担任
で、どうしたんですか?

アーサー
唐突ですが…アルフレッドが虐めを受けていたんだと、

担任
なんですって?詳しく教えて欲しいです。

アーサー
どこまで話していいか?(小声)

アルフレッド
…どこまででも(小声)

アーサー
分かった。(小声)

菊
証拠の写真などもありますので、見て頂けますか?

担任
ええ、見せてください。

写真には、アルフレッドが殴打を受けている写真、罵倒を受けているような写真、また、発作を起こした時の写真。
担任
…信じられません。

菊
また、私たちが目撃したものもあって、

菊
アーサーさんが聞いたものは…

アーサー
えっと、俺が聞いたのは、アルフレッドが『この奴隷が、人間様の私に近づくんじゃねぇよ…』って聞いたな。

菊
私が聞いたのは、『なんで奴隷なんかが学校に来てんだよ…奴隷は大人しくボコられてろよ。』って聞きました。

担任
2人共、『奴隷』と言うワードが入った言葉を聞いたのね?

菊
はい…なんで入ってるかは知りません。

アーサー
俺も、『奴隷』というワードは聞いたことが無いな。

担任
…アルフレッドさん。

アルフレッド
…何ですか?

担任
ちょっと鎖骨を見せてくれません?

アルフレッド
…良いですよ。

そう言ってアルフレッドは黒の上着を腕ぐらいまで脱ぎ、制服のボタンを二個外す。
アルフレッド
…はい。

担任
…やっぱりね。

アーサー
!このバーコードって?!

担任
…ええ、そうよ。私もあまり言いたくは無いけれど…これは…

担任
『奴隷の証』よ。

アーサー
っ…

菊
…

アルフレッド
…俺は小さい頃、あんまり覚えてないけど、男にこの形をしたすごく熱い鉄?をここに押し当てられたんだ。

アルフレッド
それであとが消えなくって、これは何?って聞いたら、『奴隷の証』って言われたんだ。

担任
…有り得ないわ。

アーサー
先生。

担任
…何かしら?

アーサー
その女をここに連れてきてください、

担任
ええ、分かったわ。最終判断は『退学』だから、話に私も混ざるからね。

アーサー
それでも大丈夫です。

いじめっ子
何よ?

アーサー
いきなり呼び出してすまない。

いじめっ子
本当よ、それで用は何かしら?

アーサー
突然なんだが、お前、アルを虐めてたらしいなぁ?

いじめっ子
はぁ?私がそんな事する訳ないでしょ?

菊
証拠は沢山ありますよ。

菊はそう言ってアルフレッドが翼を燃やされてる写真を見せる。
いじめっ子
…そうよ!私がしてたのよ!

アーサー
それは何でだ?

いじめっ子
だって奇病持ちのくせに、奴隷の癖に普通に学校に通うなんておかしいじゃない。

アーサー
…は?

いじめっ子
奴隷は大人しくボコられとけばいいのよ。

いじめっ子
普通に人間様と奴隷が喋るなんて、ふざけた話よ。

いじめっ子
だから私は気付かせてあげようと思ってしたの。

いじめっ子
優しいでしょ?

アーサー
じゃあ俺もお前に気付かせてあげよう。

いじめっ子
はぁ?

アーサー
お前は人間以下、いや、ゴミ以下の感性を持っている。

いじめっ子
はぁ!?そんな訳ないでしょ?!

アーサー
は?何否定してんだよ。俺が気付かせてあげたのに?

いじめっ子
それは気付かせてあげたんじゃなくてただの悪口よ!!

アーサー
それをアルにしたのはどこの誰だっけなぁw?

いじめっ子
ぐっ…

菊
良いですか?貴方がしたことは一生許されません。

菊
どうせ、1年後には貴方はさっぱり忘れてることでしょう。

菊
でも、アルフレッドさんはそれが一生残っているんです。それは何故だか分かりますか?

いじめっ子
はぁ?そんなの、分かんないに決まってるじゃない。

菊
何故なら…心の傷が深いからですよ。

いじめっ子
…はぁ?

菊
やった側は、ストレス発散になって何も傷付いていません。ですけど、やられた側はどうでしょう?

菊
殴られ蹴られ、罵倒され心も身体も傷だらけ。体の傷が何より傷付いた証拠です。

菊
それでも忘れられますか?

いじめっ子
…

菊
貴方がしたことは逮捕されてもおかしくありません。先生、最終判断を。

担任
ええ、貴方は退学よ。

いじめっ子
なんで私がぁぁ!!

担任
もう今から物を全部片付けて全部持って帰ってここに来ないで。

いじめっ子
分かったわよ!こんな学校二度と来ないわ!!

アルフレッド
ふっ、ざまぁみろ…

アーサー
アイツめ…どの学校にも入れねぇで社会から外れろボケカスがぁ…

菊
ふふっ、そのまま地球から居なくなりやがれください…

担任
この三人は絶対怒らせちゃいけないわね…
