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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

コンコン

トウヤ

どうぞ。

ルイ

失礼します。

トウヤ

あぁ、ルイさん。わざわざありがとうございます。

ルイ

いえいえ!こちらこそ。

トウヤ

これが翻訳済みの本です。人間の常識でない言葉や表現はしっかりと注釈を付けました。

ルイ

そこまで…!ありがとうございます!

トウヤ

いえいえ。趣味の延長みたいなものですから。

トウヤ

それに、兄様もアキトも本に興味が無いので嬉しいです。

ルイ

フフ、そうなんですね。

ルイ

あの、ここで読んでもいいですか?

トウヤ

ええ、どうぞ。

ルイ

…ふふ、とっても面白い話でした。

トウヤ

もう読み終わったんですか?

ルイ

ええ。速読が得意で。

ルイ

それにしてもこの話、フランツ・カフカの「変身」に似た話でしたね。

トウヤ

フランツ・カフカ…?

トウヤ

もしかして、人間界の物語ですか?

ルイ

えぇ。

トウヤ

あの、もしよろしければ教えて頂けませんか?その物語の内容を。

ルイ

もちろんです!

ルイ

これはある朝目を覚ますと巨大な虫に変身してしまっていた主人公、グレゴール・ザムザのお話です。

ルイ

………お終い。

トウヤ

おお…✨️

トウヤ

すごく面白かったです!

ルイ

ふふ、それは良かったです。人間界でも人気なお話なんですよ。

トウヤ

やはり人間は面白い物語を生み出す…ふふ、だから嫌いになれないんですよね。

トウヤ

ルイさん、ありがとうございました。とても楽しかったです。

ルイ

いえいえ!こちらこそ、この本とっても面白かったです。ありがとうございました。

トウヤ

また…人間界の物語、聞かせてもらってもいいですか?

ルイ

ええ!僕で良ければ、いつでも。

食堂

ツカサ

さぁ、食事としよう。

ルイ

…あれ、アキトさんがいませんけど…?

ツカサ

あぁ…アキトはしばらく部屋から出てこんぞ。

ルイ

え?何故ですか?

トウヤ

我々吸血鬼には、1ヶ月に1度くらいの頻度で吸血鬼としての本能が高まる日が来るんです。

トウヤ

その間は本当に危険なので…絶対に近づいたらダメですからね。

ルイ

わ、分かりました。

ツカサ

その日はもちろん俺やトウヤにも来る。その時は絶対に近づくんじゃないぞ。

トウヤ

まぁ、幸いその日が被る事が無いはずなので、守れるとは思いますが…

ルイ

分かりました。気を付けます。

ツカサ

…まぁ、何かあったらそのベルを鳴らせ。

ルイ

あぁ、このベル…

ツカサ

俺がいる限りはお前が危険な目に遭うことは確実に無い。安心してくれていいぞ。

ルイ

…ふふ、はい。分かりました。

ルイ

(吸血鬼としての本能が高まる日、か…)

ルイ

(要するに凶暴化するって事だよね)

ルイ

(気を付けないと…)

コンコン

トウヤ

アキト、入るぞ

アキト

……でてけ、ッ

トウヤ

分かってる。すぐに出ていくから。

トウヤ

とりあえず水と……血だ。これで大分落ち着くだろう。

アキト

…フーッ、フーッ

アキト

…チッ

トウヤ

じゃあ、良くなるまでは部屋から出るなよ。

ギュッ

トウヤ

……アキト?

アキト

…いくな、

トウヤ

はぁぁぁ…さっき出てけと言ったのはお前だろう。

トウヤ

全く…手のかかる弟だな。

ツカサ

ふわ…

ツカサ

ん"ー…暇だな。

ツカサ

こういう時は話し相手が欲しいものだが…

パチンッ

ルイ

?!

ツカサ

おお、ルイ!丁度退屈でなぁ

ルイ

いや、は?!

ツカサ

すまん、魔術使った。

ルイ

はぁ!?もう!急に辞めてくださいよ!

ツカサ

だって暇だったから…

ルイ

トウヤさんとかでも良いでしょうが

ツカサ

いや、今アイツはアキトといるから駄目だ。

ルイ

おや、そうなんですか?

ツカサ

あぁ。アイツらは仲良いからなぁ

ルイ

…それで寂しくなったと?

ツカサ

当たり前だろう!寂しい!!

ツカサ

てことで構え

ルイ

はぁ…まぁ、僕も退屈だったので良いですよ。

ルイ

構うって言っても何しましょうか…

ツカサ

人間界ではどうやって退屈を凌ぐんだ?

ルイ

え?そうですね…

ルイ

簡単なものだと…チェスとかですかね?

ツカサ

ちぇす?…とは何だ?

ルイ

こういうボードと駒を動かして、相手をチェックメイトした方が勝ちのゲームです。

ツカサ

ほう、なるほど。

ルイ

あ、でもチェスの道具なんてここには無いから、無理ですね…

ツカサ

いや、何となく想像でなら出せるぞ。

パチンッ

ツカサ

こんなのか?

ルイ

!?

ルイ

え、えぇ。まぁそんな感じですが…これも魔術なんですか?

ツカサ

ああ、そうだ。

ルイ

(何でもありだな…)

ツカサ

よし、早速始めよう。詳しいルールを教えてくれ。

ルイ

分かりました。

ツカサ

ぐぅッ!!お前結構強いな!?

ルイ

フフ、まぁそれ程でもありますけど。

ツカサ

ぐぬぬ…未だに一勝も出来んとは…

ルイ

けど、ツカサさんも中々飲み込みが早いと思いますよ。相手が悪いだけで。

ツカサ

むぅ…これ、中々頭を使うな…

ツカサ

トウヤならルイにも対抗出来そうだが。

ルイ

ふふ、なら今度みんなでやりましょうか。

ツカサ

おお!いいな!!

ツカサ

よし!なら練習も兼ねてもう1戦…

コンコン

ツカサ

む、誰だ?

ネネ

失礼します。そろそろ就寝のお時間ですよ。

ルイ

あっ、はい!じゃあ部屋戻りますね。

ツカサ

もうそんな時間か…ルイ、また明日な。

ルイ

はい。おやすみなさい。

ルイ

(と言っても、魔界の夜は人間界の朝なんだけど…)

𝐍𝐞𝐱𝐭

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