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放課後を知らせるチャイムが学校全体に鳴り響いた。

今日もいつも通り家に帰っていつも通り勉強するはずだった。

小日向芽衣

じゃあ私達は部活行くわ

咲野藍

行ってらっしゃーい

姫沢桜良

ほら速く行くわよ

小日向芽衣

うるせーなんでお前に指図されなきゃいけねぇんだ

ただ、この時の私はまだ気づいていなかった。

平穏はそう簡単に続くものでは無いと。

咲野藍

そろそろ私も行きます先生

藤岡知子

あ、ちょっと待って

咲野藍

え?

藤岡知子

もうちょっとだけここにいてくれる?

咲野藍

いいですけど...

何だ?

保健室登校になってから今までこんなふうに引き止める先生は初めて見た。

藤岡知子

ちょっとお話しましょうか

咲野藍

話?

藤岡知子

ええ

なんというか...今日の先生はえらく私の顔を伺ってる気がする。

藤岡知子

あなたがここに来てからもう1年ね

藤岡知子

速いものだわ

咲野藍

そうですね...

藤岡知子

あなたが来たばっかりの頃は怯えてて、寂しそうな目をしていた。

藤岡知子

でも

藤岡知子

今は幸せそう

話の意図が掴めない。

先生は何を言いたいんだろうか?

藤岡知子

でも、だからこそ

藤岡知子

そろそろ教室に行った方がいいんじゃない?

咲野藍

わかってます

そんなことは自分がよく分かってる。

咲野藍

でもまだ教室に行くとあの頃がフラッシュバックしてしまうんです

咲野藍

フラッシュバックして、足が動かなくなって呼吸もできなくなる

だからせめて教室に行くのはもうちょっと先にしたい。

藤岡知子

そう

藤岡知子

分かった

咲野藍

じゃあこれで―

帰ろうと思った。

なぜなら、先生の用事は終わったと思ったからだ。

藤岡知子

いやちょっと待って

藤岡知子

私の用事は終わったけど他の人の用事が終わってないわ

咲野藍

え...?

他の人?

氷室健人

失礼しまーす

氷室先生?なんでここに?

咲野藍

なんでここにいるんですか?

氷室健人

そう睨まんといてくれや

氷室健人

藤岡先生、藍お借りしてもよろしいですよね?

藤岡知子

ええどうぞ

氷室健人

じゃ、藍着いてこい

私抜きで話が進まることに恐怖が生まれた。

先生同士の顔がとても怖かった。

先生に着いて行ったら良くない気がする。

氷室健人

どした?

藤岡知子

ほら藍ちゃん行ってきなさい

咲野藍

はい...

だが、その場の流れで行かざるをえなかった。

数分後にこの選択が間違いであることに気付かされた。

氷室健人

ほら入れ

連れてこられたのは前に先生と話した美術室だった。

私の目の前には美術室の扉がでかでかと立っている。

遠回しに開けろと言っているのだろう。

なぜ先生が開けないんだと思いつつも偉い私は美術室の扉を開けた。

咲野藍

は…?

目の前に映っていたのは

咲野明日香

あ!先生どうも〜

学校にいるはずのない

私のクソ親だった。

成瀬春樹

…遅い

前にもこんなことあった気がする。

その時はテスト勉強していたが

先輩は人を待たせるのが好きだなー。

冬で待つのはさすがにきついんですけど!

でもさすがに遅い。

先輩の友達にまた聞くか。

芽衣さんに聞きにいくか?

でも剣道部は今週大会あるとか言ってたな…

じゃあ桜良さんのところ行くか。

桜良さんは確か手芸部だった気がする。

そして僕は手芸部の元へ向かった。

手芸部は確かここだったはず。

僕は寒さでかじかんだ手で扉を2回ノックした。

成瀬春樹

失礼します

部室の扉を開けた。

成瀬春樹

部活中すいません

部員が学年関係なく全員が僕の方を向いた。

成瀬春樹

姫沢桜良さんいますか?

僕は先輩の友達を呼んだ。

姫沢桜良

春樹くん何かしら?

成瀬春樹

桜良さんすいません呼び出してしまって

姫沢桜良

いいのよこんな部活楽しくもないんだから

成瀬春樹

はは…そうですか…

同意しにくかった。

成瀬春樹

ところで先輩どこにいるか知りませんか?

