テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

あやかし相談所

第2話 - 第二話

2024年08月03日

#妖怪

#怪異

#都市伝説

#一次創作

フカ🦈🩵

純蓮

き、きつねの…耳…！？

？

あー？

？

なんや、視えるんか？自分

琥珀

？　あれは…またびさんと、おちゃぶさん…？

透

あれっまたびー！！
何してるんスか？

またび

あっ、琥珀さん…！

おちゃぶ

やっと帰ってきてくれたぁ…

透

なんかあったんスか？

琥珀

…もしかして、またなりつねさんが…？

またび

そうなんですよ！！
あいつ、仕事ほったらかしでどっかいったんです！！

おちゃぶ

さっきまで追いかけとったんやけど…見失のうてしもて…

琥珀

あの人逃げ足だけは一段と早いですからね…

透

こ、琥珀さん怒ってるんス…？

琥珀

当然でしょうこれで何回目だと思ってるんですか…？

透

ヒェッ…

琥珀

なりつねさんはどっちに？

またび

あっちの住宅街に逃げたと思います

おちゃぶ

また女の子でも釣ってるんやない？

琥珀

わかりました。行きましょう

？

やー視えるやつおったんやなぁ

？

妖気極力まで薄めてんのに…

？

くっきり見えてるん？

純蓮

へっ…？え、は、はい…

？

なんやおもろいなぁｗ

？

こんな人間初めて見たわぁｗ

純蓮

（や、やっぱり怪異…私また襲われるの…？）

そのキツネの耳が生えた男性は、私の顔をまじまじと見つめる

？

よう見るとずいぶんかわええ顔しとるなぁ

すると、私の顎に手を伸ばした

純蓮

ひっ…！？

純蓮

（ど、どうしよう私…っ）

？

取って食いはせぇへんよ～ｗ
ちょっくら遊んでみるだけや

純蓮

（だ、だれかっ…）

ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ…

ゴッッ

？

ぐえっっ！！

琥珀

まったく…あなたは何をしてるんですか！！

純蓮

あ…あれ…こ、琥珀さんと透くん…？

純蓮

（…と、誰なんだろう、この人達も動物の耳がついてる…）

またび

なりつねぇぇぇえ！！！

なりつね

いでっいででででっ！！わ、悪かったて！！耳引っ張らんといてや！

またび

何仕事ほったらかして高校生の女の子に手ぇ出そうとしてんのよぶっ殺すわよ？？

なりつね

さっ…さあせんしたぁ…

琥珀

なりつねさん

なりつね

はひっ…

琥珀

あなたの手癖が悪いのは前々から知っていましたが…

琥珀

相手は高校生ですよ？制服でわかるでしょう？？

なりつね

はいっすみませんっ…

純蓮

え、えっと…

琥珀

純蓮さん！大丈夫でしたか？

純蓮

は、はい…間一髪…？

透

良かったっス～…！

透

なりつねさん、琥珀さんに何度も怒られてるのに懲りないんスよね…

純蓮

そ、そうなんですか…

おちゃぶ

なりつね…かえって仕事しよな？^^

なりつね

ゴメンナサイ…

なりつね

…ちゅーか！琥珀サンこのコと面識あるん！？

琥珀

そうですね

またび

私は初対面だけど…

おちゃぶ

そんなことゆうたらうちもやね

純蓮

あ、ええと…琥珀さんにはかくかくしかじかで助けてもらったんです

純蓮

それで私の体質について知りたくて…

またび

そうだったのね…なりつねがあんなことして申し訳ないわ

おちゃぶ

怖い思いしたなぁ

純蓮

あ、怪異に襲われちゃうのは日常茶飯事なので…大丈夫です

なりつね

ならよかった！心配いらへんｎ((

またび

なにいってんのよちゃんと謝りなさい

なりつね

スイマセンデシタ…

純蓮

えっと、動物の耳が生えてる方たちは…？

またび

えっ、あなた視えるの？

おちゃぶ

あららめずらし！うっすら視えるって人にならあったことあったけど…

なりつね

せやせや！こいつ俺らの正体視えんねん

なりつね

久しぶりやんな、こんな人間！

またび

人様のことこいつとか言わない！

なりつね

いてっ…

またび

