ころさと（短編集）

あれ

あいつってあんな奴だったっけ？

3つ歳の離れたただの近所

の、はずだった

俺があいつと付き合ったのは大学の時

んで、

大学受かって付き合って

それで終わったと思ったら

次は同棲したいとか言い出すし

まぁ俺も、一人暮らし、一石二鳥的な？

んで、そしたら同じ就職場所にするとか

流石に無理だろうって思ってたら

余裕で合格しちゃったよ

一日中一緒になったせいか

嫌なことまで気づいてしまった

それは

ころんは人の懐に入るのが上手い

あの先輩だってみんなから気難しいって言われてたのに

もう私的な話まで

特別なのは俺だけ、だよな？

ころんが入社してから2ヶ月が経った

一度気づいたらそこしか目につかない

若い女性社員も

資料を一緒に運んでもらったとか

仕事を手伝ってくれたとか

まるで自分が特別みたいに

そんなわけないじゃん

ころんは誰にでも優しいだけ

楽しそうに話していて俺が入って来たことにも気づかない

その笑顔って俺だけのものじゃなかった

まぁ、当たり前だよね

3つ歳の離れた俺より

同年代の方がいいに決まってるよな

ﾄﾞﾝｯ

俺はわざと資料を机に叩きつけた

それだけ言って俺は部屋を出た

後ろから俺を呼んでた気がするけど 知らない

ころんが俺のこと好きなんて 分かりきってる

だけど、

何かやだ

俺はころんが優しくする人の1人だって気がして

たくさんいるうちのたった1人に過ぎないような気がして

昔の俺ならこんな事思わなかったのに

いつから変わったんだろう

ころんside

あの気持ち悪い女達に優しくするのは 精神的に疲れるけど

こんな可愛いさとみくんが見れるなら

ちょっと悪くないかも