テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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鳥籠の中、彼女の日々〜職員ジョージアのL社での日常〜　※キャラ崩壊等注意

第22話 - 掛け違えたボタンみたいに

2025年01月01日

#LobotomyCorporation

#1.5次創作

H-CHOCO

ジョージア

……。

幻想体。

不可解な存在。

しかし…職員達は、そんな存在を管理しなければならない。

ジョージア

あのね…わたし、もう、いかなくちゃ…

溶ける愛

…いかないで

ジョージア

ま…また、くるから！

溶ける愛

ぜったい？

ジョージア

うん…ぜったい。

ジョージア

さっきも、きたでしょ。

溶ける愛

（身体を上下に振る。）

ジョージア

ふふ…またね。

ジョージア

（…この子も、わたしと…いっしょみたい。）

そんな幻想体に、愛着を持ってしまう職員も…少なからず、いた。

ジョージア

…！

ジョージア

（敵性個体に対して武器を振る）

ジョージア

…これでいいんだっけ…

ジョージア

…！わわっ…！

ジョージア

いた…びっくりしたぁ…

「開始の歌声」がそこをうろついていたようで、ジョージアはそれを鎮圧し一息ついた。

最早、黎明試練など大した問題でない。

それよりも…

ジョージア

（振動した端末を手に取る）

ネビル

ジョージア、君が試練を鎮圧してくれたの？ということは作業は終わったんだね？

ミルフィ

ネビルってば、過保護なんだから…

ネビル

んん…これからやることは分かるね？言ってみて？

ジョージア

えっと…めいんるーむにもどって…それから…

ネビル

観測が完了してない幻想体だから…

ジョージア

えっと…セフィラさまに資料を手渡して…それで、

ジョージア

えーっと…

ミルフィ

ゆっくりでいいから！ジョージアちゃん！がんばれ！！！

ネビル

声が大きいってば…

ミルフィ

あっ…そうだった？ごめん。

ジョージア

んー……

ネビル

作業指示が来るまで待機。

ジョージア

作業指示が来るまで待機…？

ネビル

そう。あ〜良かった、安心した…

ミルフィ

ねぇ、許可ない無線機のやり取りって良いの…？

ネビル

大丈夫でしょ、業務のためなんだから。

ネビル

それにもし何か言われても…あ、ジョージア、大丈夫だね？またね。

ジョージア

（それからプツンと音が切れ、静止した端末を仕舞って）

ジョージア

ん…えっと…めいんるーむにもどって…

ジョージア

…また直ぐにいかないと…あのこ、悲しむかなぁ。

ジョージア

てぃ、ティファレトさま！

ティファレト

ああ、君か…どうしたの？

駆け寄るジョージアと、それに穏やかに対応するティファレト。

非常に平和だ。少なくとも…オフィサーが周囲にいないことを除いてはね。

ジョージア

あの、観測…完了したので、報告書を…

ティファレト

うん、分かった…情報部門に渡しておけば大丈夫そうだね。

ティファレト

引き続き業務をよろしくお願いします。

彼女らの会話は、少し機械的ではあったけれど、何事もなくそれは終わった。

ジョージア

はい…！

ジョージア

（あの子のところに、またいかないと…）

ジョージア

…また、あいにきたよ。

溶ける愛

（笑顔を浮かべて迎える）

ジョージア

わわっ！もう、洋服、よごれちゃうよ…

ジョージア

（そういえば、わたし…来てよかったんだっけ？）

ジョージア

（指示がないとだめなんだっけ…）

溶ける愛…D-03-109は、そんなことも来にとめず…その愛らしい姿でジョージアを抱きしめた。

まるで、大丈夫だ、と言うように。

ジョージア

…この子もこんなによろこんでくれてるし…

ジョージア

いいよね…

溶ける愛

んー？

ジョージア

ううん、なんでもない！

ジョージア

（それに…こんなところをお姉ちゃんにみられたら…心配させちゃうのかな？）

ジョージア

（だいじょうぶ…これは仕事だから…）

ジョージア

どうやってあそぼうか？

溶ける愛

んー！

溶ける愛

（ジョージアにさらに強く抱きつき、粘液をさらに付着させる）

ジョージア

うわっ！いた…

ジョージア

…ううん。だいじょうぶ、だいじょうぶ…

彼女らはそうして愛着作業という名のもとに遊んでいるうちに、

より強固な信頼関係と…それから、多くのエネルギーを手に入れた。

…それが必ずしも良いこととは限らないかもしれないね。

イェソド

皆さん、新規幻想体『溶ける愛』、『何もない』の情報が中央本部から届きました。

イェソド

この情報を纏め、観測情報を分かりやすくしましょう。

冷徹な声でこの部門のセフィラ…イェソドが声をかけた。

グレイス

了解しました。

グレイス

Aleph2体、観測情報は少ない…分担してシングルタスクで纏めたほうが効率的でしょうね。

グレイス

僕とカルディアさんは何もないを担当しましょう。

グレイス

ヴェネスとパメラさんは溶ける愛を。ヴェネス、観測情報の纏め方を指導お願いします。

限りなくチーフに近い立ち位置にいるグレイスは、的確に情報部門の職員達に指示を与える。

彼は情報部門の今の職員達を少しは信頼しているようだけど…それでも今のカルディアとパメラには不安があって、比較的信頼できるヴェネスに後輩のパメラの指導を任せたんだ。

