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学校が終わり、下校時刻になる
皆、家路へとつく
ただ一人の少年を除いて
春紀
春紀
春紀
春紀は街全体が見れる裏山で一人の何もせずに過ごすのが好きなのだ
親が心配して探しに来るがここまでは来ないだろう
なんでこんな事をしているのかと言うと、簡単だ
親が嫌い
それだけだ
自分にプレッシャーばかりを押し付けてきて、自分の気持ちなんか考えてくれない
褒められた事だって、無かった
春紀
春紀
青かった空が赤くなり、そして黒くなるまで
春紀は裏山で過ごすのだ
春紀
午後9時、春紀は帰宅した
春紀の母
春紀
春紀の父
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀の父
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀の父
春紀の父
そう言って父はガラスのように無機質な眼で春紀を見る
軽蔑しているようだ
春紀
春紀は呆れたように言った
春紀
春紀
春紀の父
春紀の父
春紀の父
春紀の父
春紀
春紀の父
父は宇宙人についての研究をしている人物だ
よくオカルト雑誌とかにも載っている
きっと彼には緑の血を流す人しか見えていない
自分や母なんてどうでもいいのだろう
自分はそんな父が大嫌いだ
凄く馬鹿らしい
春紀の母
春紀の父
春紀の父
春紀の母
春紀の母
春紀の父
春紀の母
春紀
翌日
春紀
春紀はそう言いながら裏山に登る
春紀
???
春紀
やって来たのは、黒いローブをした人物だった
一体どこの誰なのだろうか
???
春紀
どう考えても普通じゃない
危険人物のオーラが漂っている
???
春紀
いきなりマジで誰だ
自分を観察していたのでは無いか?
でも、それだけで人と関わりたくないと判断する方がおかしい
なら何だ?
知り合いではないし
???
春紀
何だろう、彼の話に惹き付けられる
怪しい人の筈なのに
???
春紀
春紀
???
相手はニヤリと笑って言った
???
春紀
相手は自分の額に手を当てた
そして、よく分からないことを呟いた
???
???
???
???
相手は自分から手を離した
???
???
春紀
春紀
???
春紀
春紀は嬉しそうに山を下った
???
ローブを脱ぎながら彼はそういった
ローブは中世に買ったものだ
かなり古びているが、相手にインパクトは与えられた
???
???
春紀の学校でAETをしている青年、ルキアはそう言って笑った
家
春紀
春紀の母
春紀の母
春紀
それだけ言うと、春紀は自分の部屋に上がった
春紀
脳の中を必死で探す
彼の残したデータがある筈だ
春紀
その時、脳のスイッチが入れ替わったのを感じた
春紀
周りに負のオーラが漂っている
あまりの嫌悪感に、逃げたくなるだろう
自分から発せられてなければ、かなりビビりそうだ
春紀の母
母は、自分の部屋に入ってくるなり
驚いたように眼を見開き、そのまま倒れた
春紀
春紀
急いで家電をとり、連絡する
ほんの5分で、救急隊がやってきた
それまでに負のオーラは押さえ込んだ
母は、救急隊員らにより
病院に運ばれた
何があったのか聞かれたが、ショックを受けて混乱しているふりをした
オーラの話なんか、出来るはずがない
病院
春紀の父
父が、母の名を呼んで心配している
自分が入院した時は、こんなに心配してなかったのに
春紀の母
春紀の母
春紀
春紀の母
春紀の父
春紀の父
春紀の母
春紀
春紀の母
春紀の父
病室から1歩外に出ると、一気に気まずくなる
春紀の父
相変わらず表情一つ変えずに言ってくる
春紀
春紀の父
春紀
春紀
春紀の父
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀の父
春紀
コイツは心の底から憎い
自分の事を人間としか、いやそれ以下にしか思っていないだろう
こんな奴、いつか殺してやる
その前に、もっと上手く力をコントロールする訓練をしないといけない
まずは学校でやってみよう
学校
ルキア
ルキア
英語の授業中、先生が説明している
何となくこの前のローブの人に似てる気がする
ルキア先生があの不審者である筈はないが
ルキア
春紀
頭から不審者の姿が離れない
ルキア
春紀
ルキア
ルキア先生は解説を続けていく
彼の解説は分かりやすく、年齢に似合わずベテラン教師よような感じをしている
そんな彼の解説も、今は頭に入ってこない
ローブを着ていたあの人物を彼に重ねてしまうのだ
全く授業が頭に入らぬまま、終了のチャイムが鳴った
挨拶をして、席に着く
ルキア
先生に呼ばれた
春紀
ルキア
春紀
ルキア
春紀
担任でもないルキア先生が母について何かあるのだろうか
疑問は解けない
春紀
そう思い、放課後職員室に向かった
春紀
ルキア
ルキア先生がやって来る
