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エルノ平山高等学園殺人事件 -僕と俺の絶望的な殺シ合イ-

第8話 - 0章モノローグ　#8「動機」

103

2025年11月14日

#折伽羅

#一応一次創作

#諸々注意

#-エル高-

#-僕俺-

葉曖麗奈　不定期

廊下

芽楼は壁に寄り掛かる様にして学生証を見ている

穂兎　芽楼

………エ、『エルノール』〔震えた声で学生証に向かってそう言う〕

すると画面にエクスの顔が浮かび上がり「なんでしょう」と返事を返してくれる

穂兎　芽楼

っ！(本当にエクスだ…！)

穂兎　芽楼

……えと、校内のマップをだして

エクス・エルノール(学生証)

「かしこまりました」

そうエクスの顔をしたAI(？)が言うと、パッ、と校内マップが表示される

読者向けに分かりやすくした地図↓

穂兎　芽楼

えぇっと……食堂………食堂…………

穂兎　芽楼

うえぇ……大き過ぎて分からないよぉ………〔涙目になりながら〕

分からないの？

不意に聞こえた声に芽楼は驚き、下がる道は無いが後ろに下がって、声のした右側を見る

そこには、芽楼が苦手と感じていた「霜朱柊真」が、不敵な笑みを浮かべて芽楼を見ていた

霜朱　柊真

おはよう、穂兎〔ふふっ、と笑いながら〕

穂兎　芽楼

……お、おはよう…柊真君………〔ぎこちないながらも笑顔を作り、返事を返して〕

霜朱　柊真

それで話を戻すけど……食堂の場所分からないの？〔学生証を覗き込み〕

穂兎　芽楼

あ、うん……食堂の場所がよく分からなくて……

霜朱　柊真

ふーん？…………………

霜朱　柊真

………あ、これ2階じゃん、道理で見つからない訳だよ

穂兎　芽楼

え、2階……？

霜朱　柊真

うん、食堂は"大食堂"と普通の"食堂"の2つがあるんだけど……

霜朱　柊真

多分華斬が集めてる食堂は"大食堂"……

霜朱　柊真

大食堂は1階にあるんだよ

穂兎　芽楼

で、でもその"食堂"の文字を見てないんだけど………

霜朱　柊真

だって食堂の方も3階にあるからね

霜朱　柊真

幾ら2階のマップを見てても"食堂"の文字は見る事無いよ〔面白そうに笑って〕

穂兎　芽楼

そ、そんなぁ〜……(僕の……さっきまでの努力返してよぉ〜！！)

霜朱　柊真

でも………ふふっ、凄いね…？w

霜朱　柊真

此処1階で、2階のマップ見てて違和感無かったの……？w〔と笑い始め〕

穂兎　芽楼

む…………僕編入生だから知らなくて当然でしょ！？

穂兎　芽楼

それに此処広過ぎるんだし！

霜朱　柊真

広過ぎるのは同感だけど………流石にそれは無いでしょ……w

穂兎　芽楼

うぅぅぅぅぅ……………〔怒りが頂点に達しそうになって〕

霜朱　柊真

ふふっ、ごめんごめん、一寸揶揄い過ぎたかな？

霜朱　柊真

お詫びと言ってはあれだけど…良ければ大食堂まで案内させて欲しい〔普段の不敵な笑みを浮かべ、そう提案し〕

穂兎　芽楼

えっ

霜朱　柊真

……ダメかな？

穂兎　芽楼

い、いや……願ってもない話だけど………

穂兎　芽楼

(正直、この人とはあまり関わりたくは無いなぁ………)

穂兎　芽楼

(何を考えてるのか分からないし……一寸胡散臭いと言うか……)