その幻想体の振り分けに、特に意味は無かったのだけど…

カルディア

はいは〜い！わかった！グレイスくん、頑張ろうね〜！

グレイス

はぁ……。

ヴェネス

…了解しました。パメラ、早速取り掛かろうか。

　騒がしいカルディアに呆れるグレイスを傍目に、ヴェネス達は業務を始めた。

ヴェネス

どれどれ、まずは作業時の反応を…ん？

ヴェネス

この職員…だいぶ幻想体に依存してるな。大丈夫か？

パメラ

魅了？

ヴェネス

いや…やけに友好的な幻想体なんだろうな。取り敢えず、気を付けさせるか…

パメラ

でも…エネルギーの抽出の為には、依存させたほうがいいんじゃないの。

ヴェネス

ああ…もう少し観測記録を見てみよう。

グレイス

…カルディアさん、記録を読むのは良いですけど、それを纏めなければ意味が……。

カルディア

……面白いね、この幻想体。

グレイス

……はぁ。

ヴェネス

なぁ、パメラ。さっきの鎮圧のとき、中央本部第2チームの職員が少なかった気がするけど…。

パメラ

うん。ジアがいなかったね。

ヴェネス

何故隔離してるんだ？何かねばねばしたものを受け取った、という記述がここにはあるが…。

パメラ

…感染？

ヴェネス

ああ、そうかもしれない…昨日収容された裸の巣もそんな感じだったし。

ヴェネス

それに…どうやら、この幻想体の知能は幼稚園児レベルみたいだな。

パメラ

幼稚園とかいう単語を知ってたんだね？

ヴェネス

それくらい俺でも知ってるよ…行ったことは無いけどな。おっと…個人的な話は謹しもう。

ヴェネス

とにかく、ジョージアが変な状況に陥ってなきゃ良いんだが…

パメラ

…ねぇ、ヴェネス。

ヴェネス

なんだ。

パメラ

作業って、指示がないとしちゃいけないよね。

ヴェネス

当たり前だろ、まさか…

パメラ

「呼ばれた気がして来た」って…書いてある。

ヴェネス

……。

ヴェネス

はぁ〜〜〜………。

…流石に気づいたみたいだね。

そう…彼女、ジョージアは、指示なく作業をしてしまっていたんだ。

それがどんな結果をもたらすのかは…ここで働いている職員達…いや、この状況を知っている人なら、分かるはずだよね？

ジョージア

ん…また来たよ。

溶ける愛

（両手を挙げて喜ぶような仕草をし、そのままジョージアに抱きつく）

ジョージア

ん…えへへ…今回はどうしようか？

溶ける愛

そとに、いこう？

ジョージア

だ、だめだよ…それは…

ジョージア

だってきみがそとにでたら…うぁっ！？

ジョージア

…ごめん。でも、きみをまもるためにも…

溶ける愛

（悲しむような身振りをする）

ジョージア

…うう……

ジョージア

（ほんとはだめだけど…）

ジョージア

（…でも……この子のためなら…）

ジョージア

…おいで、こっ……ち……

ジョージア

…あれ？

彼女の視線の先には、すっかり無力化して眠った幻想体が佇んでいた。

そして、収容室は比較的明るい光に照らされ…

管理人

…職員ジョージア、彼女の管理はうまくいった？

ジョージア

…え、あ…管理人……

管理人

困ったなぁ…もう少しで君、死ぬところだったよ。

管理人

正確には、眷属化して…他のエージェントに倒される羽目になったかもしれないね。

ジョージア

う…その…ごめんなさい…

ジョージア

…このこが…出たいって言ったから…

管理人

幻想体に情を持っちゃ駄目だよ。

管理人

さて、私も無理やりここに来たから…早く戻らないと。セフィラには事情を話しておいたから。直帰していいよ。

管理人

…まぁ、君のことだから…

管理人は少し言い淀んだ後、

管理人

なんでもない。ほら、さっさと帰ろう。きっと同居人も心配してるだろうしね？

ジョージア

ん…わかりました…。

声を一段高くして、帰るように促した。

ジョージアは不安に満ち溢れた目で管理人、それから周囲を見ていたけれど、やるべきことは一つだと知って、判断力を失った目を使って歩き始めた。

ネビル

…作業、しようとしてたんだよね…わかってるよ。

彼…ネビルは少し低い声で呟くように言う。不機嫌なときの癖だった。

ネビル

…もう少しで死ぬところだったんだよね？

ジョージア

な、なんでそれを…？

ネビル

仮にもエージェントだし。そういう連絡はセフィラ様からされるから…

ジョージア

……ごめんなさい。

ネビル

…ごめんで済むことだったら良かったんだけど…仮に生き返らせてもらえたって、君が死んだという事実は消えないし、僕らが管理人に忘れられることだとか、放っておかれることだってあり得ないとは限らないんだし…

