願い

ドアの閉まる音がするとボクは思わず息を吐く。副団長……類は急に現れるから気を抜けないのだ。

それにしても、仲間を殺す作戦を考えさせるだなんて、神様も理不尽だな

少しの罪悪感が残ってしまうボクには騎士なんか向いていないだろう。今や弟くんや司先輩と一緒に第３スターなんて呼ばれるぐらい功績を収めているのに、こんなことを思っているなんてバレたらきっと約立たずとして即クビだろう

元悪魔としてクビにされるよりはマシだが

もう夜だ。寝る準備は満タンだったため、布団に入るとすぐに寝てしまった。

「エクエス、パラディン、シュヴァリエって第３スター勢揃いじゃねぇか！」

「こりゃタロット森の魔女全員死ぬわ」

一般庶民からそんな声が聞こえる。何も思わずに殺せたらどんなに良かっただろう。弟くんも、少し震えているようだ。ただの武者震いか、実の姉が死ぬかもしれないという恐怖か、考えてみればすぐに分かる。後者だろう

ボクが絵名の知り合いの悪魔だということは弟くんは知らない。だからこそ弟くんにとってボクはただの同期でしかない。

声をあげながらボクらはタロット森へ向かった

ボクが指示を出すと団員たちは一気にバラける

ボクはエナたちの拠点方向だ。

ボクはボクの捜索範囲へと走った

剣を前に突き出すとぐち、と肉が切れる音がする。いつまでもこの人を殺める感覚はなれないものだ。

完全に動かなくなったことを感じ取るとまたボクは走り出す

フードが取れかけてしまったので即座に戻す

しかしまぁどこから見ていたのかボクを仲間だと察知した魔女がこちらへ寄る

素早く剣を振るう。そうすると悪魔から大量の血が流れ出す。少し力を入れすぎたかもしれない

もう脈がないようだ。即死かな

こんなの早く終わらせてしまいたい

そう考えながらボクは何人もの魔女や悪魔を殺めた

弟くんの顔色が悪い。早く撤退した方がいいだろう

ボクらはすぐに撤退となった

「全員無事で54人ってマジかよ」

「流石第３スターだわ」

ボクがテキトーに感謝の意を述べるとワァァァッっと歓声があがる。

ボクは、何を願って戦っていたのかなど、何も覚えていなかった