テラーノベル
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チャイムの音が鳴る
最後の授業が終わり、一気に開放感が出る
机の中から教科書を片ずける音、部活へ行く足音、友達同士の笑い声
その中で青は静かに鞄のファスナーを閉める
桃
振り向くと桃が笑っている
リュックを片手で手にかける仕草がいつも通りで、でも青の心はいつも少しだけ揺れる。
青
放課後の空は夏と秋の境目ということを教えてくれるかのようにセミの声は弱まり、
その代わり遠くにいる犬が吠えている
2人はいつも通り、並んで歩いていく
それは特別なことじゃない。なのに青の胸にはずっと何かが言葉にならないまま引っかかる
桃
青
桃
唐突で青は驚いた
青
桃
桃
桃の声はいつもの明るい声とは別に真剣な声だった
やめてって正直思う、そんな優しさを向けられたら隠している本音が出てしまいそうで…
青
少し怪しいか?と自分でも思ったが何とか誤魔化せたようだ
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ももが立ち止まる。それにつられて青も足を止める
桃
青
桃
青
遮るように青が言った
夕暮れの放課後の中互いに目を合わせないまま風邪だけが吹いていく
誰よりも近くにいたのに。 手を伸ばせば届く距離なのに。
その距離が、何故か越えられなかった
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