ネビル

大体君はいつも…なんで危険になるようなことをするの？今回だって管理人が気付かなきゃ危な…いや確か情報が伝達したんだっけ？前に僕が君を助けたときだって…。

ジョージア

……ごめん…。

ネビル

はぁ……。

ジョージア

ね…ネビル…？

彼は言葉を止めたかと思うと手を振り上げ、

ジョージア

…っ！

ジョージアの頬を叩いた。

ネビル

…言葉で言っても通じないし、脳を壊したってこうなっちゃうんだもんね…。

ネビル

なら…身体で覚えてもらうしかないよね？

ジョージア

……っ…。

ネビル

これでも手加減したんだよ、少し可哀想かなと思って…。

ネビル

君のことだから、また同じようなことをするのかもしれないけど…。

ジョージア

ぅ…はっ…はぁっ…

ネビル

その時は…またこうやって覚えさせてあげないとね。勿論…その時なんてこないようにしてくれるって信じてるけど。

いくら手加減していたとしても、圧倒的に力の差もあるし、既にEGOから着替えていたジョージアにとっては十二分に強い一撃だった。

それでも…彼女は何一つ反撃すらしようともせず、ただその場で声にすらならない喘ぎ声を出した。泣きつかれた赤子のように…か細く、弱々しく。

目の前の顔と、記憶の中の優しい顔を重ねながら。

スカイ

ジョージア先輩には、夢ってありますか？

ジョージア

夢？どうして急に…。

スカイ

いや、なんか暗い顔してたので…楽しい話したいじゃないですか。

ジョージア

はは…君らしいね。

ジョージア

それで…うーん…私には、ない…かな。

スカイ

そうなんですか？ジョージア先輩、結構いろんなことに興味ありそうですけど…。

ジョージア

うーん…何かに没頭しようとしても、お姉ちゃんに止められちゃうから。

ジョージア

危険なことに手を出すな、って…。

スカイ

えぇ…酷くないですか？それ。

スカイ

ジョージア先輩が何をしようと自由じゃないですか、いくら妹でも…。

ジョージア

ううん…しょうがないんだ。

ジョージア

私ね、昔。勝手に外に出ちゃって、迷って…それで…掃除屋に襲われたことがあって。

ジョージア

それ以来少し制限がキツくなったかな。その時助けてくれた人、君に似てた気がするなぁ。

スカイ

えっ、俺、そんな記憶ないですよ？

ジョージア

いや、年上っぽかったから違う…すっごく高級そうな服を着てて…

ジョージア

あっ、話が逸れちゃったね。

スカイ

いえいえ！ジョージア先輩のこと知れて嬉しいですから！

スカイ

そっかぁ、それなら…

スカイ

俺の夢は、ジョージア先輩と旅をすること、にします！

ジョージア

えっ…？

ジョージア

そんな…私なんかと旅なんてしたって…

スカイ

冗談じゃないですよ、ジョージアさん。

スカイ

俺は、貴方を、自由にしたいんです！

スカイ

それで…2人で好きなことしましょう。色んなところ見て回って、それで…この都市のことを知っていくんです！

ジョージア

うん…楽しそうだね。

ジョージア

じゃあ、私も…それを夢にする。

スカイ

はい！絶対叶えましょうね！

「夢をくれてありがとう」って…いいたかったな。もう叶わない夢だけど…

…スカイくんには、距離を縮めるとき、わたしをさん呼びするくせがあった。

…もしいま、彼がわたしをジョージアさんと呼んで、旅に連れていってくれたら…

