刹那
それで、ご用件は?
一生
落ち着いて聞いてくれ...
ここで俺は会長とアイツから
聞いたことを全て話した。
最初は驚いた表情をしていたが
それはやがて怒りの表情へと
変貌していった。
一生
...ということなんだ
刹那
そうでしたか、分かりました。ありがとうございます
そう言うとコイツは
教室の扉に向かって
歩き始めた。
一生
おい、どこ行くんだ?
刹那
生徒会室です
一生
何する気だ
刹那
瑠流様をそんな目に遭わせて“いただいた”のですから、キッチリお返s
一生
馬鹿かテメェは‼︎
刹那
なっ...
一生
そんなことして猫屋敷が喜ぶと本気で思ってんのか?
刹那
これは瑠流様の感情は関係ありません
刹那
私の独断です
一生
はぁ...だとしたら猫屋敷も大したことねーんだな
刹那
は?今何と?
一生
聞こえなかったか?猫屋敷は大しt
と最後まで言う前に
俺は胸ぐらを掴まれて
黒板に叩きつけられた。
一生
いってぇ...な...ッ‼︎
刹那
もう一度聞きます、瑠流様が何とおっしゃいましたか?
刹那
発言には気を付けなさい。私は今、気が立っています
一生
...っ‼︎
刹那
発言次第では...あなたを“掃除”しますよ?
一生
....
一生
俺は猫屋敷が可哀想だと思う
一生
それは退学のフリまでさせられて、学校と病院へ立ち入り禁止になったことじゃない
一生
こんな大馬鹿野郎がメイドってことがだ‼︎
一生
テメェはアイツの何を見てたんだ‼︎
一生
アイツが部室で泣いてたのを忘れたのかよ‼︎
刹那
黙りなさい...
一生
テメェはアイツ...に託された...んじゃ...ねーのか...よ...
一生
それを台...無しに...すん...の...か...
刹那
黙れ...黙れ...
刹那
あなたなんかに何が分かるッ‼︎瑠流様の辛さが...悔しさがッ‼︎
刹那
私は瑠流様を何時だって慕ってきた...
刹那
瑠流様の傷は私が癒し、敵は私が殲滅してきた...
刹那
彼女がご友人の方々と会えなくなる辛さが、あなたなんかに分かりますかッ‼︎
一生
分かる...よ...
刹那
何を根拠に...ッ‼︎
一生
だって...アイ...ツは...
一生
一生
ここが...大切...な...居場...所だっ...て...
刹那
そんなこと...‼︎
一生
俺に...謝ってくれた時...言ってたんだ...
一生
死研は...雑談しかしてない...けど...楽しい部活...だって...
一生
ゲホッ‼︎ゲホッ‼︎
一生
いじめられてたらしいアイツにとって...大切な存在だったんだ...
一生
部活がなくなっても...あの2人とは一緒にいた
一生
でも...退学のフリのせいで...接近が禁止された...
一生
だからアイツは...テメェに託したんだ...
一生
俺は正直...生徒会なんて嫌いだ...
一生
部活の幽霊部員の意見書を...入れたのに一向に改善されない...
一生
ましてや生徒を退学のフリまでさせやがる(まあ、風祭のせいでもあるが)
一生
本当に生徒会は信用ならねー...
一生
でもな、1つだけ信用できることはある
一生
一生
それは生徒を見捨てないってことだ
一生
まあ、意見書は見捨てられてるかもしれねーけど...それとは別の意味でだ
一生
アイツらは死研のことをどの仕事よりも気にしてくれてる
一生
だから俺はアイツらに...生徒会に協力をする
刹那
....
一生
テメェら死研にはブチギレることが多かったけど、何より猫屋敷には感謝してるんだ
刹那
感謝...ですか?
一生
文化祭の作品さ、俺の思うようにいかなくて悩んでたんだ
一生
それでテメェらにブチギレれて...いや、アレはテメェらが悪いけど...
一生
そんな時にアイツは俺に謝ってくれたんだ
一生
面白かったよ、あんなに律儀に謝ってくるヤツなんていねーからな普通
一生
でも、そのおかげで気持ちが切り替えられて良い作品が出来上がったんだ
一生
だから俺は...アイツに“ありがとう”って言いたい