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君との距離、0センチ

第6話 - 焦熱

2025年07月10日

#恋愛

#青春

#学生

#告白

ような。

数時間後

佐倉　美琴

んー！かき氷しみるー！

寺本　詩

やっぱ暑い時に食べるかき氷は格別だね〜

佐倉　美琴

ん！あの人アイスサンド食べてるいいなぁ

寺本　詩

今かき氷食べてるじゃん笑

佐倉　美琴

欲しくなったものは食べなきゃ!

佐倉　美琴

私買ってくる！詩もいる？

寺本　詩

え、私はかき氷あるから大丈夫…

佐倉　美琴

分かった!これ、持っといて

佐倉　美琴

急いで帰ってくる!

寺本　詩

わっ…

食べかけのかき氷のカップを押し付けるように渡す

寺本　詩

（美琴、美味しいものに目ないからなあ笑）

寺本　詩

（それにしてもかき氷食べてる途中にアイスサンド買いに行くかね笑）

寺本　詩

…あ

黒崎　蓮斗

…

寺本　詩

黒崎先輩！

黒崎　蓮斗

え、寺本？

寺本　詩

すみません、見かけて声かけちゃいました

黒崎　蓮斗

お前、かき氷2個も食ってんの？

寺本　詩

へ…？

寺本　詩

こ、これは友達の分です！

寺本　詩

友達が買い物行ってるから、待ってただけで…

寺本　詩

いくら暑くても二つ食べなんかしないですよっ

黒崎　蓮斗

いや、そんな否定しなくても分かってるわ

寺本　詩

は、はい…//

黒崎　蓮斗

何味食ってんの？

寺本　詩

私はブルーハワイです！やっぱ定番じゃないですか？

黒崎　蓮斗

一口ちょうだい

寺本　詩

…えっ？！

黒崎　蓮斗

嘘だし。そんなビビる？

寺本　詩

び、びっくりした…

寺本　詩

（だって、これじゃあ間接キスになっちゃうし…）

寺本　詩

（冗談だとしても照れちゃうんですけど…）

黒崎　蓮斗

そういえばお前、俺のクラス来てくれてたじゃん

寺本　詩

あ、はい

寺本　詩

少しだけ見てみようかなーと

寺本　詩

先輩、相変わらずモテモテで、羨ましかったです

黒崎　蓮斗

人多すぎて羨ましいどころじゃねぇよ

寺本　詩

それに、いつもと雰囲気違いますよね

寺本　詩

髪もかき上げてるし、ボタン開けて着崩してるのとか、女の子のキュンポイントだったんじゃないですか？

黒崎　蓮斗

あぁ、これはクラスの女子が客引きのためにやった

黒崎　蓮斗

写真撮るのとか正直だるかったけどしろってうるせぇから

寺本　詩

じゃあ、クラスの女の子たちの作戦勝ちですね!

寺本　詩

黒崎先輩の客引きのおかげで大繁盛だったじゃないですか！

黒崎　蓮斗

どうかな

寺本　詩

盛り上がってましたよ!教室の中パンパンで、入れない人すらいましたし

寺本　詩

すごいですね、黒崎先輩は！

黒崎　蓮斗

…褒めすぎ

黒崎　蓮斗

はぁ、これからまたシフトって考えたら頭いてぇわ

寺本　詩

え、またシフトなんですか？！

黒崎　蓮斗

俺の今日の空き時間1時間だよ

寺本　詩

さ、さすがにそれは…

黒崎　蓮斗

別に特にすることないし、暇つぶしのために行くけど

寺本　詩

ま、またいっぱい写真撮るんですか、？

黒崎　蓮斗

え？

寺本　詩

…はっ！

寺本　詩

いえ、なんでもないです！

寺本　詩

し、シフト頑張ってください!