ゆめを、かなえてくれたら。

どんなによかっただろうか。

DAY24

ネビル

ほら、万歳して？

ジョージア

ん……

ジョージア

（これくらい…わたしでもできるんだけど…）

彼女はささやかに心の中で反抗しながら、ネビルの言う通りにだけ動いていた。

もう…あんな目には逢いたくないから。

ネビル

あぁ…昨日のところ、ちょっと痣になってるね…

ネビル

こっちに支給された再生アンブルがあるから…

そう…ここは大企業のロボトミー社だから、本来非常に高価な再生アンブル…所謂なんにでも効く治療薬を、簡単に使うことができた。

それは、危険な業務にも死亡の不安を大幅に減少させ臨めるメリットもあったけど…

同時に、どんなに怪我をさせても必ず治すことができるから…躊躇無く人を傷つけることへの引き金にもなっていた。

ネビル

ちょっとひやっとするかも。大丈夫？

ジョージア

ん…。

ネビル

これで大丈夫だね。それじゃ、行こっか。

ティファレト

本日の業務も観測作業ですね。皆さん、本日も頑張りましょう。

ネビル

はい、よろしくお願いします。

ジョージア

（頷く）

ジョージア

（…ネビル、わたしのことをぐっとつかんで…）

ジョージア

（…ちょっといたいけど……）

ミルフィ

は〜い！あっ、ふたりとも…大丈夫？

ジョージア

……？

ネビル

ああ、うん…昨日までは第一チームの配属だったのに、今日から急に？

ミルフィ

ん〜、まぁ…人は多いほうがいいじゃん？

ネビル

まぁ君はある程度信頼してるから…良いんだけど。

ミルフィ

ありがとう！！

彼女らの様子はおおよそ普段とは変わらなかった。変わったのは…

ジョージアの濁った恐怖心が少しばかり増幅したことだけであった。

ねえ、貴方は、この都市に潜む病に気付いたことはある？

私が誰か…それは一旦置いておこう。

君の好きなように考えれば良い。1つ言うなら…私は、ここの職員達をずっと見てきた。

愛おしい存在だ。

そうだね…例えば、私は『彼女』をよく見る。

どうしようもない現状に囚われ、自分の欲望を手放してしまった…自由を手放してしまった彼女を。

彼女達は、いつだって病を抱えているの。

都市という理不尽に自分の可能性を縛られ、全てを諦めてしまう……

最期には、何も出来なくなる病を。

今からきっと、貴方は…そして、管理人……職員達は。この施設の現実に直面するでしょう。

貴方が見てきた総ては、此処の…この都市の側面でしかない。

現実を受け入れるのは苦しいでしょうね、でも…

『恐怖に立ち向かい、未来を創る』

彼女らはそれを果たしてくれるって信じてる。

そうでしょう？

『私』に代わる者よ…

アシュリー

マルクト様…この箇所、そしてこの箇所も誤っています。多忙なのはわかりますが…

アシュリー

…お言葉ですが、アタシらには完璧を求めるのにマルクト様のミスが多いというのは…

彼女は少し怒りを込めたように言う。いつも同調してセフィラに物言いをしてくれるアモンは作業でいなかったが…

自身の処分が危ぶまれるとはいえ…職員達の命にも関わることであり、彼女の性格からは言わない訳にいかないようだった。

マルクト

いつからそんなに偉くなったのかな？職員（ノイズがかかり本来の言葉は聞き取れない。アシュリーと聞こえている。）

アシュリー

