死にたい俺の初恋

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ﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ

ああ、今日も

朝が来てしまった

俺の大嫌いな朝

体が重い

まるで生きることを拒否しているみたい

リビングに行くと、母さんと父さんが怒った顔をして俺を待っていた

俺が朝起きれなくなったのは

低血圧とかじゃなくて

父さんと母さんが毎日夜遅くまで勉強をさせるから

部屋から出ることは出来ず、勉強中はカメラで監視されている

俺の睡眠時間は3時間あるかわからない

玄関の方に向かうと

母さんと父さんが俺のことを言ってるのが聞こえてきた

『あんな出来の悪い息子、俺らの子どもとは思えない』

『そうね、1度DNA鑑定した方がいいかしら』

なんで俺は生きてるんだろう

父さんと母さんは昔から俺に暴力をしてくる

酷い時は暴言を吐きながら、俺の体をボロボロにする

耳生えてるの気持ち悪いのよって。

しっぽを外で出すなよって。

そう、俺は原因は分からないけど

生まれた時から犬耳としっぽがあった

周りの人にはないから、両親も気持ち悪がった

『かわいい』なんて言われたことない

『人面犬』だの、『気持ち悪い』だの

小中ずっと虐められてきた

今日も死にたい俺は

重い足を引きずりながら

学校に行く

また、上履きが無くなっている

代わりに『死ね』『伝説の人面犬』『ゴミ』

など書かれた紙くずが丸められて入っている

俺は靴を脱いで、裸足のまま教室へ向かう

教室に入るなり、ニヤニヤ笑う女子たちに手を引っ張られる

女子トイレの個室に連れてこられ、外から鍵を閉められる

個室の一番奥のトイレは使用禁止になっており、中の鍵は壊れている

ｻﾞﾊﾞｧｱｱｧ

A子とC子はバケツに入った水を個室の上からかけた

制服はずぶ濡れになり、冷え切ったからだがブルブル震える

何度も個室に連れてこられ、

その度に水をかけられるから、

ロッカーに着替えとタオルを常備するようになった

ロッカーには鍵をかけれるから悪戯されることは無い

俺は便器のフタを閉め、登って隣の個室に移り廊下へ出る

ずぶ濡れになった制服を袋に入れ、ジャージに着替える

教室に戻るとやけにざわついていた

さっきまで俺の事を虐めていた女子たちは俺を見るとバツの悪そうな顔をして女子のグループに入っていく

ドアが開き、綺麗な水色の髪の毛が見えた

一見大人しそうな、男の子

かなり緊張しているみたいだ

ペコッと頭を下げる

そんなに可愛い顔してるか？と思い、

もう一度頭を上げて顔を見ると

彼は俺と目が合って

ﾆｺｯと笑った

笑った時に微かに見えた八重歯が

可愛くて、

俺より少し身長が高めの君は

瞳の色が綺麗なブルー

キラキラ輝いて見えた

ドクン、ドクン、ドクンと

心臓の音が激しくスピードを上げる

つい、声が出てしまった

八重歯がはっきりと見えた

笑った時に眉が下がったり

淡い水色に輝く瞳が

俺の心をゆさぶった

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