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sm

ここから出してあげようか?

snr

えっ…

sm

準備は大体出来たんよ

sm

あと、数週間すれば身請けの準備が整う

snr

み…うけ…?

身請け 客が遊女の抱えている借金を 肩代わりし、吉原から出すこと

snr

えっ…そんな急に…

嬉しいとか、幸せとかの気持ち じゃなくてこの時は驚きしか無かった

sm

…嫌か…?

snr

そんな…

snr

…嫌なわけないやろ?

snr

でも…

吉原を出たら、と思った時1番俺の頭に浮かんできたのはurt兄さんだった

吉原を出たらurt兄さんには 会えなくなってしまう

俺は7歳で初めて吉原に来た

何も知らない俺に作法や礼儀を全部 教えてくれたのはurt兄さんだ

だから、俺は振袖新造に… 花魁の座にまで上がることが出来た

そんなにurt兄さんよりも先に 俺が幸せになっていいのだろうか

snr

……

snr

ちょっと考えさせてくれんせんか…?

sm

sm

urt花魁か?

snr

snr

あい。

sm

ほしたら、sktにもきいてみるかな

sm

あいつは確か医学系の仕事やっとったからさ

sm

多分結構もってるやろ

sm

あいつがurt花魁を身請けしてくれるかもしれん

snr

ほんとでござんすか?

それが出来たら どんなに幸せだろうか

明日、urt兄さんにきいてみよう

次の日

snr

urt兄さん

urt

ん?なんだsnr

snr

わっちのことを…sm様が身請けしてくれるかも…

urt

urt

そうか、良かったな

urt兄さんは優しく俺に微笑みかけた

snr

でも…

snr

わっちが兄さんよりも早く此処を出ていいのかって…

urt

えっ

snr

そしたらsm様が、skt様が兄さんのことを身請けしてくれるかもしれないって、言うてて

snr

もしそれが出来たら…

urt

……

urt side

snr

もしそれが出来たら…

urt

……

無理だ

"間夫も…終わりにしましょう…"

そう言ってしまったのだから

もう、俺とskt様の間には 何の関係も残っていない

urt

俺のことは…いいよ。

urt

吉原にいるよりsm様といた方が幸せになれる

urt

なんせ、他の客に抱かれずに済むのだから

urt

人生に別れなんて沢山あるんだから

urt

sm様に身請けしてもらいな?

snr

snr

兄さん…なんかあったん?

urt

えっ

snr

だってskt様に身請けして貰えないって決まったわけやないのに

snr

最初から身請けされないみたいな言い方するんやもん

urt

いや…なんもないよ。

snr

snr

そんなに…俺は頼りないん?

urt

えっ…

snr

兄さんはさ…床下手やけど馴染み客がたくさんいて

snr

吉原一の花魁で

snr

なんも知らんかった俺を一から育て上げてくれて

snr

そのおかげで俺が振袖新造にも花魁にもなれたんよ?

snr

そんなお手本みたいな人が俺に心配かけなくないとか、そういうの思うのは分かるけど

snr

もっと…頼ってよ

snr

いつも俺ばっかりやんか

snr

俺だってurtさんのためになんかしたいよ

この言葉はsnrの 本音なんだって思った

いつの間にか、俺には廓言葉を 使わなくなってて

それは他の人と俺との言葉の使いわけができるようになってるってことで

snrだって、何も出来なかった あの頃とは違うのに…

迷惑かけちゃいけないって

頼れる兄でなければいけないって 変なプライド持って

逆にそれが、snrには 悪かったのかもしれない

urt

snr…

snr

なに?

urt

俺とskt様は…

urt

間夫ではないんだ

snr

えっ…

全部話した

間夫をつくってはいけないと 言われたこと

間夫を作っていたことが バレて罰を受けたこと

sktに間夫を切る話をしたこと

sktとの約束を破ったこと

snrは俺の話をひたすら 黙って聞いてくれた

urt

skt様だって…

urt

所詮は客だからって…

urt

すぐ、忘れられると思ってた

urt

いや、忘れられなくても気にしなくなるって思ってた

urt

なのに…グスッ…ッ…

urt

離れるのが…会えないのが、こんなに辛いって思わなかった…ウッ…ヒック…

urt

人を想う気持ちを止めるのがこんなに難しいなんて思わなかった…

urt

まだ…好きなのに…

urt

俺は…ッ…此処から出れないから…どうすることも出来ない…

涙が溢れてきて もう自分では我慢できなかった

俺は吉原の街から出られない

1歩でも外に出たら『足抜け』 とされ、酷い拷問を受ける

下手したら殺されてしまうこともある

手紙も送ることは出来ない

だから、俺はskt様がここに 来ない限りは、もう会えない

それに…skt様が、約束を破って 嘘をついて、skt様を突き飛ばした 俺の元へもう来るとは思えない

結局、手遅れなんだ

何もかも

俺が全てを話終わったあと ようやくsnrの口が開いた

snr

兄さん…

snr

1つ…おかしいことがあるんや

urt

え?

snr

おばば様も、楼主様も俺とsm様が間夫だって知ってる

snr

でも、俺は間夫を切れとかそういうことは言われてない

snr

それは…おかしくない?

snr

俺だって一応は花魁なのに。

urt

それは…俺が売上1番だからじゃないのか?

snr

それもあると思うけど、そんなに大きな差はないよ

snr

それに…間夫をつくってはいけないっていう規則はない

snr

間夫をつくってはいけないっていうのは…きっと、おばば様が勝手に決めたルールや

snr

吉原の規則ではない

snr

だから、守る必要はないんや

urt

そんなっ…

じゃあなんで俺は罰を受けた?

規則破りをした者以外は 罰を受けることは無い

俺は規則を破ってない(間夫の件は)

他のは破ってたけれど… そこまで重いものじゃない

でも、俺の受けた罰は足抜けをした ときくらいのものだった

urt

確かにおかしい…

snr

楼主様に…きいてみよ?

snr

おばば様が悪いことになれば、skt様と間夫になることが許されるはずや
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