霜朱　柊真

それじゃぁOKって事だね、んじゃ行こっか〔と芽楼の手を取り、足早に何処かへ連行して〕

穂兎　芽楼

えっ！？ちょっ……

穂兎　芽楼

まだ何も返事してないよぉぉぉっ！？！

徳咲　雅夜

……………〔その様子を偶々見ていた〕

徳咲　雅夜

……何やってんだ、彼奴ら………〔呆れた様子で〕

霜朱　柊真

……はい、着いたよ〔芽楼の手を離し〕

穂兎　芽楼

………………………………………柊真君〔学生証をじとーっと見ていて〕

穂兎　芽楼

…………此処、マップだと中庭って出てるんだけど……

霜朱　柊真

あれ、此処じゃ無かった？〔笑いながら〕

穂兎　芽楼

中庭がその大食堂な訳無いよね！？

霜朱　柊真

あ〜、それもそうだね………

霜朱　柊真

それじゃぁ次行こう！〔また芽楼の手を取り引っ張って〕

穂兎　芽楼

……………〔嫌そうな顔をしつつ、引っ張られるが儘連れて行かれ〕

霜朱　柊真

今度こそ此処でしょ〔手を離し〕

穂兎　芽楼

………………………………柊真君…〔またもや学生証を険しい顔で見ていて〕

穂兎　芽楼

此処、共同お風呂……更衣室の中………

霜朱　柊真

あれ？違った？

穂兎　芽楼

………態とやってる？〔流石に柊真を睨み付け〕

霜朱　柊真

やだなぁ穂兎、おれがそんな事する様な人に見える？〔笑いかけ〕

穂兎　芽楼

見える

霜朱　柊真

即答か〜、寂しいなぁ〜

霜朱　柊真

………ま、ある意味茶番だね……

霜朱　柊真

けどほら、良い感じに内部構造が把握出来てきたんじゃない？〔ふふっ、と不敵な笑みを零し〕

穂兎　芽楼

……確かにそうだけど、早く大食堂に向かって欲しいかも………

霜朱　柊真

分かったよ、道化でも約束は守るものだからね〔と先頭で歩き出し〕

穂兎　芽楼

…………〔それについて行って〕

大食堂

中は体育館程では無いにしろそれなりにデカく、規則性無く机と椅子が部屋中に設置されている

恐らくご飯を貰うであろうカウンターがあり、その先には厨房が見えた

そして、大食堂には……… 雅夜を除いた全員が集まっていたのである

華斬　巧

穂兎君！良かった、何も言わずとも自分で来れたんだね……〔安心した様子で〕

そう巧はいつも通り言ったが……

何故か巧と音依、夏美がこの場に居ない雅夜と、 1人優雅に珈琲を飲んでいる暁音を除いた全員に囲まれていた

緋鞠　音依

芽楼さんおはよぉ〜！〔と元気よく手を振り〕

雁之　夏美

ごめん芽楼……状況的に呼べなくて………〔苦笑して〕

穂兎　芽楼

え……えぇっと…………一体これは………

橘　暁音

黒幕候補な貴方を擁護した華斬巧、緋鞠音依、雁之夏美がこの場に貴方を呼ばせない様、取り囲んでいるんですって〔カップの中を見ながらそう答え〕

穂兎　芽楼

そんなっ…………巧君達は唯僕を庇ってくれただけだよ！

穂兎　芽楼

3人は何も悪くない！

音梦蛇　孤由寧

はぁ〜？何言ってんの〜お前

音梦蛇　孤由寧

アンタがそう庇う毎に、オレ達は疑いたくもないコイツら疑わなきゃなんなくなるの…分かってて発言してる？〔心底面倒臭そうに〕

穂兎　芽楼

え……………

遙　朝緋

正直な話〜

遙　朝緋

芽楼ちゃんが庇っちゃうと〜、この3人が仲間なんじゃないか〜って、僕ら不審に思っちゃう訳なの〜

遙　朝緋

だから余計に、解放しずらくなるんだぁ〜

紫綠　紗夜菜

わ、私…殺し合いなんて嫌ですの………

紫綠　紗夜菜

だから…危険な人物は見ておかなければ……

緋久夜　永

ふふっ、ごめんねぇ穂兎ちゃん

緋久夜　永

どうしても貴方は黒幕が、それに通ずる者としか思えないの〔と妖艶な笑みを浮かべた儘言って〕

碌守　香

ぼくさー、大事な悪戯道具取られてるから、早く返して欲しいんだよね

碌守　香

その為なら……例え同級生であれ、先輩であれ…………遠慮なく疑うよ

六罪　炎孤

俺は……殆ど流されるが儘だけど…

六罪　炎孤

けど、穂兎の事…潔白とは思えないんだ………すまねぇ…

綾眼　瞳無

疑わしきは罰せず、という言葉がありますが……

綾眼　瞳無

この状況下では、下手すれば死にますので…難しいですよね

桐乃戸　瑠璃

すまんな芽楼、どぉ考えてもアンタが怪しく見えるんや

穂兎　芽楼

そ…………そんな………………〔と残念そうに項垂れて〕

霜朱　柊真

へぇ〜、面白そうな事やってるじゃん

霜朱　柊真

おれも混ぜてよ〔と囲むのに混ざって〕

穂兎　芽楼

っ……(柊真君まで………暁音さんはさっきから無関心を貫いてるし……)

