テラーノベル
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ある日突然、ういは消えた。彼女のアパートのポストには、水色の不在票が何枚も溜まっている。
まるで、彼女がもうこの世界にいないことを証明する、小さな墓標みたいに。
るぅとは彼女の部屋のクローゼットを開ける。そこには、彼女が一番気に入っていた、
少しくたびれた青いシャツが残されていた。
るぅとは彼女の部屋のクローゼットを開ける。
そこには、彼女が一番気に入っていた、少しくたびれた青いシャツが残されていた。
髪を短く切ったあの日の午後のように
君の写真を見たら、今すぐ会いたくなってしまうから。だから、
るぅと
スマホに残された、ういからの最後のメッセージ。
るぅちゃんへ。
もし私が明日居なくなったら、るぅちゃんはクローゼットの一番奥にある、
あのお気に入りのシャツを着て出かけてね。
生きるのが地獄みたいに苦しくても、たまには一緒に笑おう。
私のいない明日が来ても、どうか、昨日になって消えていく今日という日を、愛おしいと思って。
君の嫌いな世界のノイズなんて、全部、君の作る音楽で塗りつぶしちゃえばいいんだよ
るぅとは、ういが遺していった暗い感情のすべてを、
まるで美しい花束のように抱きしめる。
いっそ、この悲しみごと、自分の執着と一緒に燃やしてしまえたら楽なのに。
るぅと
外は激しい雨。るぅとはういの残した言葉を「傘」にするように抱え、
再び、泥を這うようにして音楽を作り始める。
コメント
3件
めっちゃ好き……。るぅとが「ふざけるなよ」って言うところ、ああもう…ってなったわ。ういからのメッセージ、生きるのが地獄でも傘を差せってことか。あの青いシャツは孤独の証じゃなくて、彼女の残した光なんだな。雨の中でも音楽を作り続けるラストの描写、すごく染みた。