ロウソクの火を 手持ち花火に移す。
パチパチと音を立てて 花火が付いた。
白石汐凪
白石汐凪
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
2人でしゃがんで 花火の光を眺める。
隣を盗み見ると、
花火の淡い黄色が 白石の黒い目を彩っていた。
わいわいと騒ぐ 皆の声も聞こえないくらい、
俺は彼女に夢中だった。
短くても白石と 2人になれたのは嬉しい。
それは確かだ。だけど…。
白石汐凪
シュウッと花火の光が尽き、
バケツの中に花火を入れる。
黒尾鉄朗
もう少しこの時間が 続けばいいのにと、
欲張ってしまうのは ダメだろうか。
2本目の花火も消え、
俺と白石の分を 遊び終わってしまった。
最後の1本を バケツに入れる時、
白石が名残惜しそうに していたのは、
勘違いじゃないといいな。
白石汐凪side
黒尾さんが誘ってくれた花火。
見慣れない花火の綺麗な光を 夢中で見ながら、
他愛もない話をした。
マネージャーの仕事に 戻らなきゃいけないけど、
今は忘れて楽しみたい。
でもその気持ちを無視して
花火はあっという間に 消えてしまった。
白石汐凪
自分に言い聞かせるように 口にする。
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
そう謝る黒尾さんに 胸が苦しくなる。
白石汐凪
白石汐凪
白石汐凪
白石汐凪
“またやりたい”って 言おうとしてハッとする。
黒尾さんは3年生で、 今年の夏合宿はこれで最後だ。
学校も別々で、 住んでる場所も遠い。
“次”は、きっとない。
黒尾鉄朗
白石汐凪
果たせないであろう約束。
でもそれを決めるのは 今じゃない。
白石汐凪
なぜか泣きそうに なるのを堪えて、
私は大きく頷いた。
コメント
10件
神作品ですね!
もう切ないんだけどそれがまたいい🥹💞 クロに落とされた被害者の会開こうと思います🤜🏻⋆͛🤛🏻 表現の仕方が大好きだー‼️😘 プロフにツム書いたって書いてるのは 嘘じゃないよね⁉️💗 前書いてくれた片割れくん大好きだったからまたツム書いてくれて嬉しすぎる🤦🏻♀️ 💞
黒尾さんは無自覚なんだろうけどこうゆう所に沼っちゃうよね💖黒尾さんもまたやりたいって思ってたんだろうけどやっぱ気遣い上手すぎて見てるこっちがキュンキュンしちゃいます🫶🏻💗 最近テスト期間で見れてなかったけどここまでのお話で疲れ吹っ飛びました!!!勉強頑張ります!次回も楽しみに待ってます!!💪❤️🔥