穂兎　芽楼

……僕…どうすれば………っ〔涙目になって〕

エクス・エルノール

皆様、そろそろ戯れるのはお辞め下さい〔と何処からともなく出てきて〕

全員

っ！！！

急に出てきたエクスに、その場に居た全員が1歩下がって

エクス・エルノール

………1人見当たりませんが、ほぼ全員いらっしゃる様ですね

エクス・エルノール

では、皆様にこれを

そう言うと、エクスの腹部にあたる所から DVDが全員分出てきて

エクスはそれをその場にいる全員に配る

渡されたDVDには付箋が貼ってあり、それぞれの名前が書かれていた

エクス・エルノール

それが、今回の"動機"となる物です

エクス・エルノール

各々の個室にあったテレビにて視聴出来ますので、ご確認下さい

橘　暁音

……そんな事言われて、わたし達が素直に見ると思っているのかしら？〔エクスを睨み付け〕

エクス・エルノール

"明後日までに見ていない者が居た場合、その者を処刑します"

エクス・エルノール

……これで、見るしか無いでしょう？〔無機質な声でそう告げて〕

橘　暁音

…………そうね、死にたくないなら見るしかないわ……

碌守　香

一寸そこの……エクスって言ったっけ？

碌守　香

ぼくの悪戯道具返してよー！あれないとぼくの存在意義が無いでしょー！？

エクス・エルノール

碌守香様、並びに皆様の持ち物は

エクス・エルノール

この第一回目が終わり次第返却致します

エクス・エルノール

なので是非とも殺し合ってください

そう言ってエクスはお辞儀をした後、何処かへと去っていった

桐乃戸　瑠璃

持ち物返して欲しかったら殺し合えって…………とんでもないこっちゃな……〔嫌そうな顔をして〕

沈黙が、この大食堂全体に行き渡り、重い空気が立ち込める

そんな空気を断ち切ったのは、巧の一言だった

華斬　巧

………あのさ、このDVD…

華斬　巧

誰かの部屋で、皆で見ない？

なんとも突飛な発言、だが良い案だった

このDVDが、殺人をする「動機」となり得るのなら皆で見てしまえば「動機」は意味をなさなくなる尚且つ見ている為、処刑される事も無い

橘　暁音

……確かに、これが「動機」なら、皆が一人一人のを見てしまえば……

橘　暁音

…ものにもよるかもしれないけれど、殺人のリスクは低くなるわ〔顎に手を当てながらそう言って〕

桐乃戸　瑠璃

なら、ボクはその案に賛成や

桐乃戸　瑠璃

殺人のリスクが減る、且つ見ているから死ぬ事も無いってお得セットな訳やし

桐乃戸　瑠璃

やらない方が損やろ！

紫綠　紗夜菜

私も賛成ですわ！

紫綠　紗夜菜

個人で見て、誰が殺人を犯しても可笑しくない状況なのは嫌ですもの！

紫綠　紗夜菜

……なるべく、目星が付けやすい方が良いですわ…

六罪　炎孤

俺も賛成だな

六罪　炎孤

1人で見て気を動転させねぇ為にも……一緒に見る案はいいと思う

それぞれの思惑がありながらも、賛成の意を口にする者が出てきて……＿＿

霜朱　柊真

俺は辞めとくよ、一人でじっくり見たいから

前向きな意志を見せ始めた皆の名で、柊真がそう言い出し

華斬　巧

霜朱君、どうしてかな？ボクとしても皆来てくれた方が有難いんだけど………

霜朱　柊真

だってさ、よく考えてよ

霜朱　柊真

内容によっては誰にも見せたくない人だって居るでしょ？

霜朱　柊真

……なら、個人で見た方が…精神的にも楽なんじゃないかな〜…………ってね

そう言われ、この場に居た皆の意志がグラグラと揺れる

「どんな内容だろ……」「分からない」「見せられない物だったらどうしよう」

……そんな考えが、全員の頭の中で考えられる

華斬　巧

………確かに、見られたくない人は居るだろうね……

華斬　巧

ボクは皆が来てくれれば一応安心だけど………無理強いはしない

華斬　巧

見てくれたって構わないと思ってくれた人だけ、集まって欲しい

巧のその心強く、優しい言葉で、疑心暗鬼にも近しい何かを抱いていた者達は安堵し、落ち着いて考え始めた

穂兎　芽楼

………(…皆、凄いなぁ………色んな事考えられて……)

