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1 - ナレーション

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2018年09月14日

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朝 木目調のモダンなテーブルで 珈琲を飲みながら 煙草を吸う これが彼 木村達彦の いつもの1日のはじまりだ

達彦

!?

達彦

えっ

達彦

だれ?誰々?

達彦

怖いんだけど
いきなり!?

達彦

誰かいるの!?

戸惑う達彦

達彦

いや

達彦

戸惑っては
いるんだけども💦

達彦

誰がしゃべってんの!?

驚く達彦をよそめに 時間はただ 刻一刻とすぎてゆく

達彦

えっ?

達彦

何いってんの!?

達彦

おーい!

達彦

誰かいるんですかー!

その声は ただむなしく 響くだけだった……

達彦

え?

達彦

え?

達彦

何?

達彦

これ頭の中だけに
流れてる声なの?

達彦

え?

達彦

そうなの??

はやくも達彦は 現状を把握しつつあった

達彦

あ!

達彦

そうゆう事なの
やっぱり!

達彦

いや、でも

達彦

なんでいきなり??

達彦

てゆーか何これ???

ただ、現状を把握しつつも やはりその出来事は 信じられない それほど不可解なことが 今起こっている

達彦

わかってるじゃん!

達彦

不可解すぎるよこれ!?

達彦

てゆーか

達彦

あなた誰??

その問いにこたえてくれる者は どこにもいなかった……

達彦

あ、

達彦

質問には
こたえてくれないんだ……

達彦

ええ……

達彦

とりあえずは害は
ないのかな……

ひとまず落ち着いた達彦。

達彦

そーだねー

達彦

意味はわかんないけどねー

いくら話そうとも 彼にはこたえてくれるものはいない そう 彼は独身貴族なのだ。

達彦

ほっといて
ほしいんですけど💢

達彦

俺の頭がおかしく
なったのかな……

達彦

病院行こうかな……

今おきている奇妙な出来事 それは現実ではなく 自分の妄想や疲れ、 または普段の不摂生からくるものだと 疑う達彦であった。

達彦

いや、

達彦

自分の思ったことを

達彦

繰り返しいわれてる
だけだからね、これ

あきれ果てる達彦 その理由は明白であった。 自分の既にわかっていることが 再度繰り返し 頭の中に流れてくるのだ。

達彦

くっ……

達彦

あっやばっ!

達彦

仕事行く用意しなきゃ!

達彦

(とりあえずほっといても
大丈夫だろ……)

本当は今すぐにでも 病院に行きたいところだが しがない商社で働く達彦には 会社が常に人手不足なのは 理解しており そうゆうわけにもいかなかった

達彦

そのとーりだよ!💢

~○○○商社~

達彦

え?

達彦

会社名とかも言ってくるの
コレ……?

達彦

(まぁいいや……)

半ばあきらめつつ 達彦は仕事に就いた ーお昼休みー

達彦

そーですねー

達彦

お昼休みですねー

自らのルーティンを 大切にする達彦 お昼休みでの食堂の席も 勿論いつもと同じ

達彦

…………

達彦

(モグモグモグモグ)

七瀬ほのか

あっ先輩!

達彦

!?

達彦

こんにちわ七瀬さん

七瀬ほのか

席ご一緒しても
いいですか?

達彦

もちろんだよ。

うれしいお客様だった。

達彦

(うるせー)

七瀬ほのか

…………?

達彦には片想いの相手がいた それが この七瀬ほのか まさか向こうからお昼に 同じ席に着いてくれるとは……

七瀬ほのか

え?

達彦

七瀬ほのか

え?え?

達彦

???

七瀬ほのか

何ですか今の???

達彦

え?

七瀬ほのか

何?何々?

七瀬ほのか

気持ち悪い!!

ま、まさか!! いや、そんなはずはっ! 今達彦には最悪なことが 頭に浮かんでいる……

七瀬ほのか

きゃーーーー!!

達彦

き、

達彦

聞こえてるの……?

達彦

コレ……

七瀬ほのか

何なんですか!これ!!

七瀬ほのか

先輩がやってるんですか!

達彦

いやっ

達彦

違っっ!

どうにかとりつくろわなければ とりあえずこの場を切り抜ける 言い訳を考える達彦

七瀬ほのか

いやっ

七瀬ほのか

いやっ

七瀬ほのか

何言ってるんですか!

