お酒を含んだ僕の体は鉛のように重い
かろうじて歩ける状態ならまだ酩酊だろう
壁側に寄りかかって足を引きずるような形で一歩一歩進んでいく
勇者が致命傷を負いながら仲間を助ける勇敢さを見せつけられるような感動的なシーンでもなく、着実な死の為に体を引きずっているのはどうにも笑える
酒の酔いも回ってきて鼓動がドクドクと僕の耳にはっきりと聴こえる
こんなにも鼓動がはっきり聞こえるのは彼女に告白し、返事を待つ瞬間以来だ
乱歩
乱歩
乱歩
独り言をボソボソと呟いていると真っ暗な周りとは対比に白飛びをしている看板が見えてきた
お酒を買っても帰るまで衝動が保たないと判断し、近くの公園で最後を終えようと決めた
コンビニ独特のチャイムが鳴りながら蒸し暑い熱帯夜から冷房をガンガンに回している店内に入った
紙パックの900mlの焼酎を見つけレジに一目散に持って行った
店を出てすぐそこにある公園のベンチに腰を下ろした
お酒のラベルを乱雑に剥がし、硬いキャップを左に回した
しかし、酒が回っているせいで腕に力が入らないことをすっかり忘れていた
乱歩
乱歩
乱歩
誰もいない公園、虫の声1つしない空間片手でお酒を振り回した
すると、右手の重りが急に軽くなった
咄嗟に右の方を振り向くと影になって顔ははっきりとは見えないが男だと認識できた
???
乱歩
お酒が回っている今、こんな人気のない小さな公園に人がいるのがおかしい状況だと正常な判断ができないまま男に頼み事をした
カチッ…お酒の蓋が開いた音がした
乱歩
彼に両手を差し出すと
ドボドボと液体が地面に当たる音がした
コメント
2件
Wow!?最後太宰さん!?てか勿体無いから地面に溢さないで!? あ...でも乱歩さんのことを思ってこれ以上酔わせない為だとかだったら尊死します(*^^*)続き楽しみ過ぎる!頑張って下さい!
乱歩さん〜!タヒのうとしないでくれ… 多分開けてくれたのはあの人か!? 続き楽しみです! 待ってます(*^^*)