姫沢桜良

え?

成瀬春樹

僕ずっと校門で待ってたんですけど全然来なくて

姫沢桜良

藍帰ってないの?

どういうことだ?

姫沢桜良

いやなら私も藍の場所知らないし芽衣も知らないと思うわ

成瀬春樹

どういうことですか?

姫沢桜良

いや私達いつも通り部活に来たから何もわからないの

姫沢桜良

でも藍と別れる時はどこに行くか何も言ってなかったわ

成瀬春樹

そう…ですか…

姫沢桜良

ごめんなさいね力になれなくて

成瀬春樹

いえいえ!とんでもないです!ありがとうございました!

僕は深々と頭を下げた。

姫沢桜良

じゃあ私は部活に戻るわ

成瀬春樹

はい!

成瀬春樹

部活頑張ってください!

姫沢桜良

春樹くん

桜良さんが部室の扉を開ける手を止めた。

成瀬春樹

なんですか?

姫沢桜良

あなた藍と相性とてもいいと思うわ

姫沢桜良

あいつと喧嘩仲間の私が保証するんだもの間違いないわ

姫沢桜良

頑張ってね

成瀬春樹

…!はい!

成瀬春樹

ありがとうございます!

姫沢桜良

じゃ

そう言って桜良さんは部室に戻って行った。

僕は部室の外で独りで考えていた。

どういうことだ?

桜良さんや芽衣さんが何も聞かされていない…。

先輩は友達に黙ってどこか行く人ではない。

であってほしい…。

となると僕が行かなければ行けないのは

成瀬春樹

保健室か…

僕は駆け足で保健室に行った。

なぜなら先輩に良くないことが起きてると直感的に思ったからだ。

成瀬春樹

失礼します

僕はノックなしに急いで扉を開けた。

藤岡知子

あら春樹くんどうしたの?

成瀬春樹

先輩どこにいるか知ってます?

僕の推測が正しければ先生が先輩の居場所を知っている可能性が高い。

藤岡知子

知ってるわよ

成瀬春樹

どこですか

藤岡知子

今頃美術室で三者面談してるわ

成瀬春樹

三者面談?

三者面談って…

成瀬春樹

親とですか?

藤岡知子

そりゃそうでしょ

藤岡知子

三者面談なんだから

まずい…

先輩は親の事が大嫌いだ。

僕も先輩の話を聞いた限り一方的だがあんまり先輩のお母さんは好まない。

そんな先輩に三者面談するとか逆効果だろっ…

成瀬春樹

なんで三者面談してるんですか

藤岡知子

あの子に成長して欲しいからよ

藤岡知子

保健室にいたままじゃあの子は成長できない

成瀬春樹

そう言う話をしてるんじゃねぇんだよ!!

「成長」とかそう言う話をしてるんじゃない

成瀬春樹

親にトラウマを持っている人に三者面談して何が成長!?

成瀬春樹

あんたそれでも先生かよ!?

成瀬春樹

保健室登校の何が悪いんだよ!!

成瀬春樹

保健室登校は現実に逃げてるわけじゃない

成瀬春樹

成長してないわけじゃない

成瀬春樹

あんた今までの先輩を間近で見てるんじゃねぇのかよ!

成瀬春樹

じゃあ先輩がここ最近成長してるって分かってねぇの!?

成瀬春樹

じゃあ先輩のところに行きますんで

僕は保健室の扉を強引にあけ美術室まで走った。

ここから美術室は結構遠い。

でも、たとえ

僕の足が壊れても先輩のところに行く。

待っててください先輩。

は…?

なんであんたがここに?

咲野明日香

あ!先生どうも〜

咲野藍

なんでお母さんがここにいるの?

氷室健人

先生が呼び出したんや

は?

何してくれてんだこいつ。

初めて氷室先生に怒りを覚えた。

氷室健人

ほら座れ

咲野藍

なにするんですか

氷室健人

三者面談や

氷室健人

2年生の三学期やからな

三者面談?

正気か?こいつ

この人が私の話聞いてくれるわけないだろ

私は呆れて母親の隣に座った。

氷室健人

じゃあ三者面談始めさせていただきます

先輩、大好きです。

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