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占い師
占い師
占い師
水晶玉の向こうでオバサンは言った。
私
私
私
占い師
占い師
私
私は五千円札を机に置いて 席を立った。
占い師
占い師
聞く耳持たずに扉を閉めた。
順番待ちの人混みを掻き分けて 私は帰路についた。
私
私
スピーカー
スピーカー
早足で歩く私を スピーカーをオンにしたパトカーが 追い越していった。
私
私
家に帰ると意外な歓迎を受けた。
母さん
母さん
母さん
私
私
とはいえ特上寿司は嬉しい。
思わず顔がにやける。
私
茶碗蒸しだ。
私
母さん
母さん
まさか…ね。
私は占い師の言葉を思い出しながら 茶碗蒸しの蓋を開けた。
妖精
茶碗蒸しの容器の中から 蚊の鳴くような小さな声がした。
割り箸で中をさぐると 異物を発見した。
つまみ上げてみると それは単四電池ほどの 小さなオッサンだった。
妖精
妖精
妖精
いや、オッサンだ。
アニメそのままの魔法少女の コスプレこそしてるが
あなたは茶碗蒸しの玉子に まみれた小さいオッサン。
妖精
妖精
妖精
妖精
いやまあ、
確かに16歳の頃の自分に 戻りたいと思う事は…
妖精
オッサンは玉子まみれのステッキを 私に振りかざした。
キラキラキラキラ…
…ぽむ!!
私
何よコレ?
私の体…
手足が赤ちゃんみたいに?
それにこれ、ベビー服?
妖精
妖精
妖精
オッサンは羽虫のように 宙を舞いどこぞへ消えた。
私
と、言ってるつもりが
私
私
としか声にならない。
その声を聞きつけこっちに やってきた母は
母さん
一瞬マッチ棒のように ピーンと直立したかと思うと
眼球を白目にひっくり返して そのまま真後ろに倒れた。
くま
私の背後から野性味たっぷりの 声がする…
振り向くと
窓を覆うほどの大きさの熊が 私をじっと見つめていた。
あら、熊さん
何でしょう?
その母性愛に満ちた瞳は?
違いますよ、
私はあなたの娘では ありません。
[数ヶ月後]
洞穴生活にもすっかり慣れました。
生のキツネやタヌキは さすがに食べれませんが
鮭やイクラは新鮮です。
ぱっと見ただけで
食べて良い草や花 ご馳走の果実や木の実が
判別出来るようになりました。
ただひとつ問題があるのです。
雪の舞いはじめた昨今
明らかにクマ子さん(仮)が 冬眠に入ったご様子なのです。
私は人間ですので冬眠という システムを所有しておりません。
少しクセのある熊乳ももう 何の問題もありません。
しかしさすがに熊乳だけで ひと冬過ごす自信が
私にはないのです。
…ああ、吹雪です。
クマ子さん(仮)は豪快に寝息を たてて冬眠中です。
占い師
占い師
こんな事になるのなら
あの時、占い師の言葉を 最後まで聞いておけばよかった。
めそ…って何?
めそって何なんでしょ?
と、その時
謎の声
私の頭の中に直で語りかけながら 近づいてくるものがあります。
吹雪に霞んで良くは見えませんが 少し発光しています。
足元は少し浮いているように 見受けられます。
私
私
私はわけもわからず 叫んでおりました。
それが何であれ、私にはもう
彼(仮)に頼る以外の 選択肢はありませんから…