松葉
・・・
蓮助
・・・
夏目
・・・
とある日の放課後。
私はこの二人によって現在クラスに
強制的に残され、冷や汗をかきながら
気まずい雰囲気を耐えている。
彼らの名前は
黒髪の少々やんちゃ系なのが蓮助。
そして少し茶色の混じった髪色の
クール系が松葉
二人ともクラスメイトでは
普段とても仲のいい間柄なのだが...
この日はその関係にどうやら亀裂が
はいったらしい。
私の前でお互いに険悪な顔をして
睨みあい、一触即発のような空気に
なっている。
そしてこの二人が争っている理由は
松葉
蓮助
蓮助
あ?何だよ
松葉
そろそろこの俺たちのライバル関係に決着をつけないか?
蓮助
...ああ
さっきまでお互いに睨みあっていた
二人がこちらを向き
そして二人同時に声をかける。
蓮助
さあ!お前は俺と松葉どっちと付き合うんだ⁉
松葉
さあ!夏目さんは俺と蓮助どっちと付き合う?
夏目
・・・
松葉
さあ、夏目さん!俺たちに遠慮しないで!君の好きな方を選んでくれていいんだよ?
夏目
いや遠慮すんなと言われましても...
蓮助
俺らは覚悟決めて恨みっこなしで二人同時に告白してんだから!夏目も覚悟決めろよな!
夏目
覚悟決める時間すら与えられてないのにそんなの無理に決まってるでしょ
というわけで私は知らず知らずの内に
二人の男性陣の恋愛のいざこざに
巻き込まれてしまったらしい。
二人はいつも仲がよく、親友同士で
常日頃学校生活の中で
行動を共にしている所をよく
目にする。
そんな二人が何故こんな争いを
しているのか..
私はさっぱり理解できないのだ。
夏目
あ、あの質問させて...もらっていただいていいですか?
蓮助
...いいよ、話してみて
夏目
...非常におこがましい質問ですがお二人は私のことが好きということで間違い無いですか?
松葉
はい、俺は蓮助よりも夏目さんのことを愛しています!///
蓮助
お、俺も松葉よりお前のことが好きだ!///
夏目
...私がこんなこと言うのも何だけど君ら親友同士だよね?
夏目
お互いに親友に好きな人を譲り合うという精神は無いの?
蓮助
冗談じゃねえ!親友だからって自分の気持ちを犠牲にするのは馬鹿げてる!どこぞの少女漫画じゃあるまいし!
松葉
俺も蓮助の意見に同意だな。それに親友だからこそ好きな人が被ったら正々堂々争うって二人で決めたんだからさ
夏目
なるほど...君らの話の道理は通っている
夏目
でもその選択肢を私に突き付けつのは酷じゃないですかね?
蓮助
だからお前は好きな方選べって言ってるだろ!選ぶ立場なのに何を困るんだ⁉
夏目
例えば人生で1回しか食べれない高級な肉料理と魚料理をだされてさあ選べと言われても君らは即決できる?
松葉
俺ならどっちも食べたいかな?
蓮助
そんなのどっちも食べるに決まってるだろ!
夏目
はい、今松葉と蓮助の言った言葉が現在の私のジレンマにあたります
蓮助
...お前もしや..俺たちに二股かけたいって言ってるのか?
松葉
二股は最低だな!
えーだって君らどっちも食べたい
って言ったじゃん
と私は心の中でツッコむ。
...さてこの状況どうしようか。
私は蓮助とも松葉とも同じくらい
仲がいい。どっちが好きかと
聞かれても即決できるものではない。
二人のどっちかに先に告白されたら
してくれた方にYESと
していただろう。
だが今回は二人同時というのと
校内でも一二を争うイケメンからの
告白...
正直どちらかに容姿面で差があったら
多少は私の悩む時間も
削れたかもしれないが...
神様はあまりに残酷すぎる。
蓮助
あーもう!いいからウジウジ悩むなって!
夏目
悩む種を生んでおいてそれ言うか
蓮助
しょうがないだろ!同じ人を好きになっちゃったんだし!...それともどっちとも付き合わないのか?
松葉
じゃあこうしよう夏目さん!
夏目
はい?
松葉
確かに決められない気持ちも分かります
松葉
きっと同じくらい俺達二人のことを想ってくれているんでしょう
松葉
けれども付き合うならどちらかを切り捨てる必要がある
松葉
その選択肢を突き付けるのは流石に酷というもの
松葉
だから俺達は交互に貴女に愛の告白を伝えます!
