『最期に見えた君の泣き顔は美しい＿｡』

俺は重い目蓋をゆっくり開け、身体を起こした。

...そうだ俺入院中だったんだ。

目を瞑りながら机に手を伸ばしていると突然何かに触れた。

柔らかい...携帯では無いことは間違いない。

机の方に視線を動かすと、

隣の椅子にたっつんが座っていた。

...しかも寝てる。

普通に喋りかけてくる...。

え、ここ俺の病室だよね？

...合ってる...俺は間違ってない...

なんかたっつんってこういう所あるよなぁ。

自分の病室で待てばいいのにさ...

そう言ってたっつんは俺の腕を引っ張る。

....本当に病気なの？たっつんって...

そう言ってたっつんは携帯に顔を近づける。

あぁ、そういえば休んでるんだった。

先生にも言ってないし、サボりと思われてなきゃいいけど...

全部話したら長くなるしね

普通に嘘ついちゃったな、

こんなにスラスラと嘘言える俺が凄いよ

...学校よりこっちの方が大変な気がする。

よくそんな動けるな...

そう言ってたっつんは俺の腕を引っ張った。

花ってこんな種類あるんだな...

俺あんまり興味無いかも...

たっつんは目を輝かせ俺に次々と花を渡してくる。

...こんなのやりたくないとか言えないよな。

俺は渋々花冠を作る事にした。

幼少期に作ってたから作り方は分かるけど...

数年経ってるしちょっと歪かも...

俺はたっつんの頭に花冠を乗せた。

久しぶりの割には結構上手く出来た気がする...

目を輝かせたっつん花冠を見つめた。

この笑顔が消える日が来る...

...想像もつかない。

そう言ってたっつんは花冠を抱える。

言ってくれたらいつでも作ったのに...笑

ふとたっつんがくれた絵を思い出した。

...絵とかあんま描いた事無いけど、やってみるか、

暇つぶしくらいにはなるでしょ。

俺は描いた絵を見つめた。

絵に時間かけすぎたかも、

そろそろたっつん戻ってくるかな

こんな毎日が続けば良いのになぁ...

いきなり真剣な表情をしてたっつんは星を見つめた。

たっつんは1つの星を指差す。

...そんな言い方しないで

もう...最期が見えてるような事言うの...

...嘘。...好きだよ

...その気持ちが、言えないだけ

深めちゃ駄目だよ...。

深めたら...それこそ俺は...

...もう少し、

もう少しだけ、

この気持ちは胸の奥に閉まっておこう

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡1500

次回予告

Episode14『もっと一緒に居たい』

...じゃぱぱ？

お前...なんで泣いて、

俺、もっとたっつんと居たいよ...

...置いていかないで...

...神は俺の涙を

拭うことさえしなかった。