あのね、嘉宮くん 私に手話を教えて欲しいの。
某日
突然嘉宮くんに一通の紙を渡す。
一拍置いて、嘉宮くんが紙に書き出す。
良いですよ。 今日の休み時間から練習してみましょうか?
「良いですよ」
その文字を見るだけで安堵の息が溢れる。
璃乃
気付いて貰えるように全力で頷く。
璃乃
無意識に嬉しくなっている自分がいる
同日・休み時間
よろしくお願いします! 嘉宮先生!
嘉宮先生は少し照れますね。 では始めます
宜しくお願いします
の意味を込めて深く礼をする。
手話には、 「こんにちは」 「おはよう」 「こんばんは」 が挨拶です。
「こんにちは」は 額にピースを閉じたような手をして
それぞれの人差し指を曲げる感じっと、、
分かりやすかったですっ! ありがとうございました
璃乃
手話を教えてくれた嘉宮くんを思い出すと、、、
璃乃
どうしても口角が下がらない
花奈
璃乃
口角は上がったまま、花奈ちゃんの方を向く
花奈
花奈
璃乃
璃乃
花奈
花奈ちゃんにも教えられないかも笑
璃乃
花奈
今まで冷えてた身体中、全てが熱くなる
ボンっと
花奈
璃乃
花奈
揶揄いと嬉しさが滲み出た笑い方だった
璃乃
花奈
花奈
花奈
璃乃
花奈
そう言ったあと、手を振って私の前から消える
最近は花奈ちゃんが私以外の子といるのをよく見かける
花奈ちゃんは、私からそこへとグループが変わっていくのだろうか
花奈ちゃんが離れる度に、そう考える
璃乃
不安で大きくなった溜息を吐く
そのとき、
バンッという音と共に、目の前が暗くなる
そして足がクラっとふらついて、その場に倒れ込む
璃乃
その言葉のみを発し、
なにも記憶がなくなる
モヤモヤとした、みんなの声だけが頭をいっぱいにする
そして、私を呼ぶ声が聞こえてくる
目を覚ますと、そこには花奈ちゃんの顔が視界に入る
ずっと目を閉じていたせいか、
目を開けるといつも以上に光が明るく視える
もう一度目を閉じたいほどに
花奈
花奈
涙目になりながら抱きつく
花奈ちゃんの腕に包み込まれてて、温かい
璃乃
花奈ちゃんはきっと、ずっと、心配してくれていた
目が赤くなっているからきっと、泣いたせい
保健室の先生がいつものように優しい口調で告げる
璃乃
璃乃
この言葉を聞いた瞬間、俯く
璃乃
どんどん下を向く
花奈
花奈
璃乃
花奈
花奈
満足げに花奈ちゃんも笑う
5分程度、花奈ちゃんに私が倒れた時の事を聞いた
話終わるとすぐにドアが開いた
荒川
荒川
璃乃
荒川
安堵の溜息吐く
荒川
荒川
荒川
さらっと白状する
それに理解の時間が少しかかって、きょとんとなる
結構根に持ってたみたいだよ。 男女別で、僕はあまり状況を知らなかったんだけど 大丈夫でしたか?
この紙を見て、理解する
そして、2人に全力で、縦に首を振る
荒川
温かい声に誘われるように
一緒に帰ることにした
荒川さんとなら、花奈ちゃんも私も友達になってもいいかもしれない
コメント
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手 話 っ て 見 た 目 は 簡 単 そ う だ け ど 指 の 細 か い 動 き と か あ っ て 覚 え る の が 大 変 そ う で す よ ね 、