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昔から、親に虐待されながら生きてきた。 妹を守るためにずっと抱きしめて、親に背を向けた。 その瞬間に殴られ、叩かれ。辛い思いを何度もした。 ……それでも、妹を失うことよりもずっとマシだったんだ。 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 俺と妹は二年ほどの違いで生まれてきた。 現在俺は十四歳で、妹は十二歳だ。 まだ中学一年生の妹は、服の上から分かるほどに痩せている。 虐待が始まったのは俺が十歳で、妹が八歳のとき。 俺がテストの点数を見てもらおうとしたときに、「黙っておいて……!」という言葉を履かれたのが始まりだった。 最初はまだマシだった。少し殴られて、叩かれるくらい。 ……けれど、少しずつ虐待は酷くなっていった。 煙草を押さえつけられたり、フライパンで殴られたり、部屋に閉じ込められたり―――。 酷い時にはアイロンを押し付けられることもあった。今でも残る醜い傷を、妹は「大丈夫?」と心配するのだった。 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 それから数年が経過しても、まだ虐待は続いた。 近所では「あの家はおかしい」という噂が広まり、誰も家に近づかなくなってしまった。……そのせいで俺と妹は余計に酷い扱いを受けることになった。 当たり前のように腹を蹴られ、当たり前のようにリモコンなどで殴られた。 いつしか俺と妹の居場所は家から無くなり、暗い部屋で妹と二人で過ごした。 布団も無い狭い部屋の壁にもたりかかって死んだように眠った。 飯は一日一食。 親が両方いない時を狙って、食パンを一枚食べていた。 妹は「お腹空いたよぉ」と泣き喚き、俺を困らせるようになった。 可愛い妹を泣かせる親―――アイツらを許せない。 「お前は俺とは違って髪が綺麗だから、モデルになれるなぁ―――」 そんなことを言いながら妹の頭を撫でる。 それと同時にドアを開ける醜い音がして、怒鳴り声が聞こえる。 妹の目と耳を塞ぎ、妹を抱きしめる。 微かに濡れる服に更に妹を押し付けて、親に背を向けた。 ―――今日も俺は何も変わっていない。 でも、安心してくれ。 お前は、死んでも守るから―――。