芹香
お姉ちゃん?ご飯だって
朋莉(姉)
教えてくれてありがとう
朋莉(姉)
でもダイエット中だから芹香だけ食べておいで
芹香
分かった…
お父さん
ん?朋莉はどうした?
お父さん
芹香、声掛けたんじゃないのか?
芹香
声はかけたけどいらないって
お母さん
朋莉、今日友達と食べて帰ってきたって言ってたわ
芹香
え?
お父さん
そうだったのか
芹香
心の中 (お姉ちゃんの言ってることとお母さんの言ってることが違う)
お母さん
さぁ食べましょ?今日はビーフシチューを作ってみたのよ♪
お父さん
美味そうだな
芹香
そうだね…
芹香
心の中 (後でお父さんに話してみよう)
芹香
ねぇお父さん
お父さん
ん?どうした?
芹香
お母さんはお姉ちゃんが友達と食べてきたって言ってたでしょ?
お父さん
そうだな
芹香
でもお姉ちゃんはダイエット中だって言ってたの
芹香
どっちかが嘘ついてるってことかな?
お父さん
だとしたら嘘をついてるのは朋莉だろうな
芹香
そうなの?
お父さん
母さんに心配をかけまいと友達とご飯に行ったって話したんだろう
芹香
その可能性はあるのか…
芹香
でも最近のお姉ちゃん、痩せすぎだよ!むしろやつれてるよ
お父さん
拒食症になってないかは心配だな…
芹香
それに最近のお姉ちゃん、全然笑わないの…
芹香
それに怪我も日に日に増えてる…
お父さん
少し朋莉と話をしてみるか
お母さん
何を朋莉に聞いてみるの?
芹香
お母さん…お風呂上がったの?
お母さん
ええ!で、何を朋莉に聞くの?
お父さん
学校での様子を…なぁ!
芹香
そ…そう!お姉ちゃんの学校、今いじめが酷いって噂になってるから聞いてみようと思って
お父さん
本当なら芹香の進路を考え直さなきゃ行けないだろ?
お母さん
なら私が聞いてくるわ!
お父さん
いや、母さんには本当の事を言えないかもしれん
お母さん
どういう事よ!
芹香
お姉ちゃんね、お母さんには心配させないように友達とご飯行ったって言ってたけど本当はダイエット中なんだよ
お母さん
そっそうなの?
芹香
だからイジメのこととかもお母さんには言えないかも…
お母さん
そ…そうね…
お父さん
だから後で俺が聞いてくる
お母さん
分かったわ
お父さん
芹香、明日も学校なんだ。夜更かしはダメだぞ?
芹香
はーい!
芹香
おやすみなさーい
その時、私の耳には届いてはいけないであろう言葉が届いた
お母さん
もう!余計なこと言わないでくれる!!お父さんや芹香に虐待してるって勘違いされたらどうするのよ!
朋莉(姉)
ごめんなさい…
お母さん
芹香はいい子で優しいからアンタみたいなのでも「心配させないように嘘をついた」っておもいこんでるのよ!?
朋莉(姉)
ごめんなさい…
お母さん
その傷だってもっと上手く隠しなさいよ!気持ち悪い!!
朋莉(姉)
ごめん…なさい…
お母さん
お父さん、お風呂上がったら来ると思うけど!分かってるわよね!?
朋莉(姉)
はい…私は大丈夫…
お母さん
余計な事言ったらまたベルトで叩くからね!
朋莉(姉)
はい…
芹香
心の中 (どういう事?なんでお姉ちゃんがお母さんに怒られてるの?それにまたベルトで叩くって…言ってた?それって前にもされてるってこと!?)
お母さん
とにかく!お父さんや芹香を心配させたり巻き込んだりしないで頂戴!!分かったわね!?
朋莉(姉)
はい…
芹香
お父さんに教えた方が…でも確信はないし…
芹香
よし!お姉ちゃんに聞いてみよう!!
お姉ちゃんの部屋からお母さんがでたことを確認して少し時間を置いてから
朋莉(姉)
あ…はっはい…
中から聞こえてきた声は震えて…そう…怯えているように聞こえた
芹香
お姉ちゃん…今いい?
朋莉(姉)
芹香か…
朋莉(姉)
うん、いいよ
芹香
ねぇ、お姉ちゃん…なんか隠してない?
朋莉(姉)
へ!?なんでそう思うの?
芹香
さっきお母さんと話してる声…聞こえて…
朋莉(姉)
えっと…その…
芹香
お姉ちゃん、お母さんにいじめられてるんじゃないの!?
朋莉(姉)
そっ!そんなはずないでしょ!!
朋莉(姉)
ごめんね…声、驚かせちゃったね
芹香
大丈夫だよ。じゃあお母さんと何を話してたの?
朋莉(姉)
それは…ほら!私がダイエットしてる事を知ってお父さんや芹香が心配するからやめなさいって…
芹香
じゃあベルトで叩くって言ってたのは?
朋莉(姉)
えっと…それは…
朋莉(姉)
そう!きっと聞き間違いよ!!
芹香
聞き間違い?
朋莉(姉)
いつも使ってるベルトがダメになってきたからそろそろ新しいの買わないとってって話をしてたの
芹香
本当に?
朋莉(姉)
本当よ(*^^*)
芹香
本当に何も隠してない?
朋莉(姉)
隠してない。大丈夫だよ!
芹香
何かあったら言ってよ?
朋莉(姉)
ありがとう!本当に大丈夫だから
芹香
うん!それじゃおやすみなさい
朋莉(姉)
おやすみなさい、芹香
と声が届いた気がして振り向くがそこにあるのは閉められた扉だけだった
芹香
気のせいかな?
そう思いながら自室に戻りベッドに転がればそのまま日が昇るまで眠りに落ちていった