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音羽🫧@夜型界隈🫠
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Mizu
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#ご本人様には関係ありません
ぷちしらま🐧🪿
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カタカタと静かに扇風機が回る、放課後の教室。
放課後のチャイムが鳴り響いてからもうずいぶんと時間が経ち、あたりには夕暮れの茜色の光が差し込んでいた。
机に頬杖をついて、スマホを眺めているさとくん。
いつも通りの、見慣れた格好いい横顔。
僕は浴衣の入った紙袋をぎゅっと握りしめて、彼の前の席にちょこんと腰掛けた。
僕の身体は、もう長くない。
この夏が終わる頃には、きっともう、いつものようにさとくんの隣で笑っていることはできなくなる。
それを知っているのは、僕と、僕の弟のりぬ、そしてさとくんの弟のジェくんだけ。
大好きなさとくんを悲しませたくないから、最後まで笑顔の『いつもの幼なじみ』でいたい。
だから、彼にだけは絶対に秘密にしてほしいと二人に頭を下げたんだ。
本当はね、幼なじみとしてだけじゃなくて、 一人の男の子として、さとくんのことがずっと大好きだった。
でも、そんな気持ちを伝えたら今の関係が壊れちゃう気がして、ずっと『ただの幼なじみ』 のフリをしてきたんだ。
夕日に照らされるさとくんの顔をじっと見つめながら、僕は喉の奥がツンと痛むのを必死に堪えた。
そして、いつものようにちょつと悪戯っぽく、でも少しだけ意を決したように声をかける。
ころ
ころ
さとくんはスマホからゆっくりと目を離し、眩しそうに僕を見た。
さと
さと
さと
さと
ころ
ころ
ころ
いつものように言い合って、僕たちはその日はそのまま家に帰った。本当は、心臓が爆発しそうなくらい嬉しかったんだ。
ころ
さと
ころ
ころ
りぬ
ジェル
ころ
僕の家に、幼なじみでさとくんの弟のジェくんが遊びに来ていた。
リビングのソファで、僕の弟のりぬくんとジェくんがゲームをしているところに、僕はジュースを持って部屋に入っていく。
りぬ
りぬ
ころ
ころ
ジェル
ジェル
ころ
ころ
りぬ
2人は知っているのだ。僕の命がもう長くないことも、最近体調がどんどん悪くなっていることも。
ころ
ころ
ころ
ころ
僕が嬉しさを隠しきれずに笑顔で報告すると、それまでゲームの画面を見ていたジェりぬの動きが、ピタッと止まった。
2人はゆっくりと顔を見合わせ、一瞬で顔を曇らせる。
ジェル
ジェル
りぬ
りぬ
りぬ
りぬ
りぬ
楽しそうにする僕とは対照的に、2人の瞳には今にも泣き出しそうな不安が広がっていく。
ころ
ころ
ころ
ころ
ころ
ころ
僕が少し寂しそうに笑って頭を下げると、りぬくんはきゅっと唇を噛み締め、ジェくんは小さくため息をついて僕の肩をぽん、と叩いた。
ジェル
ジェル
ジェル
ジェル
りぬ
りぬ
りぬ
りぬ
ころ
ころ
2人のその優しさが、本当に嬉しかった。
それから、約束の夏祭りまでの1週間
僕の身体のカウントダウンは、無情にも進んでいった。
ころ
めまいがする回数は増え、1週間前よりも明らかに身体が重い。
ころ
さと
ころ
だけど、さとくんには絶対に気づかれたくなかった。
正式な、お祭り当日の夕暮れ。
僕は浴衣を着て、少し震える足を叱咤しながら待ち合わせ場所へと向かった。
そこには、紺色の落ち着いた浴衣姿のさとくんが待っていた。いつもよりずっと大人っぽく、格好よく見える。
さと
さと
さと
さと
ころ
ころ
ころ
いつものように声を張り上げる。1週間前よりもずっと身体がキツいなんて、絶対に秘密だ。
さと
さと
さとくんが少し照れくさそうに視線を外しながら、ぽつりと言った。
ころ
ころ
ころ
心臓がドクンと跳ねる。
嬉しいはずなのに、もう二度とこの姿を見られないかもしれないと思うと、視界がじんわりと滲みそうになる。
ころ
さと
ころ
さと
ころ
ころ
さと
笑い合う僕たちの影が、夕暮れの地面に長く伸びていく。
