利奈
怖ー…
プルルルルル
利奈
ん?なんだろう…
利奈
はい、もしもし…
利奈
………………
利奈
はい…はい。
ガチャ
利奈
っ…!
行かなきゃ…
タッタッタッタッタッ…
病院にて
利奈
奈利!奈利!!
奈利
………ぇ?だ、…れ…です、か?
利奈
………………。
奈利は、もう、手遅れだと言う。
いやだ。信じたくない。
でも、信じるしか、ない…
奈利
あ、の…
利奈
…………………………………
奈利
………?
利奈
ごめんなさい。
利奈
私、最後に貴方の声を聞きたかったの。
奈利
はぁ…
利奈
…………………
奈利
っゔ!
利奈
…………っ…
奈利
………………………………
利奈
な、奈利…?
………………冷たい。
彼女のぬくもりは…
まるで、嘘かのように消えた。
悲しい。悔しい。
利奈
ごめんね。
私は、
利奈
貴方に、
真実を
利奈
伝えられなくて…
……………………
あれから…十年。
利奈
もう、十年か…
利奈
奈利、見てる?
利奈
届くかな?
コーヒーを片手に、私は言う。
利奈
私の、生まれ別れの妹に。
持っていたコーヒーを飲み込んだ。
あの事実よりも、ほんのり甘い、でも苦いコーヒーだった。