩
どうせ…新しい彼氏に夢中なんだろ
乱歩
しかし酷いなー
乱歩
彼女は僕が離れないからって別れも言わずに二股するなんて
乱歩
二股を認める僕も僕だけどね
乱歩
どんな男かいっぺん顔を拝みに行くか
乱歩
異能力「超推理」
乱歩
名前は太宰治
乱歩
彼女とは専門学校で会った
乱歩
優しく接してくれて尚且つ顔が整っている彼に惚れて告白し、
乱歩
付き合うことになった、か
突然、涙が流れる
今まで接してくれた全てが偽物だったことに気づいた
体を震わせ両手で髪の毛をぐしゃぐしゃとかき乱しながら声にならない声で叫び、己の体力がなくなるまで泣き続けた
pm10:00
モブの女の子
太宰くんは泊まっていくでしょ?
太宰
あぁ、もちろん
太宰
すまないが、少し散歩に行かしてくれないだろうか
モブの女の子
私もついてく!
太宰
こんな可愛いお嬢さんがいたら、いくら私がいてもナンパされてしまうよ
モブの女の子
太宰が守ってくれればいいのよ!
太宰
お嬢様を危険な目に合わせたくないから私の為に帰りを待ってくれないかい?
モブの女の子
っ
モブの女の子
わかった、すぐ帰ってきてね
太宰
ああ、いってきます
乱歩
泣きつかれた
乱歩
もう苦しいよ…楽になりたい
僅かに残っている体力を武器に焼酎を瓶ごと水のように飲み干した
酒の酔い度は体重に比例する
57kgの僕がこの焼酎を全て飲みきっても昏睡はできない
新しい酒を買いに行く決心をし、ふらふらの状態で玄関を出た
乱歩
昏睡できれば…僕は楽になれる
酒が回りうまく喋れないことに気づきもしてない彼がそう言った