交換っこ

姉は病気だ

医師によるともう治ることはないらしい

姉と話すたびに皆、泣きそうな顔をしてから作り笑顔を浮かべる

今日も……

私はそういって しまった‼ と思った。

なんたって同じ病室の秋子ちゃんは不治の病だから……

いない＝死んだ　ということになる。

私は希美と双子だ。

一卵性だから顔も瓜二つで。

それなのに私は元気で希美は……

希美も言わないだけで絶対思ってる。

不公平だ。って……

そう考えながらエレベーターに乗ると

ガタン‼といいながら大きく揺れた

地震だ……‼

しばらくしてから揺れはおさまった。

お母さんと希美が心配になってエレベーターのドアを開けると

まだ８階にいた。

その事を少し不思議に思いつつ走って希美の病室へ行った

どこも真っ暗でナースさんもいない…おかしい。

それで怖くなった私は何かの悪夢だと思い、きた道を戻って

エレベーターのボタンを押した。

チンッ! という音と共にドアが開いた

急いでエレベーターに乗ったが…そこにエレベーターは無かった。

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今日は希美の葬式である。

だが、正確に言うと『奈乃』の葬式である。

希美は秋子から言われたおまじないを試した。

そのおまじないというのはお札に願いを書くことでそれが叶うというものだった。

ご丁寧に秋子はやり方の手紙と一緒にお札までいれていた。

その手紙が子供っぽい字だから秋子は妹になったんのだろう。

秋子の肉体は死んでいるが魂は今も妹のなかで生きている。

今は秋子は9才だという。

そして、そのお札に希美は"奈乃になりたい"と書いてしまったのだ。

そして希美の肉体は死に、奈乃のなかで魂だけが生きている。

希美(奈乃)葬式で奈乃(希美)はずっと下を向きうつむいていた。

その姿は涙をこらえているというよりも、

笑いをこらえているようだった。