穂兎　芽楼

…………(……僕なんて、大した事考えてないし………人数が多い方に行こうかなって考えちゃってるから…………)〔と目線を落とし、俯いて〕

穂兎　芽楼

(…僕のDVDなんて、多分…皆からひまら大した「動機」になり得ない……)

穂兎　芽楼

(だから正直、考えたって意味なんか………)

雁之　夏美

……芽楼〔包囲網から抜けて芽楼に近付きながら優しく声を掛け〕

穂兎　芽楼

っ！な、夏美さん………〔顔を上げて〕

雁之　夏美

大丈夫？なんか元気無いみたいだけど……

穂兎　芽楼

あ、うん……多分一寸疲れちゃっただけだと思うよ………

穂兎　芽楼

1晩休んだら戻ると思う……〔と頬を掻きながら〕

雁之　夏美

そう？それなら良いんだけどさ……

雁之　夏美

…あ、そうだ……アンタはどうするの？DVD

穂兎　芽楼

あ〜……………実はそこまでちゃんと考えてなくて………

穂兎　芽楼

人数が多い方にしようかなって思ってる……ぐらいかな？〔苦笑〕

雁之　夏美

そうなんだ、それじゃぁ自分とあまり変わらないね〔少し固まってる集団を見ながら〕

穂兎　芽楼

え？

雁之　夏美

自分も、正直何も考えて無いんだよね

雁之　夏美

だから多い方に流されようと思ってる………

雁之　夏美

……意外でしょ？今をときめく女子サッカー選手が、こんな考え方で…〔と笑いかけ〕

穂兎　芽楼

……確かに、意外と言えば意外だけど………

穂兎　芽楼

それって、大概の人間が持つ考え方だと思うよ…………僕がこんな事言うのもあれだけどさ…〔苦笑しつつ頭を掻いて〕

穂兎　芽楼

…それに僕は、どんな考え方をしていたって……貴方のファンなのには変わりないから

穂兎　芽楼

意外な所を見れて、寧ろ嬉しいって思ってるよ！〔笑顔でそう言って〕

雁之　夏美

………………〔目を見開いて〕

雁之　夏美

……っあはは！ほんと、芽楼って可笑しな子だね！〔と笑い出し〕

穂兎　芽楼

え、えぇ…？！そんな変かなぁ………？

雁之　夏美

いい意味で可笑しいよ、流石自分のファンやってる子だ

雁之　夏美

……ありがとう、お陰で一寸自信が持てたよ〔と手を差し出し〕

穂兎　芽楼

え、っと……自信が持てた様で何よりだけど…………その手は？

雁之　夏美

握手だよ、挨拶の握手やってなかったな〜って思ってさ……

雁之　夏美

…若しかして嫌だった？〔と不安そうに聞いてきて〕

穂兎　芽楼

ぜ、全然！寧ろ有難い！

穂兎　芽楼

ファンからしたらご褒美物だよ！！

穂兎　芽楼

だからこそ、その………心の準備が……

そう芽楼がうじうじしていると、夏美は芽楼の手を取り、強引に握手をする

雁之　夏美

そんなうじうじしてても変わんないでしょ？

雁之　夏美

自分との握手をそう思ってくれてるのは良いけどさ〔と笑みを浮かべながら〕

穂兎　芽楼

うぇ、あ…えと…………ﾌｼｭｩ…………〔頭から煙を出して気絶する〕

雁之　夏美

えっ！？一寸そんなに！？！？ちょ………巧ー！！〔と慌てて巧(保護者)を呼んで〕

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芽楼さん、、、がんば、（苦笑）人間が人間で包囲網作ってる。（何言ってんだこいつ）巧さんが芽楼さんの保護者枠なってて草(笑)

葉曖麗奈　不定期

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