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へし切長谷部

早く主を戻せ…然もなくば貴様を斬る

長谷部は自らの鞘に手を添えれば大包平を睨んだ。

大包平

助けてやったと言うのに、酷い有様だな…やる気なら相手をしてやろう

太鼓鐘貞宗

やめろって!そんなお前らが斬りあったって主は戻ってこない…っ

太鼓鐘の言葉に皆は考えたように俯き、長谷部と大包平も争いを止めた。

燭台切光忠

そうだね…貞ちゃんの言う通りだよ。ここは、主の無事を信じて帰りを待つのが鉄則じゃないかな?

石切丸

…主が笑顔で戻ってこられるように、皆で待とう

三日月宗近

うむ、それがいいな

皆が納得すれば、前任が居なくなった安心感に皆は腰を降ろして一息ついた。 そんな皆の様子に、鶯丸は人数分のお茶を入れ始めた。

鶯丸

疲れただろう、皆飲むといい

鶴丸国永

あぁ、ありがとうな

一期一振

私は、部屋にいる短刀達を呼んできます。きっと心配しているはずですからね

一期は部屋で待たせている短刀達を呼びに行ってしまった。広間に残った皆は、あまり明るい表情ではないが気持ちを落ち着かせるようにお茶を一口飲んだ。それから数時間、なまえのいない本丸には冷たく暗い雰囲気が流れ、誰1人とも口を開こうとはしなかった。あれから数十分後、一期は短刀達を連れて広間へと戻ってきた。

一期一振

主は……

小狐丸

…帰ってません

小狐丸の言葉に一期は一層暗い表情になった。短刀達も一期から話を聞いたのか、とても悲しそうな顔をしていた。再び、帰りを待つ時間が流れる。不安が大きく、時間の流れが凄く遅く感じていた。すると、いきなり閉まっていた広間の襖がスパンと開いた。驚いて全員が襖の方を見れば知らない人物に抱かれ眠っている柘榴の姿があった。

山姥切国広

……!

包丁藤四郎

主だ……!!!

小夜左文字

主……!

今剣

あるじさま!

柘榴の姿を見た刀剣た男子は、皆嬉しそうに近寄ってきた。短刀達はボロボロと大粒の涙を流していた。

小烏丸

主は、眠っているだけだから安心するといい

そう言って小烏丸は柘榴を座布団へとゆっくり寝かせた。

和泉守兼定

良かったぜ…本当に

加州清光

主……主…良かった…本当に良かった…

ほっとしたのか、皆の目からも一筋の涙が流れた。その様子に小烏丸は微笑んだ。

小烏丸

主が心配していた。お前達に嫌われてしまったのではないかと…な。だから、主が目を覚ましたら安心させてやるといい

小烏丸はなまえの髪を優しく撫でれば、催眠を解くかのように指を鳴らした。そして、柘榴はゆっくりと目を覚ました。

柘榴

ん……んん?

蛍丸

主……?

柘榴の呻き声に、皆顔を覗き込んだ。すると目を開いた柘榴と目が合った

柘榴

あ…れ……、みんな…?

大和守安定

主!良かった…!!

加州清光

大丈夫?痛いところない?

目を開けば、私の大切な刀剣男士達がいた。合わせる顔がないと思っていたのに、目を覚ました途端に、安定と清光が飛び付いてきた。

柘榴

うん。……痛くないよ……?

加州清光

良かった〜…皆心配したんだよ?

柘榴

心配……

私は慌てて起き上がれば、皆の前で土下座をした。

柘榴

みんな、ごめんなさい!私…皆に酷いことして……

三日月宗近

?酷いのは主ではなく前任だろう

鶴丸国永

そうだぜ?うちの主は優しいからな!

へし切長谷部

主、顔を上げてください…

私は長谷部に言われた通りに顔を上げた。すると、皆涙目になりながらも嬉しそうに微笑んでいた。

一期一振

帰ってきてくれて、ありがとうございます…

薬研藤四郎

おかえり、大将

燭台切光忠

帰り、待ち遠しかったよ。おかえりなさい

そんな皆の言葉に私は涙が目から溢れた。前任と言えども、姿は私だったから皆は私を嫌ったのだとばかり思っていた。それなのに現実は全く違くて……帰りを待っていてくれた刀剣達。本当に、嬉しい…そんな嬉しさに涙が止まらなかった。

柘榴

ありがとう…皆…

岩融

守ってやれなくて、すまんかった

今剣

つらいいおもいさせてごめんなさい…もう、あるじさまをはなしたりしませんから!

そう言いながら、今剣は私を抱きしめながら髪を撫でてくれた。そんな今剣を私は抱き締め返した。

柘榴

私こそ、ごめんね…?

前任に負け、皆を守れなかった私に責任があると思う。守るって決めたのに……怪我をさせてしまった…。そんなことを考えていたせいで表情が暗かったのか、小夜と包丁が近寄ってきて抱きついた。

包丁藤四郎

主…俺のこと、嫌いになってない…?俺、もっといい子になるから…嫌いにならないでよ…

小夜左文字

……主に嫌われるのは、嫌だ

2人の言葉に、私は更に涙を零した。こんなことを言わせてしまう自分が情けない。私は強く2人を抱きしめた。

柘榴

嫌いにならないよ…ずっと大好きだし、私にとって大切な存在なんだからね、皆……

その言葉に2人も皆も安心したように笑みを浮かべた。

包丁藤四郎

へへ、いつもの主だ!

泣いてる私に包丁はいつもの様に笑顔を見せてくれた。その笑顔にほっとして私まで笑顔になってしまう。

柘榴

包丁も皆も、本当にありがとう…

髭切

やっぱり、主は笑顔が似合うね

膝丸

あぁ、そうだな

柘榴

皆も、笑顔が一番似合うよ?

明石国行

主無くして、この笑顔は出ませんわ。笑顔の原因は主なんです。だから、主はずっと笑っててください

愛染国俊

主が泣いてたら俺達も悲しいしな!

蛍丸

だから、主は泣かないで笑って?主が笑うだけで、俺達は幸せだから

柘榴

皆……ありがとう…また涙出そうだから…やめて

泣かないつもりが、皆の言葉でまた泣きそうになってしまう。 これは、悲しい涙ではなく嬉しい涙。

太鼓鐘貞宗

次泣いたら、俺がチューしちゃうぜ!

柘榴

いいよ?ほら、ちゅー

私が唇を少し尖らせながら貞ちゃんに近寄れば、貞ちゃんは顔を赤くして焦ったように顔を逸らした。

太鼓鐘貞宗

ふ、普通嫌がるだろ…!!

鶴丸国永

なら主!俺とキスしないか?

柘榴

……落とし穴に落とそうかしら

鶴丸国永

こ、この扱いの違いはなんだ……!!!

先程までしんみりした雰囲気から、だんだんいつもの雰囲気に戻り和やかになった。 やっぱり、私はこの本丸が大好きだ。 そして、そろそろ向き合わないといけない。皆に本当のことを伝えないといけない。全てを

柘榴

皆、少し…話を聞いてくれる?これで、この本丸にいた刀剣が……全員集まったから

明石国行

主はんの過去について聞かせてくれるん?

柘榴

うん。話を聞いて…私の事嫌いになってくれたって構わない。斬ってくれても良い

蛍丸

主…

愛染国俊

そっか、これで集まったんだな

皆がその場に座り、息を飲む。もう、怯えない。きっと、皆なら受け止めてくれる。そう信じる。信じるって…こういうことだから。

四天王が突然ブラック本丸の審神者をやることになりました

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続きを楽しみに待っています 体調に気をつけて頑張ってください これからも応援してます

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