セピア色のメモリー

朝、目が覚めて眩暈がした。
昨日は深夜までゲームセンターで
遊んでくれた、仁って名前の男の子が側にいた、本名は相良仁！
昔からの幼馴染み！

俺の名前は相良仁！
中卒上がりで仕事をしてる！
職は土木作業員！
親しい幼馴染みは木更津ハナ！
俺は妹のように大切にしてる！

ほら、仁、そこのぬいぐるみを！
頼んだから、お願い！
また、失敗したのもう二千円も
損してるよ！
言っとくけど、私のマネーだからね！
ちゃんと集中して！

わ、分かってるって、俺だって必死
なんだよ、そんなにプレッシャーかけんなよ！
このUFOキャッチャー、マジで難しいし、気が滅入るよ！

あんた何言ってんの、今日は私に
付き合う約束したのあんたじゃない！つまり、今日はあんたは私のために頑張るんでしょ！
それしか、ないじゃない！

わり〜、俺、今日は疲れたから、
ウチに帰るわ！
と、言いたいとこだけど、ハナの
頼みとあったら断れねーよなぁ！
いや〜、手に汗かくわ💦
俺の実力を見ててくれ！

いつもそう言うけど、あんた、
私がぬいぐるみにあんたに毎回、
二千円はかけてるんだからね！
真面目にしなさいよ〜！！
思い切り仁の耳を捻った❗️

イテテテ、イデーッ、お前な、
加減を知らんのか？
もう少し、俺を労われ！
これでも、常勤してんだぞ！
マジ、イテー！
相変わらず、恐ろしい奴だな！
お前ってば、空手で県大会で
優勝してんだからな！
マジ、恐えーから、あんま、
俺を責めるなよ！

ハイハイ、そんなこともあったね！
それより、いつも此処からがあんたの本領発揮じゃない！
お願いだから、頼んだよ！
これでも仁の事、期待してんだからね！

お、おっ、来た〜！
やっぱ本気になる時は追い詰められた今ぐらいだな、ハナの期待のぬいぐるみ、ゲットしたぞ！
ガタッ、UFOキャッチャーの景品の
入り口からハナが欲しかったぬいぐるみを、取り出して、ハナに渡した！

やっぱ。あんた冴えてるわ、只者じゃないよね！ありがとう、次は自動販売機でカフェオレ飲もうよ！
ハナは仁に肩を寄せて手を握り、
歩き出す！

いやー、良かった！
何故か不思議なんだけど、
いつもこんな感じで上手く出来るんだよな！
この後のカフェオレが俺も好きなんだけど、毎回、味が七光りなんだ！

私も大分、家の部屋がぬいぐるみで
一杯になってきたから、そろそろ、
UFOキャッチャーは今回で最後にして卒業しようかな？

そりゃ、無理ないだろ、中学から
いつもお前とこうして、通って、
遊んでたからな！
勝負魂がたぎるのも無理ないけど、
とりあえず、やれるだけのことは
やったな、まあ、潮時ってことで
いいんじゃないの！

聞いて、注目ーー、ー！
私のお願いを聞いてくれたばかりじゃなく、叶えた仁を称えます！
仁殿、今までご苦労様、感謝を込めて、御礼をします、

なんだよ、突然、改まって、
感謝のお礼って何？

目を閉じて下さい！
その後に祝福があります！

なんで目を閉じんの？
しょうがないけど、目を閉じるよ！

ハナは仁の頬にそっとキスをした！

うぁっ、ビックリした！
お前、こんな事も出来んの？
いやー、なんかスッゲー気持ち良かったぞ、お前、いつからこんな大人になったんだ？

そりゃー、いつまでも、幼馴染みの
ままじゃいけないじゃない、今までずっと付き合ってたんだから、男と女の関係も必要じゃん！
まっ、そのうち、仁とは結ばれる運命かもよー！