達彦

あっ

達彦

あのねッ……

黙れっ黙れっ黙れっ と 何度も繰り返し頭で叫ぶ。

七瀬ほのか

イヤーーーー!

七瀬ほのか

気持ち悪いっ!!

達彦

あっ………………

悲鳴をあげ走り去っていく彼女を 達彦はただ 呆然と見送るしかなかった……

達彦

あああああ……

達彦

なんだこれ……

達彦

他の人にも聞こえるのか……

信じられないっ 軽い精神病の類だと 考えていた達彦には この意味不明な声が 他の人にも聞こえるなどとは 想像もしなかったのだ

達彦

…………っっ!

他の人にもコレが聞こえるなら マズい! ただ本能的に 「マズイ」 その思いだけで辺りをみまわしてみた 勿論 聞こえていたら どうするのかなんて考えもせず……

達彦

くっ!

先程の七瀬ほのかの悲鳴により 若干ザワついてはいるが この声が聴こえている様子はない

達彦

他は……大丈夫なの……か……

仮にこの声が 他にも聴こえていたなら 朝の自分や 先刻の七瀬ほのかのように もっと取り乱しているはずだ……

達彦

(なんだ!?)

達彦

(なんで他のやつには
きこえていないのに)

達彦

(七瀬さんには
きこえてたんだ?)

達彦

(どうゆうことだ!?)

達彦は困惑している中 思考を張り巡らせた

達彦

(七瀬さんにはきこえて)

達彦

(他の人にはきこえない……)

達彦

(何だ!)

達彦

(彼女と他の奴らとの違いはなんだ!)

達彦

!?

達也はここで 1つの答えに辿り着いた

達彦

(俺が好きだから……か……?)

達彦

(そんなバカな……)

自分の好きな相手にだけ届く? いや、なにかおかしい そんな曖昧なことがあるのか?

達彦

(ぐぐッ……うるっさい……)

達彦

(好きな相手にだけ届くのなら)

達彦

(家族には……?)

達彦

(友人たちには届いているのか……??)

未だに 不安だけが募っていく

女性社員A

キャッ!?

女性社員B

いやっ!?

達彦

!?

女性社員A

な、なに?今の???

女性社員B

え?
あんたにも聴こえたの??

急にすれ違いざまの 女性社員二人が悲鳴をあげた。

女性社員A

いやぁぁぁーーー!

女性社員B

なにこれなにこれっ!!!

達彦

!!!

達彦はこの一連の流れにより 瞬間的に閃いた それは一瞬の閃きでありながらも 確信に近いものを感じていた。

達彦

距離……か!!

そう、 それは好きな人とかの曖昧な 「心の距離」 などではなく 他人との単純な 「物理的な距離」 達彦はそう確信したのだ。

達彦

(くっ……)

達彦

(マジでうるっさい……)

達彦

(とにかくここを
離れなければ!)

そう思うのが早いか 既に達彦は走り出していた。

達彦

(くそぉぉっ!!)

勢いで走り出したものの 自然と行き先は決まっていた。

~○○病院 精神科~

受付

本日はどういった内容で?

達彦

あ……

達彦

あの……

達彦

診て……

達彦

とにかく……みてもらいたいんです……

今の達彦にはそれが 精一杯の説明だった……

受付

はい?

受付

今なにかおっしゃいましたか??

達彦

あっ!

達彦

(しまった!)

達彦は急いで後退りし 距離をとった

受付

ええ?

受付

……………………

そうなのだ 達彦にはこの奇怪な声が 距離で他の人にもきこえるのは 確信があるのだが それが自分とどのくらい 半径2mか3mか 離れていれば届かないのか いまだわからないのだ

受付

……はい……わかりました……

受付

えー……後でお名前でお呼びしますから

受付

少々お待ちください。

達彦

あ、はい……

達彦

(この距離なら大丈夫なのか……)

はじめの方しか聴こえていない様子の 受付嬢をみて達彦は ホッと胸をなでた

達彦

(わかってるんだよ!)

達彦

(そんなことはわかってるんだ……!)

達彦

(なんでいちいち…………)

達彦

(俺の行動や思考を……)

達彦

(頭の中で説明してくるんだ……!!)

達彦

(………………っっ!)

困惑、憤り、悲壮、 それらのものが入り雑じった 感情 それに精神的な疲労も手伝い 達彦は平静を装うのが 難しくなっていた……

達彦

ぐっくそっ……

達彦

(ちゃんと装ってだろーが!)

