武道はアルビノ

次の日

武道は窓の外を悲しそうな目で眺めていた

武道が残念そうに溜息を漏らす

武道が窓に付いた結露を掌で拭い、曇った窓ガラスの向こうにある物の輪郭が液晶テレビの高画質みたくはっきりと映る

武道が目線を集中させた先には、一匹の子猫が居た

車道の真ん中で横たわっており、少しすれば車に轢かれてしまうだろう

武道は咄嗟に判断をし、

猫を助けに傘も持たず家の玄関を飛び出た

先程までは小雨だったのに、武道が家を出た頃には大雨に切り替わっていた

肌に降り注ぐ勢いのある雨粒

武道はそれを痛いと思った

視界が薄暗くて見えづらかった車道に子猫が居るのを見つけた武道

左右も確認せずに子猫の元へと駆け寄る

武道が子猫を抱えて立ち上がろうとした、その時

キキッーーー

誰かが叫んだ後、車のタイヤがコンクリートの地面を滑る音が響いた

そしてあろう事か、武道はそこで気を失ってしまった

.....小さく鳴く子猫を腕に抱きながら。