挨拶が遅れたけど…私はまたび。化け猫よ

またび

で、このゲスクズ野郎が化け狐のなりつね

おちゃぶ

うちはおちゃぶ。化け狸やで～

純蓮

私は星宮純蓮といいます
よろしくお願いします…！

なりつね

かわえー名前しとるなぁ

またび

口説こうとしない！！

なりつね

いでっ…

琥珀

ああそうだ、純蓮さんのご両親は今家にいらっしゃいますか？

純蓮

いえ、父は私が幼いころに亡くなっていて…

純蓮

お母さんは働きに出ています

琥珀

そうなのですね…失礼なことをお聞きしてしまい申し訳ありません

純蓮

いえ！全然大丈夫です…！

琥珀

…それで本題なのですが、「あやかし相談所」へきてみませんか？

透

おお！いいと思うっスよ！この後は大きな依頼もないっスからね！

純蓮

でも、そんな、迷惑じゃ…

琥珀

迷惑にはなりませんよ。私から提案していることですので

またび

私たちにもできることがあったら…手伝うから

おちゃぶ

ま、その前に仕事おわらそな～

なりつね

うげっ…

純蓮

あ、ありがとうございます…！

琥珀

では、施設まで案内いたしますね

琥珀

こちらが私たちの運営している「あやかし相談所」です

純蓮

ここでいつも依頼を受けているんですね…！

なりつね達はほかの部屋で仕事中…

透

で、琥珀ししょー！何か純蓮さんに話したいことがあったんじゃないんスか？

琥珀

そうでした。ええと、純蓮さんの体質のことなのですが…

琥珀

あなたは、ほかの方より妖力がとても強いようです

純蓮

え、そ、そうなんですか！？

…といっても

純蓮

…「妖力」って…？？

琥珀

ああ…すみません。説明していませんね

琥珀

「妖力」とは、怪異や人間などにある簡単に言えば「気」のようなものでしょうか

純蓮

「気」…

琥珀

少々説明が難しいですね…まあ、「自分の中にある力」と思ってください

琥珀

私は盲目なわけではありませんが、諸事情により目を開けないようにしています

琥珀

目を開かない代わりに音、匂いなどを感じて周りの状況を探るのですが、

琥珀

それ以外にも私は人の「妖力」を感じ取ることができるんです

琥珀

それで最初に純蓮さんに会ったとき、離れていてもひしひしと妖力が伝わってきていて…

純蓮

そんなに強いんですか…！？

透

すげーっスよね～！琥珀ししょー！

純蓮

す、すごいです…

琥珀

透くん、やめてください…

純蓮

あの、怪異に襲われやすいのも妖力が原因なんですか…？

琥珀

そうですね

琥珀

普段日常を過ごしている怪異は妖力をあまり感じ取らないようになりましたが、

琥珀

まだ隠れて生活して、人間に危害を加えるものも多いので

琥珀

今の純蓮さんは、怪異にとっての飴という感じでしょうかね

純蓮

そんなぁ……

透

あ、でも！妖力おさえられるようになればいいんスよ！

透

俺ももともと妖力強いほうで、ちょっと怪異に狙われやすかったっスけど、

透

琥珀ししょーに会って修行したら、襲われなくなったっスよ！

純蓮

修行すれば妖力が抑えられるようになるんですか？

琥珀

そ、そうですが…妖力を人並に抑えられるようになるには、純蓮さんの場合はだいぶ時間がかかると思います

琥珀

家からここまでの移動も大変ですし…その道中で襲われるかもしれません

純蓮

そうですか…私はどうしたら…

透

じゃあ琥珀ししょーの家に住めばいいじゃないスか！

琥珀

えっ

純蓮

えっ…？

透

俺とかなりつねさん達とかも住まわせてもらってるんスよ！

透

琥珀ししょーの家めちゃめちゃ広いし、スペースは問題ないんじゃないスか？

琥珀

え、い、いや、そうですが…

琥珀

純蓮さんの家庭の事情にもよりますし…

純蓮

私、お母さんに自分の体質のことは話してあって

純蓮

一緒にどうしたらいいのか考えたりもしたんです

純蓮

いろいろ工夫とか、通う学校とかも考えて…

純蓮

だから、話してみれば納得してくれると思います！

琥珀

そうでしょうか…？…でも、純蓮さんが言うならお任せします

透

また一緒に住む人増えるっスね～！