松葉
その告白を聞いてどちらと付き合うか選んでくれますか?
夏目
...は、はあ分かりました
蓮助
お、おい!何勝手に決めてんだ!?
蓮助
そんな改めて1:1で告白なんて恥ずかしくてできねーよ!
松葉
あじゃ俺の勝ちね♪それじゃ俺と付き合ってください!
蓮助
す、ストップ!俺は恥ずかしくてできないって言っただけで...
松葉
これから付き合うかもしれない相手に愛も伝えられない程度の覚悟なんだ?
蓮助
くっ...!?
松葉
じゃ俺は今から夏目さんの彼氏ってことで
夏目
...う、うーんそれなら蓮助がこれなら仕方ないと思うけどほんとにそれでいいのだろうか...
蓮助
蓮助
...だーもう!分かったよ!
蓮助
想い伝えりゃいいんだろ!やってやるよ!💦
蓮助
親友だろうが松葉なんかに負けてたまるか!
松葉
..じゃ今から告白タイムな!よーく聞いといてよ?
夏目
・・・
二人からまた告白されても
多分決められない...
そう思う夏目だったが
口にはしなかった
松葉
はいじゃまずは蓮助から
蓮助
え、お、おい!なんで俺から!?言い出しっぺが先やれよ!
松葉
別に後から言おうが先に言おうが恥は同じでしょ?じゃあ先が楽じゃない?
蓮助
そ、そうだけど俺何言うか決めてない...
松葉
蓮助の素直な気持ちぶつけろ!以上!
蓮助
...分かったよ。いいかよーく聞けよ?もうこんな恥ずいこと金輪際言わねーからな!
夏目
...う、うん
蓮助
あのさ夏目...林間学校で同じ班になったの覚えてるか?
蓮助
それでさ俺がケガしたことあっただろ?
夏目
あ、あったねそういえば
蓮助
その時すぐに絆創膏を持ってきてその後の俺の仕事も手伝ってくれて...
蓮助
その時から徐々にお前のそういう優しさに惹かれたんだ
蓮助
でも距離が縮まらなくてもう諦めてたんだけど
蓮助
親友の松葉が夏目のこと好きだって言うから...
蓮助
このまま終わるのは嫌だと思ったんだ!
蓮助
だから情けないけど今回いい機会だと思って俺か松葉か選んでもらうことにしたんだ!
夏目
・・・///
蓮助
もし...俺で良ければ...付き合ってください!俺は松葉よりも夏目が好きだ!
夏目
・・・
蓮助
さ、さあ松葉!俺は言ったぞ!早くしてくれ!
松葉
・・・😏
蓮助
お、おい!何ニヤついてんだよ!勝負が終わらないだろ!
松葉
別に俺は夏目さんに告白しないよ?
夏目
...なるほど、松葉やっぱりね
夏目
なんか告白タイムで先に蓮助に言わせてた時点で怪しいとは思ったのよね
蓮助
やっぱりって何だよ!だって松葉も夏目のことが..
松葉
別に好きじゃないぞ?
蓮助
・・・はい?
夏目
私が言うのもあれだけど巧妙で性格悪い罠を使うね松葉
松葉
だってこうもしなけりゃ蓮助告白しないだろ?
蓮助
...え、じゃあ
蓮助
松葉が夏目のこと好きって言ったのは...全部俺に告白させるための...
松葉
ぴんぽーん嘘でーす♪
蓮助
・・・
松葉
ということで夏目さん、たった今選択肢は蓮助しかなくなったから蓮助と付き合うんだよな?
夏目
う、うーん...この状況で素直にハイとは言いづらいけど
夏目
蓮助の気持ちは嬉しいし私でよければ付き合ってほしい
松葉
はい!じゃあカップル成立!
蓮助
...松葉後で覚えてろよ...親友相手に...
松葉
親友だからしたんだよ、ほら夏目さんだって嬉しいでしょう?
夏目
え、あ、いや..はい///
蓮助
お、お前だって迷ってただろ!こんな告白ナシだナシ!///
松葉
あじゃあほんとに俺と夏目さんが付き合っていいんだな?
蓮助
...そ、それは...嫌です...///
松葉
うん、正直でよろしい!じゃあ夏目さん蓮助を頼むね♪
夏目
あ、うん!
松葉
(はー俺もほんとお人好しだよな)
松葉
(ほんとは夏目さんのこと気に入ってたけど...)
松葉
(親友のために我慢してやるか...)