笑い合う僕たちの影が、夕暮れの地面に長く伸びていく。
さと
ころ
そのずっと後ろを、ジェくんとりぬが心配そうについてきていることなんて、この時のさとくんはまだ何も知らなかった。
りぬ
ジェル
夏祭りの会場へと足を踏み入れると、あたりはすっかり夜の闇に包まれ、提灯の光がお祭りの賑やかさを鮮やかに照らし出していた。
人混みはどんどん激しくなり、周りの熱気で頭が少しクラクラしてくる。
その時、前方から大きな人の流れが押し寄せてきて、僕とさとくんの距離が急に離れそうになった。
さと
さと
さと
さとくんが振り返り、僕の前に大きな手のひらを差し出してくれた。
さと
さと
いつもより柔らかくて、優しい声。
その手をぎゅっと握ってしまいたい、と心から思った。本当は僕だって、ずっとさとくんと手を繋ぎたかった。
でも、その手の温もりを知ってしまったら、 もう二度と離したくなくなってしまう。これから訪れる終わりの時間が、何倍も寂しくなってしまうのが怖かった。だから───。
僕はいつもの調子で無理に笑って、差し出された手をあえて通り過ぎた。
ころ
ころ
関係が壊れないように、でもはぐれないように。彼の着ている紺色の浴衣の袖を、きゅつと右手で掴んだ。
さと
さと
さと
さと
さとくんは少し驚いたように僕の手元を見たあと、楽しそうに、愛おしそうに笑った。
これなら、手の温もりは直接伝わらない。
でも、彼と繋がっていられる、僕だけのほんの少しの特等席。
お祭りの賑やかな音の中、僕は掴んだ袖の感覚を、忘れないように強く、強く指先に焼き付けた。
人混みを少し離れて、僕たちは神社の裏手に
ある、小さな丘の上の特等席にやってきた。
下を見下ろすと、遠くの街並みと、お祭りの提灯の明かりが綺麗に広がっている。
さと
さとくんが夜空を見上げる。
次の瞬間、ドォン!と大きなお腹に響くような音と一緒に、赤や緑の鮮やかな花火が夜空に大輪の花を咲かせた。
さと
さと
さと
ころ
ころ
ころ
僕たちは夜空を見上げながら、昔みたいに無邪気にはしゃぎ合った。さとくんの横顔が花火の光でいろんな色に照らされて、本当に格好よくて、ずっと見ていたかった。
身体はもう限界のはずなのに、さとくんとこうして笑い合えているこの瞬間だけは、不思議と痛みを忘れられたんだ。
さと
さと
ころ
返事をする僕の声は、自分でも気づかないくらいに、少しずつ小さくなっていた。
視界がちかちかと白く歪み始める。
頭が急に重くなって、立っている感覚が消えていく。
ころ
身体の奥から冷たい闇が広がっていくような感覚に、僕は心の中でそっと呟いた。
もう、これ以上は立っていられない。さとくんの隣にいられない。
それでも、さとくんの浴衣の袖を掴む指先にだけは、最後の、最後の力を込めていた。
――ジェくん、りぬくん……………。最後まで僕のワガママに付き合ってくれて、ありがとう。約束守れなくて、先に倒れちゃって…………… ごめんね……………。
ドオオオオン・・・・・・!!!
今日一番の、大きな金色のしだれ柳の花火が打ち上がる。
夜空一面が眩しいくらいに輝いた、まさにその時だった。
ふっと、僕の身体からすべての力が抜けた。 握りしめていたさとくんの浴衣の袖が、指先からハラリと滑り落ちる。
ゆっくりと傾いていく世界の中で、花火のまばゆい光だけが遠ざかっていく。
さと
さと
ドサリ、と地面に崩れ落ちた僕の身体を、さとくんが慌てて抱き止める感覚がした。
花火の爆音にかき消されそうな、でも、これまでに聞いたこともないようなさとくんの悲痛な叫びが、遠のいていく意識の向こうで響いていた。
さと
さと
さと
さとくん、ごめんね。最後まで笑っていられなくて………………。
コメント
3件
もうね、読んでる途中からずっと胸がぎゅーってなってたよ…!😭💦 「もう長くない」って分かってるのに、最後まで笑顔でいつもの幼なじみを貫こうとするころくんの気持ちが痛いほど伝わってきて、特に浴衣の袖を掴むシーンが切なくて大好き…。手を繋がないって選択が、逆に“離れたくない”って気持ちを強く感じさせてくれたよ。 さとくんの「よく似合ってる」にも胸きゅんしたけど、あのラストの花火のシーンは涙腺崩壊した…。続きが気になりすぎるよ、早く読みたい!✨