殺し屋として、兄弟として

俺は今ボスに怒られてものすごく反省してる

ゆあんくんを連れ戻しに山へ言ったのに 喧嘩して俺だけで帰ってきたからだ

あれから俺の頭で何度も蘇る記憶

ゆあんくんに「大嫌い」と言われたこと

「もうゆあんくんを弟だと思わない」と 言ってしまったこと

そのままゆあんくんを置いて 下山してしまったこと

ポロポロと涙が溢れる

ボスは一瞬ぎょっとして目を丸くしたが すぐに黙った

会いたい

謝りたい

この二つの言葉で俺の頭の中はいっぱいだ

驚きすぎて涙が引っ込んでしまった

ボスが？山からゆあんを 連れ戻してくれる？？

ゆあんくんも流石にボスが連れ戻しに来たら観念して下山するだろう

よかった…きっと帰ってくる

そしたら、ちゃんと謝るんだ

ｶﾞﾁｬｯ…

ボスに言われた通り隣の部屋に入る

すると一人の男の人がパソコンに 一生懸命になにかを打ち込んでいた

初対面なのにいきなり酷いことを言われる

でも事実だから否定できない…

しかも先輩だし……

スルーされた…

それは次のターゲットの情報の資料だった

この空欄を埋めろってことなんだろうけど…

思い切りため息つかれて舌打ちされた

まぁ俺が悪いんだけど……

え、もしかして役に立たなさすぎて 追い出される？？

どうしようか悩んでいると

全部

なんて言えるわけない

……あ…ヤバい………どうしよ…………

なんだかんだ言って教えてくれるんだな… って思った

悪い人ではなさそう

根は優しいんだ、きっと

正直言ってほとんどわかっていない

こんなに難しいとは…

ゆあんくんは機械関係得意だったっけ…

こういうのもスラスラこなすんだろうなぁ…

なにが弱いだよ…俺より役に立つじゃんか

どうやら俺は全く役に立たないと判断され 超簡単な仕事に回された

まぁ本当にこれくらいしかできることが ないので従うしかない

一番聞かれたくないことを聞かれた

そうだ

いつも一緒にいてくれた

なのに……

多分あのときとは殺人鬼と戦ったときの傷だ

今は…他の、心の傷が痛いよ

のあさんはなにかと察してくれたらしい

ﾊﾞﾀﾝ…