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ほのぼの組。[メインストーリー]

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ほのぼの組。[メインストーリー]

6 - 前半  最期の手紙[結月 編]

2025年06月19日

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公園

愛華

わ〜、懐かしー!!

愛華

ここの公園の遊具って、こんなに小さかったっけ…?

古都音

多分、あの頃の私達が小さかったんだよ

氷月

そうかもね

古都音

…!

古都音

ねね、いつものポジションいかない?

愛華

ポジション?

氷月

そんなのあったっけ?

古都音

ほらほら!! あれだよ! あれ!
((ブランコに座る

愛華

…あ、もしかして_

愛華

((ブランコの周りの柵に座る

愛華

これ?

古都音

それ!!

氷月

…あぁ_

氷月

((柵を背に地面に座る

氷月

これか…

古都音

それそれ!

愛華

わ〜、懐かしいね

古都音

ほぼ毎日、こうやって座って話してたよね

氷月

…うん

愛華

今考えると、毎日こうやって話してたのに話題が尽きなかったのが凄かったよね

古都音

確かに!!

氷月

まぁ、小さい頃って大体そんな感じじゃない?

愛華

そうかなぁ…

氷月

多分ね

古都音

てか、ひじきって直(じか)じゃなくってスケボーの上に座ってたよね?

愛華

あー、そういえば!

古都音

スケボー教室は、最近行ってるの?

氷月

もうやめた

愛華

え、やめちゃったの?

氷月

もともと、中学に上がったらやめる予定だったから

古都音

そうだったんだ

氷月

うん

愛華

……ねぇ、ちょっと変なこと訊いてもいい?

氷月

ん?

愛華

氷月ちゃん なんだけど…

氷月

自分かい

愛華

…氷月ちゃん、わたし達に隠してることあるよね

氷月

…え……?

古都音

本当は、昨日 放課後にひじきを捕まえて問い詰める予定だったんだけど…

氷月

言い方…((ボソッ

愛華

…ちなみに言っておくけど、わたし達、結月さんから頼まれたの

氷月

ッ、………

古都音

ひじき、本当のこと話して

氷月

氷月

…ちょっと、2人ともどうしたの?

氷月

隠してることなんて何もないって(笑)

愛華

嘘つき

氷月

え………

古都音

結月さんに、「氷月の口から知ってほしいから、あたしからは何があったか言わない」って言われた

古都音

「ついでに、氷月あたしにも言ってくれない秘密もあるみたいだし、それも訊いてほしい」ってさ…

氷月

…へぇ……

愛華

わたし達、本当のこと言ってくれるまで氷月ちゃんを帰らせない つもりだから

氷月

随分と鬼畜だこと

古都音

ひじき!!

氷月

…あーもう(低音)

愛華/古都音

ッ、…!?

愛華

ひ、氷月……ちゃん?

古都音

ね、ねぇ……どうしたの?

氷月

…なーんてね♪

愛華

…え?

古都音

((氷月を睨む

氷月

…あー、分かったよ降参

古都音

…!

氷月

でも、今は言わない

愛華

“今は”…??

氷月

その時がきたら話すよ

古都音

「話す気になったら話す」の間違いじゃなくて?

古都音

それとも「先延ばしにして忘れさせよう」とでも思ってるわけ?

氷月

…2人とも、本当にどうしたのさ

愛華

…だって氷月ちゃん、わたし達のことは助けてくれるのに、自分はSOSを出さないじゃん

立雛家

玄関

ガチャ

氷月

リビング

氷月

結月

ッ、氷月!!

氷月

((ビクッ

結月

ね、ねぇ…

結月

…あたし、どうしても氷月に訊きたいことがあるの

氷月

…何?

結月

…本当は、愛ちゃんと古都ちゃんに訊いてもらう予定だったんだけど、やっぱり氷月、あの2人にも話さなかったでしょ

氷月

…ぇ……

結月

あの2人が全部話してくれてると思うけど、あたしが あの2人に頼んだから、恨むならあたしを恨んでね

結月

…この前、お母さんが入院してた病院から電話がかかってきたの

氷月

結月

「急で申し訳ないけど、時間がある日に来てほしい」って…

結月

その日は大学もバイトも無かったから、すぐに病院に行ったんだけど…

結月

お母さんの担当だった看護師さんから、コレを預かったの
((封筒を氷月に見せる

氷月

…手紙?

結月

そう。手紙

結月

しかも、お母さん からの

氷月

…え……?

氷月

え、でも、母さん……え?

結月

自分が死ぬ前に書いたんだって

結月

看護師さんが言ってた

その日は、電話がかかってくるまでは普通の日だった

大学もバイトもない、普通の休日_

Prrrrr…Prrrrr…

結月

(こんな時間に電話? 珍し…)

結月

_って、え? お母さんの病院……?

結月

((電話に出る

結月

もしもし?

看護師

『もしもし。立雛さんのお宅ですか?』

結月

ッ、はい、あたし、立雛 結月です

看護師

『結月さん、お久しぶりです』

結月

お久しぶりです…

結月

あの…どうかしたんですか?

看護師

『急にごめんなさい』

看護師

『実は、結月さんに渡したいものがあって…』

結月

渡したいもの…?

看護師

『はい』

看護師

『なので、時間がある日に病院に来てもらいたいのですが_』

結月

あたし、今日 空いてます

正直、あの病院には二度と行きたくない

あの病院のことを考えるだけで苦しくなって、涙が出る

でも、今は多分そんな甘いことを言ってる場合じゃないと思う

いきなり病院から「来てほしい、渡したいものがある」と連絡がくるぐらい、大事な予定…

看護師

『…分かりました』

看護師

『では、今日の午後に病院の受付でお待ちしております』

結月

…はい

看護師

結月さん!

結月

お、お久しぶりです…

結月

あの、渡したいものって…

看護師

…これです
((氷月に封筒を渡す

結月

…封筒?
((封筒を受け取る

看護師

それは、…お母様からの手紙です

結月

お母さん……!

結月

ッ、で、でも…

看護師

はい

看護師

その手紙は、お母様が亡くなる前に書いた、最期の手紙です

結月

最期の…手紙……

看護師

家に帰ったら、見てみてください

結月

…((封筒を見つめる

看護師

ごめんなさい、これだけの為に呼んでしまい…

看護師

…ですが、お母様に頼まれたんです

看護師

「どうしても、結月に手渡しで渡してほしい」と…

結月

あたしに…どうしても、手渡しで………

結月

……
((封筒を開ける

結月

最期の…手紙……

結月へ  結月、久しぶり。元気にしてた? 忙しくて毎日大変だと思うけど、これからも頑張って!  お母さんから、最後のお願いです。氷月を、助けてあげてください。あの子は、自分が傷つくよりも周りの人が傷つくことを嫌がります。あのね、結月。氷月は___

結月

…うそ…………

信じられない

その一言に尽きる

どうして…

何で氷月は、1人で全部 背負い込んで_

結月

ッ、

 

Prrrrr_

結月

あ、もしもし愛ちゃん?

結月

あのね、実は_

 

Prrrrr_

結月

古都ちゃん、久しぶり

結月

あのね、お願いがあるんだけど_

 

結月

…お願い、氷月………

頭で考えてる暇なんで無かった

気付けば体が勝手に動いてて、気付けば勝手に終わってた

たった1人の妹

これ以上、苦しませたくない

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