琥珀

まだ決定したことではありませんよ…

純蓮

じゃあ、このままここにいても邪魔になると思うので、これで帰りますね

透

俺途中まで送りましょっか？一人だと危険だと思うっスから！

琥珀

私はまだ仕事がありますので、透くんにお願いします

純蓮

わざわざありがとうございます…！

帰り道…

純蓮

…そういえば透くんって高校生…ですか？

透

高1っスよ！

純蓮

学年同じなんですね…！

透

純蓮さんも高1っスか？

純蓮

あ…ええと…高1…ではあるんですけど…

透

？　なんかあるんスか？

純蓮

じ、実は去年遅刻と無断欠席が多すぎて留年してて…

透

ええっ純蓮さんって不良かなんかだったんスか！？

純蓮

えっ！？ちがうちがうっ！そうじゃなくって…！

純蓮

私、怪異に襲われやすいのと同時に霊媒体質で…

透

あ、だから無断欠席とか多かったんスね…

透

俺も小さい頃は妖怪に襲われること多くって苦労したっスから…

純蓮

えへへ…お互い大変ですね

透

敬語使わなくてもいいっスよ～！

透

事実、俺より年上なんスから！

純蓮

えっでも…

透

純蓮さんとはこれから一緒に過ごすこと多くなりそうっスし！

純蓮

わ…わかった…

透

純蓮さんも琥珀ししょ―のおかげでなんとかなるといいっスね！

純蓮

うん…！

透

えっと、ここら辺で大丈夫っスか？

純蓮

だ、大丈夫…！ありがとう

透

全然いいっスよ～！じゃ、また！

純蓮

じゃあね…！

純蓮

ただいま～

純蓮

（あ…誰もいないんだった）

母

純蓮！！

ぎゅっと、強く抱きしめられる

純蓮

あれっ、お、お母さん！？

純蓮

なんで…！

母

さっき、学校から怪異の襲撃にあったって連絡がきて…！

母

それで生徒たちは返したっていうから…！

母

けががなくてよかった…！

純蓮

ご、ごめんなさいお母さん…

母

どうして謝るの？…本当に無事でよかったわ…！

そう言いながら、母は涙を流した

母

まだお昼食べてないでしょう？さっきチャーハン作っておいたから食べて

純蓮

ありがとうお母さん

母

どうしたの？なんだか浮かない顔してるわよ

純蓮

あ、あのね…お母さん

母

なに？

純蓮

その…学校で妖怪に襲われたときに助けてもらった人がいるんだけど…

母

そうなの！？やだ、お礼しに行かなきゃ…！

純蓮

それで、その人達が怪異に関する仕事をしてるっていうから私の体質について相談してみたの

純蓮

そしたら、私って普通の人たちよりも妖力がすごく強いらしくて…

純蓮

それで妖怪とかに襲われているんだって言われて…

母

妖力？

純蓮

自分の中に宿る気みたいなもの…らしい

純蓮

それで、その妖力を抑えるには修行が必要なの

純蓮

でもその人たちが住んでるところと私の家が遠いから

純蓮

助けてくれた人たちの家に住み込めばいいって話になったんだけど…

母

その妖力が抑え込めるようになれば、あなたがしょっちゅう襲われることもなくなるの？

純蓮

うん…きっと…！

私は、母の目をまっすぐ見た

母

……わかったわ

純蓮

ほ、本当…！？

母

何かあったらすぐお母さんに連絡してね？

母

絶対だからね？

私の肩をつかむ母の手は、少し震えている

純蓮

うん…！わかってるよ

母

はあ…よかった…！

母

さあ、そうとなったら荷造り始めないと…！

純蓮

…ありがとうお母さん…

母

いいのよ。それであなたが普通に過ごせるようになるなら…

琥珀

純蓮さんのあの妖力の強さ…

琥珀

人と人との間にあんな強さの人間が生まれることは稀の中の稀…

琥珀

もしかして純蓮さんは…

琥珀

…いや、そんなわけない…か

続く…

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

フカ🦈🩵

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

あやかし相談所

第2話 - 第二話

作者の他の作品すべて見る

関連するタグ