達彦

ぐぎぎ……ぎぎ……

そんな達彦を 先程の受付嬢は怪訝な顔で 見つめていた……

達彦

え?

達彦

(やばッ……)

それを察した達彦は 咄嗟に顔を伏せた……

達彦

……に……を

達彦

……せた……ギ……

受付

木村さーん

受付

木村達彦さーん

受付

3番のお部屋へどーぞー

達彦

……はい

達彦は呼ばれた部屋に 入っていった

達彦

……に……いった……

達彦

あん?

達彦

…………

医師

本日は
どうなさいましたか?

部屋には 端正な顔立ちながら 髭をたくわえ、 渋みもかもしだす男性が座っていた。

達彦

……ら…………え、

達彦

す…………いた……

医師

はい?

医師

まぁ、こちらにお掛けください。

達彦

あ、はい……

医師

で、
どうなさったのですか?

達彦

あ、あのですね、

達彦

なんて言うか、

達彦

あの、頭の中にですね

医師

はい、

達彦

こ、こ、声がっ

医師

ん?

医師

ちゃんと聞きますから
落ち着いて話してください

達彦

え、え、あ、はい

達彦

頭の中に

達彦

声が

達彦

声が聴こえるんです

医師

ん?
声とは
誰かの話し声とかですか?

達彦

いや、あ、あ、あの

達彦

話し声というか

達彦

いや、話し声と言えば

達彦

話し声なんですけど……

医師

ふむ、

落ち着いた雰囲気のある医師に 少しずつではあるが 慣れてきた達彦

医師

え?

達彦

え?

医師

今なんておっしゃいましたか!?

達彦

ひっ……

達彦

いやっ……

達彦

あの、あのですね……

病院にいけばなんとかなる という妄信的な考えのもと この中で絶対的な存在である 医者というものに この奇妙な声のことを 完全に油断していた 近づきすぎていたのだ

達彦

……ぎ…………て……た

達彦

ギ……

医師

ひっ……

医師

なっ

医師

なんだねこれはっ!

医師

明らかに
君の声ではないよね!

達彦

そ、それが……ギヒ……

達彦は懸命に説明しようとする。

達彦

……つめいしよ……とする……

達彦

こ、こ、
これが声、声

医師

なんだね!!

医師

ケータイかなんかでイタズラしてるのかね!

達彦

ち、ちが、ちが……

達彦

今……の……が……声……

達彦

あ……た……ま……?

達彦

……おれ……?

医師

何を言ってるのかね君は!

達彦は 自我が崩壊しつつあった……

医師

ひっ

達彦

……しつつ……あった……

達彦

あ……れ……?

達彦

お……れ……?

達彦

おれ……の……声?

達彦

グギキ……ギヒ……

医師

なっ

もはや達彦には この声が 頭の中からなのか 自分が発しているのか わからなくなっていた。

医師

ひっ

達彦

わからなく……

達彦

……なっていた……

達彦

ギヒっ

医師

ひっ……

達彦

せ、せ、先生……

達彦

これ……は……

達彦

自分……の……声……ギ……

達彦

でしょ………か……

達彦

…ギ……ヒ…

医師

ひっひっ

かろうじて

達彦

か……ろ……じて……

意識を保とうとするが

達彦

い……しき……たも……す……が

それが自分のものなのか

達彦

そが……じ…ぶん…の…な…か

この奇怪な「なにか」なのか

達彦

こ…きか…いな…にかな…の…

知る術はなかった…

達彦

し…すべ…なかった……

医師

ひっひぃぃ~

達彦

せ、せ……せい

医師

だれかっ!

達彦

これ、だ……だれの……おれの

医師

誰か来てくれ!!

達彦

おれ……れれ……だれ……の

医師

おーーーい!

医師

はやく来てくれーー!!

達彦

……こ……え?

達彦は独り部屋の中にいた

達彦

達彦は独り部屋の中にいた

ここにいれば安心できる

達彦

ここにいれば安心できる

そう、達彦は隔離されたのだ

達彦

そう、達彦は隔離されたのだ

他の者にこの変な声の 届かないところへきたのだ

達彦

他の者にこの変な声の
届かないところへきたのだ

達彦は

達彦

達彦は

平穏を手にいれたのだ

達彦

平穏を手にいれたのだ

達彦

ギヒッ……

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