…この件は職員達の生死にも関わることです。いくらやり直しが利くとしても、何度も繰り返せばいつかは…

ハナ

アシュリーを止めなければ…！

ティム

駄目です、ハナさん…此処で止めたって、あの人は言うことを聞かないでしょうし…

ハナ

それでも…

アシュリー

…皆、狂ってしまうでしょう。

彼女は裏路地出身だからこそ知っていた。人間の限界は、本当に近いものであると。

マルクト

私の部門にはそんな軟弱な職員は要らないんだけどな。

マルクト

それにもしそうなるとしても、皆で協力して正常にしてあげれば大丈夫だよ！

アシュリー

…いえ、そういう問題ではなく。

マルクト

…私の言うことが聞けないのかな？

アシュリー

管理人の方針もそうでしょう。管理人様は私達エージェントをできるだけ死なせないような指示をされていますから…

アシュリー

指揮部門である我々は、その管理人の方針を堅実に守らなければいけません。そうでなければ、それは命令違反も同然。

アシュリー

とにかく…

マルクト

…あなたはこの会社のことを理解してないみたいだね。

マルクト

そんなに不満があるなら…『退社』する？

アシュリー

……。

ハナ

おい！アシュ……

ティム

（小声で）無理な干渉は避けましょう。でなければ僕達まで…

アシュリー

それで、職員達が更に安全に働けるのであれば。喜んで。…しかし、それならば要求を呑んで頂けると。

アシュリー

総てを統治するのは管理人様でしょう？何も無しにアタシを退社させるのは…彼が許さないでしょうね。

一際低い声で、彼女はそう言って、一息ついた。いくらマルクトであれ、管理人には背くまいと思いながら…

しかし、彼女から発せられた声は。

マルクト

それは…退社を受け入れたってことで良さそうだね！

マルクト

管理人様はきっと私の方を理解してくれるはず。それじゃあ、手続はこっちで済ませておくから！

管理人（放送）

指揮部門…でいいのかな？

マルクト

はい！管理人様、どうされましたか？

管理人（放送）

アシュリーの言う通りだ。

管理人（放送）

…君は少し疲れている。少し頭を冷やしたほうが良い。

アシュリー

……

マルクト

ですが…

管理人（放送）

職員…特に管理職は大切な資本なのでね、そうやすやすと失われる訳にはいかないんだよ。

管理人（放送）

話なら後で聞くから。退社手続はやめてくれると助かるね。

マルクト

は、はい…

マルクト

…次は無いと思って。

アシュリー

は…はい！ありがとうございます。

そうして何事も無かったように、指揮部門の業務は続行した。

イェソド

本日の業務は…一通りの情報抹消作業ですね。

イェソド

此方がリストです。普段は私が行っていましたが、本日は皆様にも手伝って頂こうと思っているので。やり方をお教えしましょう。

ヴェネス

（情報部門でも何度も勤務したが、こんなことは初めてだ…。）

イェソド

…このように処理します。簡単な作業ではありますが、ミスは許されませんから、気を付けて臨むように。

ヴェネス

質問ですが…何故このような業務を。

イェソド

貴方が知る必要はありません、職員ヴェネス。指示通りの作業を。

ヴェネス

しかし…情報抹消とは…

グレイス

…ヴェネス、やめなさい。

ヴェネス

…はい、了解しました。

パメラ

…知らなくて良いこともあるってことだね。

