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逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
地下にいたはず、学校だったはず。
しかし、目が覚めた場所には何もない。
今ボクは、一平方メートル程度の四角い線が、延々と刻まれた白い平面に立っていた。
それは水平線まで続いていて、おそらくはこの世界を埋め尽くしている。
逢魔トキ
逢魔トキ
空が赤い。
ボクが気を失った時点で、既に夕焼けは終わりかけていたはずだ。
それなのに、空が赤いのだ。
夕日があって……。
逢魔トキ
夕日が、頭上にあった。
さも当然のように、頂点で世界を焼いていた。
逢魔トキ
ボクと、ともりの間。5メートルを区切り、それは現れた。
機械。いや、人間……?
随分としっかりとしたスーツを着ていて、
その立ち姿は理想の大人そのもの。
身体的な性別は男性だろうか。
しかし、それに頭は無く、代わりにあるのは古いテレビ。
故障でもしているのか、画面はつかない。
そして、黒い液晶に見えるが、
ボクの姿は、そこに反射していなかった。
逢魔トキ
逢魔トキ
ヤツの腹に拳を振る。
防御は無い。
しかし、決まったと思った瞬間、手応えが消えた。
そこにあったのは、スーツのみ。
中身がいなかった。
ならば、と。
テレビの方を殴る。
こちらは当たった。
液晶が割れ、煙を上げる。
「ぴろぴろ」と不思議な音を奏でると、爆散した。
逢魔トキ
ボクの左腕は消し飛んだ。
痛いなんてものではない、
神経が湧き喚いている。
「焼ける、溶ける、焼ける、溶ける……」
想像を絶する苦が、意識を奪っていく。
いや、正しくは失いたくなる。失おうとする。
血が止まらない。
肩にかけて飛んだのだ。
それも爆破で。
太さに関係なく、神経も血管も筋肉も、
全てが避けるようにして、散ったはず。
当然といえば当然だ。
逢魔トキ
逢魔トキ
スーツが浮かび、人型らしくなると、顔にあたる空間にノイズが走った。
ノイズは徐々に重なっていき、カタチを為す。
爆発で散ったはずの本体が復活していた。
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
一瞬、夕日が煌めいた。
これは比喩でもなんでもない。
傷口が焼けた。
火をあげて焼けた。
逢魔トキ
逢魔トキ
肩の炎は、表面だけを焼くと消えた。
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
鼻血が噴き出た。
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
西空ともり
西空ともり
西空ともり
逢魔トキ
西空ともり
逢魔トキ
逢魔トキ
西空ともり
液晶の向こうが光る。
点滅している。その間隔が徐々に縮んでく。
逢魔トキ
西空ともり
2人の視線が交わった時、夕日がまたしても煌めいた。
しかし、先ほどより強く。
白く煌めいた。
西空ともり
逢魔トキ
逢魔トキ
夕日は、まだ光を持っている。
ともりの肉体に火がついた。
西空ともり
頭部を除く、全身が燃えていく。
彼女は死ぬまで、その痛みを味わうのだ。
西空ともり
行かなくちゃ……。
トキのところまで、行かなくちゃ……。
そうすれば、きっと助かるから。
助けてくれるから。
守ってくれるから。
逢魔トキ
火は、然程強く無かった。
故に、じわじわと痛みを与えていく。
初めは皮膚。そして、肉へ。血へ。
いつしか骨も焼けるのだろう。
西空ともり
逢魔トキ
その時。
孤独蛸
5体の蛸。それが地面を破って現れた。
彼らは一つに集まり、ともりを囲った。
夕日に当たらないように。
先生
先生
孤独蛸
西空ともり
西空ともり
西空ともり
彼らの身体も火に包まれる。
だが、高い足の再生能力のために、すぐには焼かれない。
逢魔トキ
西空ともり
先生も使っていた空間の削除で、
蛸の身体が削られる。
一瞬できた隙間から、ともりの身体も焼かれる。
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
西空ともり
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
俺は彼女に背を向け、走った。
全ては、彼女を守るため。愛のため。
逢魔トキ
不思議な事に、今ならばどこまでだって行けそうだった。
全身が感じている、これは果たして、生か死か。
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
逢魔トキ
地面が割れ、奥から何かが飛び出してきた。
ボクはそれに、飲み込まれた。
分離蛸
分離蛸……!!??
8本の足が絡まりあい、球を成した。
その中に眠るは、逢魔トキ。
そこで、分離蛸の動きは止まった。