「そないなこと」
「今、聞かんでも……」
「わかっとる」
能面のような無表情が
微笑みに変わる
そして 彼岸花よりも赤い唇は
ぱっくり左右に裂けた
忘れへん
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 兎和子(トワコ)
母が眉をひそめる
そして前後から聞こえる声に気づき、我に返った
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
周囲の人へ謝ると
僕は夢のことを考えた
宇山 珀兎(ハクト)
父を亡くしてから 同じ夢を見る
何度も
何度も
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
中学2年の終わり
僕は、父親を亡くした
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
母は、ハンドメイド作家だ
小さい頃から、家には布が散乱していた
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
泣いている母を見て、僕はぼんやりと思っていた
だから母が
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
おずおずとした口調で、僕に聞いてきた時も
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
反対なんてしなかった
してはいけないんだと 思っていた
……それが
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
巧妙な罠だとは
疑いもせずに
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
のどかな村と言えば、 聞こえは良いが
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
都会育ちの僕には
正直、退屈そうな村だった
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
暇つぶしに、スマホの電源を入れた
すると
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
田舎とはいえ ここは日本だ
さすがに電波が届かないなんて事はないだろう
そう思っていた僕が浅はかだったんだろうか?
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
“友達”
そう呼べる人が居たら、 きっと……
僕はこの村には来なかっただろう
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
母は僕の沈黙を
ゲームが出来ないショックだと思ったらしい
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 珀兎(ハクト)
バス停のベンチに目を向けると、そこには
見慣れない石碑があった
“七三五様”
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
何もない、田舎町で
中学3年生になったばかりの僕は
生まれて初めて その伝説を耳にした
わずか三歳にして その美、人々を魅了し
五歳にして、その才 村の民を超え
七歳で その美、その才
すでに人にあらず
遂に神の知る所となり 人ならざる者へ
十五でその身 神のお付きと選ばれし
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 珀兎(ハクト)
宇山 兎和子(トワコ)
宇山 兎和子(トワコ)
薄らと笑みを浮かべ
母は天を指さす
宇山 珀兎(ハクト)
その微笑みは
夢の中の女性に
少しだけ、似ていた
コメント
16件
先の見えない怪しい展開が気になります……!村に来たのは何の導きか、そしてお母さんがわかって連れてきているようなのが恐ろしいです……。
初コメ失礼します! 関西弁と少し古風だと思いきや現代…めっっちゃ好きです!