感情アクセスモードにして、負のオーラを放つ
春紀
春紀
オーラを強くする
恐怖で真実を吐くしか出来ないだろう
ルキア
ルキア
ルキア
春紀
ルキア
ルキア
ルキア
ルキア
春紀
なんで知っているのだろう
ルキア
春紀
ビビって声が出た
そんな自分の反応を先生は楽しそうに見ている
ルキア
春紀
ルキア
ルキア
春紀
ルキア
春紀
ルキア
ルキア
春紀
春紀
迷うと思っていたが、案外直ぐに答えた
ルキア
ルキア
ルキア
自分は、この星の重大な秘密を知った気がした
春紀
ルキア
春紀
ルキア
ルキア
ルキア
ルキアは、そう静かに言った
帰り道
春紀
春紀
ブツブツ唱えて、負のオーラを発生させる
これで人は謎の不安感に襲われるだろう
混乱して、発狂する程では無いが
春紀
周りの不安感など気にせずに、春紀は軽い足取りで帰路についていた
春紀
まだ父は帰ってきていない
やっぱりこの力は、部屋の中で強くして使うのが一番いい
帰ってきた父が、嫌そうにこちらに近づいて来ないのに優越を覚える
春紀
今までより、指数を強くして限界まで負のオーラを発生させる
自分には周りが真っ暗に見えている
ここはもう死の領域だ
立ち入った人は一人残らず恐怖でショック死するだろう
ルキア先生を除けば
家には少しずつ負のオーラを発生させて、疲れて帰ってきた父に恐怖によるストレスを感じさせて、じわじわ苦しめて殺すのだ
凄く楽しみだ
ガチャりと、扉の開く音がした
別に挨拶する気は無い
春紀の父
大声で名を呼ぶ
最近少し負のオーラの濃度を濃くしたからだろう
春紀
リビングに走っていく
春紀
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀
春紀の父
春紀
やっぱり心の底から憎い
少しだけ、負のオーラの濃度を上げた
一週間後
春紀
ルキア
ルキア
ルキア
春紀
ルキア
ルキア
去ろうとした自分をルキア先生は止めた
春紀
ルキア
ルキア
春紀
ルキア
春紀
なんか行動が読めない人だ
排除出来ないのが辛い
晩
春紀
春紀の父
完全に狂ってきている
春紀
春紀の父
春紀の父
春紀の父
春紀
父は台所に向かいながら語る
春紀の父
春紀の父
父は台所からナイフを取り出す
春紀
春紀の父
春紀の父
父はそう言って頸動脈を切った
大量の血が出る
台所一帯が真っ赤に染まるほど
春紀
ルキア
鍵を掛けてあった筈の扉から、ルキア先生が入ってきた
春紀
ルキア
ルキア
春紀
ルキア
ルキア
ルキア
先生に渡された手帳と共に外に出た
手帳はこの前無くしたと言っていた父の物だった
春紀
手帳を開くと、なんかの記録や今後の予定
そして、1枚の写真がでてきた
春紀
写真には大学生位の父と背が高く髪の長い男性が写っていた
裏に字が書いてある
春紀
自分に宛てたメッセージが書かれていた
春紀へ
君がこれを読んでいるということはきっと私はこの世には居ないのだろう
だって私はこれを肌身離さず持ち歩いているのだから
死んでしまったのは悲しいが取りあえず伝えるべきことを伝えよう
今まで冷たく対応していて悪かった
信じられないだろうが、私は君の事が嫌いな訳では無い
自分の子供を嫌いになるなど、有り得ないさ
ただ、私は自由に生きている君が羨ましかったんだ
私は好きでこの研究をしている訳では無い
写真に映る青年は異星人だ
到底信じられないかもしれないがね
彼が死んだ仲間について知りたいと言ったんだ
それで、私は知り合いの宇宙人研究家の事を教えた
そこで、彼は異星人だとバレて研究所に連れていかれた
結局事故死とされたが、きっと研究所で拷問されて殺されたのだろう
二十年前の宇宙人生け捕り成功の話だ
お前は、まだ産まれてなかったがな
私はあの日の事をずっと後悔している
だからこそ彼の犠牲を無駄にしないために、私は研究家になったのだ
春紀、私が言いたいのは後悔しないで生きて欲しい
それだけだ
春紀
自分は馬鹿だ
どうして気付くことが出来なかったのだろう
父も父で苦労してきたんだ
それを知ろうともせず、自分は……
春紀
ルキア
ルキア
ルキア
ルキア
春紀
ルキア
ルキア先生は幾つなのだろうか
父さんと同年代には見えないが
ルキア
ルキア
ルキア
春紀
ルキア
春紀
春紀
春紀
春紀
ルキア
ルキア
春紀
春紀
ルキア
ルキア
ルキア
ルキア
春紀
春紀は夜の町へと消えていった
コメント
5件
難しかったけど、面白かったです。 お父さんの事は悲しい事だけれど。ハルキに孤独を選んでほしくなかったなって、思いました。
きっと春紀も後悔したと思いまよ。でも、一度やってしまったことは消すことが出来ない。ならばと思い前へ進むことを選んだのでしょうね。
春紀は、最後に父の本当の気持ちを知ることができてましたね、私だったら後悔してしまいます。でも、前を向いて後悔しないように生きるって難しいけど、響く言葉だなぁと改めて思いました!今後彼がどのように生きていくのか、謎ですが気になります。