慣れない業務ということもあったが…それ以上に、彼には自身の手で情報を抹消することに違和感を覚えたんだ。

情報を集めた職員の苦労や実績、そして存在そのもの…それらを消してしまうことだから。

ヴェネス

（やるしかないのか…）

イェソド

…貴方の気持ちは分かりますが、この場でそのような情を抱くことは適切ではありません。

ヴェネス

……はい。

ヴェネス

（…いつも気になっていたけど…今日は一段と、イェソド様が身体を隠すような仕草をしている。）

ヴェネス

（機械の身体でもやはり…）

…彼にその理由を今知る術が無いのは明らかだった。

それでも…直にわかるだろうね。

ホド

職員の皆さん！本日はこの幻想体の対策案を出しましょう！

ホド

えっとね、アンジェラ様が言うには、社内で起こる事故の40%は事前に対策していれば防げるものだったらしいの！

ホド

だから、皆で話し合って事故を防げるようにしないとね！

ホド

それでは、私の考えた……

ヴィル

…ホド様。お言葉ですが、その幻想体相手にホド様がいつも言うような策を講じるのは無謀かと。

ルノン

ヴィルさん！まずは聞いてみないと…

ホド

…でも、何もやらないよりマシでしょう？

ホド

そう、それに…私のカウンセリング・プログラムだって、貴方はいつも否定するけど…

ホド

実際にそれで救われた職員だっているのよ！

ヴィル

いいえ…彼女の場合、諦めて壊れた、という方が正しいでしょうに。

ヴィル

ルノン、お前も…あまり惑わされてはいけない。

シャーロット

あら、ヴィルさん…少し物言いがキツイんじゃない？

メイ

そうですよ。仮にもセフィラ様に対する態度として…

…暫し沈黙が続く。重い空気を皆、身に纏い、そして…

ホド

…でも！あんたたち皆、私の助けがなかったら虫けらみたいに死んでたのよ！

ヴィル

……。

ホド

…ご、ごめん…でも私は皆の為を思って…！

ホド

なんで皆、私のことをわかってくれないの…

ホド

なんで……

ホド

ティファニー、どうして…

ルノン

ティファニー？一体、誰のことを…

ルノン

…ホドさん、疲れてるんじゃないですか、ここは私達に任せて…

ルノン

（ホド様の気持ちも、痛いほどよくわかるから。）

ホド

それで、相変わらずあの悪夢はよく見ているの？

セフィラ崩壊によるクリファ顕現

セフィラコアの抑制が必要

…管理人、恐怖に直面する準備はできた？

掛け違えたボタンを、ひとつひとつ…直していく覚悟は。

CHOCO

雰囲気壊すコーナー（TERRORにありがち）です。CHOCOです。

CHOCO

あけおめ〜〜！！ことよろ！！今年も鳥籠支部をよろしくな。

CHOCO

約1年、やっとセフィラコア抑制です。今年は更に忙しいでしょうし…完結は来年だろうか。

CHOCO

受験めちゃ近いので本当に勉強しなければ…

CHOCO

ま、長々話してもあれなので…色々伏線貼ったり地の文書いたり苦労しましたが、それを壊さない為にも今回はここらで。

CHOCO

では、さよなら〜‼️‼️‼️

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H-CHOCO

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