美月
ウロボロスの言葉は最後まで続くことはなかった。
イリスが振り下ろした剣によって断たれたのである。
こうして世界は救われた。
しかし、イリスとエルナレスの心は虚ろだった。
二人が再び巡り合うことは二度となかった。
【解説】
異世界転生ファンタジー小説における「テーマ性」「メッセージ性」について考察しました。
物語の展開上、主人公の行動が結果的に世界を救ってしまうような展開になりやすい傾向にあり、「主人公が世界を救う物語=英雄譚(ヒロイック)」と言えるでしょう。
こういった物語は読者が感情移入しやすいため人気が高く、アニメやマンガでもたびたび題材とされています。
しかしながら一方で、あまりにも主人公が目立ちすぎて肝心の世界観やストーリーが置き去りになってしまうケースも多いようです。
そういった場合、物語の結末で主人公たちはどうなったのか? 残された人たちはその後どう生きていくのか? などと言ったことが語られないまま終わってしまうことが多く、結果として「消化不良感が残る作品」になってしまいがちです。
これはあくまで個人的な見解なのですが、やはり物語としては主人公たちの活躍だけでなく、その世界で生きている人たちの人生にもスポットを当ててあげることでより一層深みのある作品に仕上がるのではないかと思います。
特に現代社会が舞台である場合はどうしても現実世界とのリンクが多くなりやすく、そういう意味でも登場人物の人生に焦点を当てた方がより多くの共感を得られるのではないかと考えます。
最後に 今回は「ウロボロス~世界が終わる前に~」を題材にして、物語や登場人物たちの心理描写などを重点的に述べてきました。
今回の作品はライトノベルらしい読みやすさを意識していますが、もし小説投稿サイト