寺本　詩

じゃあ私、あっちで友達待ってるんで行ってきます〜

寺本　詩

で、では〜

黒崎　蓮斗

…は？

寺本　詩

（やばいやばいやばい何言ってるの私！）

寺本　詩

（本音、出ちゃってたよね）

寺本　詩

（だって、、）

寺本　詩

（また女の子が写真の列に群がって、黒崎先輩が…）

寺本　詩

（…黒崎先輩は私のものじゃないのに、他の人と話してたりするの見ると、苦しい）

寺本　詩

（シフト、行かないで欲しい、）

寺本　詩

（これが、私の本音…？）

佐倉　美琴

あ、詩こんなとこにいたー！

寺本　詩

み、美琴…

佐倉　美琴

探したよー？

佐倉　美琴

見て、アイスサンド買ってきた

佐倉　美琴

…って

佐倉　美琴

詩、顔赤くない…？

寺本　詩

べ、別に、何もなかったし！

佐倉　美琴

…へぇ

寺本　詩

（はぁ…）

寺本　詩

（あれから美琴の誘導尋問がひどくて逃げるように走ってきちゃった…）

寺本　詩

（なんかおかしいな）

寺本　詩

（文化祭、色んなことがありすぎて頭が追いつかない）

寺本　詩

（あ、自販機…）

寺本　詩

（飲み物買いに行こう）

寺本　詩

…最悪

アイスココアを選んだつもりが出てきたのは熱々のホットココア

寺本　詩

（誰がこの猛暑の中こんなもの買うと思ってるの…）

寺本　詩

（ついて無さすぎ…）

寺本　詩

（もったいないし、飲むしかないか）

プシュッ

ゴクゴク

寺本　詩

っ！あつっ！

寺本　詩

（想像の10倍熱い…）

寺本　詩

（冷めるまで持っておこ）

望月　結梨

あれ、寺本さん？

寺本　詩

あ、

寺本　詩

（黒崎先輩の幼馴染さん…）

寺本　詩

えっと…

望月　結梨

私は結梨よ

寺本　詩

あ、結梨さん、どうしてここに？

望月　結梨

寺本さんとお話がしたくて

寺本　詩

お話？

望月　結梨

さっき、蓮斗といたよね

寺本　詩

え…？

寺本　詩

（見られてた…）

望月　結梨

文化祭のサポート係になったって聞いた時から薄々気づいてたわ

望月　結梨

やっぱり全部蓮斗に近づくためなんでしょ？

寺本　詩

いえ、だから…

望月　結梨

そういうのが1番ムカつくって言ってんの

寺本　詩

…っ！

詩を睨み付けて声を荒げる

望月　結梨

ほんっとにムカつくの

望月　結梨

偶然がそんなに起こるわけがないじゃない

望月　結梨

同じ部活に入る、借り物競走で一緒に走る、文化祭の補助で関わる、休憩中にバッタリ会う

望月　結梨

これ全部偶然なの？

望月　結梨

そんなわけないじゃない。どちらかが近づこうとしなきゃこんなこと起こらないの

結梨が詩に詰め寄る

寺本　詩

…っ

寺本　詩

わ、私は、何も…

望月　結梨

私は何もしてない、蓮斗が近づいてきてる

望月　結梨

そう言いたいの？

寺本　詩

そ、そうでもなくって！

望月　結梨

「私は何もしてないけど見てもらえてる」

望月　結梨

そう思うのはやめてってこの前会ったとき言ったでしょ？

望月　結梨

勘違いすんなって

寺本　詩

（やばい、これ本気で怒らせちゃった…）

望月　結梨

あんたみたいなのが1番無意識なのよね

望月　結梨

無意識にやってることがムカつくの。周り傷つけてんのよ

寺本　詩

っ、それは…

小さく唇を噛む

望月　結梨

何、その顔ほんとに腹立つんだけど

ドンッ！

寺本　詩

キャッ！

グラッ

バシャッ！

寺本　詩

あつっ…

結梨に肩を押されて転び、手に持っていたホットココアが手に溢れる

望月　結梨

そ、そんなつもりじゃ…

黒崎　蓮斗

何してんの？

望月　結梨

れ、蓮斗…？

寺本　詩

黒崎、先輩…

寺本　詩

（だめっ、泣きそう）

寺本　詩

（地面に倒れてホットココアでビシャビシャ、情けなすぎる…）

寺本　詩

（見られたく、なかった…）

黒崎　蓮斗

お前、冗談にしてもやりすぎ

望月　結梨

ちがっ、私はただ…

黒崎　蓮斗

もういい、何言われても説得力ねぇわ

望月　結梨

へ…？

寺本　詩

…っ！

黒崎先輩が詩に近づく

詩前でしゃがみ、顔を覗き込む

寺本　詩

せ、先輩…ちかい…

黒崎　蓮斗

手、火傷してるだろこれ

黒崎　蓮斗

冷やしに行くぞ

黒崎　蓮斗

立てるか？

寺本　詩

…ごめんなさい

黒崎　蓮斗

何謝ってんだよ

黒崎　蓮斗

早くしろ、痛み出すぞ

ギュッ

寺本　詩

っ…！

寺本　詩

（黒崎先輩が、手を握ってくれてる）

寺本　詩

（だめ、心臓のドキドキが止まらない…）

寺本　詩

（先輩の手と繋がってる私の右手）

ホットココアの熱さじゃない、別の温もり

君との距離、0センチ

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