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馬鹿らしい

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馬鹿らしい

1 - アホらしい

♥

145

2025年09月03日

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※ sxxn 緑黄 学パロ

コメントでは色を使って名前を伏せるよう、ご協力お願いします 例 🍍→赤、赫

 

 

 

ふぁ~、っ

各々友達などと話しながら絵を描いている美術室で一つ欠伸を零す

生憎俺には一緒に話す友達なんて居ないのでね

 

時計を見る

部活が終わるまであと30分か、

なが、

窓から顔を覗かせる

野外部活の人たちの声が聞こえてくる

あれ、水泳部、今日は早めに終わるって言ってなかったっけ?

プールサイドに1人ポツンと立つ子を見て思う

流石に顔まではよく見えないが、何故か惹きつけられるものがあった

どうしても彼を間近で見たくて、先生に嘘をつく

すみません、体調がすぐれないので帰っても良いですか?

先生

いいけど…、1人で帰れるの?

先生

親御さんに連絡しましょうか?

いえ、大丈夫です

先生

そう…、気をつけて帰るのよ

はい、ありがとうございます

そう言い俺は美術室を後にした

フェンス越しに見る君は

可愛い横顔とは裏腹にしっかりとした背筋があり

くるゞとした癖っ毛で

下に行くにつれ、くすんだ黄色からサーモンピンクになっている

綺麗な人だな、

彼には到底聞こえない声で呟く

ていうか、泳がないのかな、あの子

水着には着替えてるものの、水泳帽もゴーグルも付けずに ずっと棒立ちでプールを眺めている彼

まぁ、あれだけでも じゅーぶん絵になるんだけどね

スケッチブックを取り出し、空でも描こうとしたその時

( バシャッ

( ばっ

水飛沫の音が聞こえ、思わず顔を上げる

彼が泳いでいたのだ

( ごくっ

思わず息を呑んだ

フォームが綺麗とか、そういうレベルじゃない

ただゞ、美しかった

 

 

気付いた時には彼が一本泳ぎ きっていて その時やっと俺の肺に酸素が入ってきた

( げほっ、けほ、っ

…いつの間に水泳帽とゴーグル付けたんだろ、笑

そんな事を考えているうちに、彼の姿は無くなっていた

 

 

あの日から俺の頭の中は名前も知らない彼ばっかで

何をするにも気が入らず

スケッチブックの中には彼の横顔だらけだった

…うん

我ながら気持ち悪いな

 

 

はぁ、

また彼を間近で見たいという気持ちが高まるが、あの日から1週間ちょっとしか経ってない今、同じ手は使えなくて

どうやってサボるかだけを考える日々

結局今日もサボれず、無意味な時間を過ごしてたら部活が終わった

…ちょっとだけなら、ね

いつもならこのまま家に帰っているが、なんだか今日は彼がいる気がして

プールに寄ってみることにした

ぁっ、!

彼がいた

今日も1人、ポツンと立っていた

ただ前と違ったのは 今日が水泳部は休みだということ

そして、彼が制服を着ていたということ

今日は、泳がないのかな

少し残念と思いつつ俺の瞳の中には彼の横顔しか写っていなかった

10分が経っただろうか

彼はプールサイドのベンチに座り、目を伏せ、彼は呟いた

ねぇ君、

ぇ、っ?

ぉれ、っ ですか?、

君以外誰がおるんよ、っ笑

こっちを向き、微笑みながらそう言った

でも、どこか苦しそうな表情だった

話、聞いてくれる?、笑

、!

もちろん、笑

んふ、っ 笑、

ならこっちきて?、

ぇ、良いんですか?

うん、みんなには内緒ね 笑、

口元に人差し指を添え、にこっと笑った

まさかこんな事になるなんて、思いもしなかったや

俺さ、好きな人がいたんよ

隣に座る彼が呟く

この時点で俺の初恋は砕け散っていた

年上の女の人でさ、

めっちゃ好きやったんよ、ほんまに

そうなんですね、

その人がさ、今年の俺の試合見に来てくれるって言ってて

俺めっちゃ練習頑張って、決勝の試合まで行ったんよ

始まる前にずっとあの人を探してた

見つけた!って思ったら隣に仲良さげな男の人がおって、

彼の声が震えているのが分かった

ぅおれ、っ その事で頭いっぱいなって、っ

試合も、集中出来んくて、っ

彼の大きな瞳には、大粒の涙が今にも溢れそうなくらい溜まっていた

負けちゃったんよ、っ、

…、

後から聞いたんやけど、その人はお姉さんの婚約者さんだったらしくてさ、っ

もちろん、みんなにめっちゃ怒られて、っ

悪いことしたって自覚あったからこそ、みんなに顔向けできんで、っ

今部活行っとらんのよ、っ笑、

でもコーチはそんな俺を憐れんで、っ( ゞ

みんなが使ってない時間帯だったら使って良いって、っ( ゞ

プールの鍵渡してくれて、っ( ゞ

でも、こーゆーの、迷惑っていうのもわかっとったし、っ( ゞ

俺は今日で、っ( ゞ

部活辞める予定、っ( ゞ , 苦笑い

そこまで話終わってから彼は、ずっと泣いていた

…、すみません、立ってもらえますか?

…?( ぐず、っ

彼は「なんで?」とでも言いたそうな表情を浮かべながらも立ってくれ、

そして俺がプールまで近寄ると、彼もついてきてくれた

っ、…

ぇ、っ?

( バシャッン

俺は彼を押し、プールへと突き落とした

っ、ちょっ、なにしてくれるん、っ!?、

…、い

なんて、っ?

馬鹿らしいって言ってんの

感情に任せて彼に言う

俺らしくない、そんなの分かってる

え?

俺は、っ 君のこと何にも知らない、っ

名前も、クラスも、学年も、っ

そんな俺は君の、

泳いでいる姿が好きだった、っ( 泣

俺は君のせいで…、君と同じように、っ…!( ゞ

何も手につかなくなってんだよ、っ…!、( ゞ

沢山の言葉が喉を通り、声となり、口から出ていく

…、っ

は、?っ

( バシャン

彼に腕を引かれ、俺もプールへと落ちていた

何して、っ

上から言われるの、はらたつ、

俺の瞳をしっかりと見つめる君

君の綺麗な瞳に、俺は吸い込まれそうになっている

馬鹿らしいって、よく言ってくれたな?、笑

君だって、俺みたいになってるのに

俺が馬鹿らしいなら君はアホらしいやな、笑

っ~、

それでも良いです、

それでも良いから、泳ぐこと、っ 辞めないでください…、っ

声が震える

…、なんでそこまで執着してくるん、っ

俺は、駄目なんやって、っ…

もう戻れんの、っ…

好きな人が自分自身を否定して、押し殺して、諦める そんな姿、見るに耐えなくて、

駄目じゃない、っ

そんなこと、言わないで…、っ( 泣

…なんで君が、っ 泣くんよ、ぉ( 泣

夏というには遅い9月

高校生が2人ぼっちで泣いた

 

 

辺りも暗くなり始めた頃、俺と君はようやく泣き止んで

制服、濡れちゃいましたね、

…君のせいでな

プールから あがり、制服を絞っていた

…俺、すちって言います

一年です

俺、みこと、

二年生、

今更すぎる自己紹介を端的に済ませる

来年の試合、絶対見に行きます、

先輩が好きだった女性なんか呼ばないで、俺呼んで下さい

先輩しか見ないんで

…、辞める予定やったんやけどな、っ笑、( ぼそっ

出れたら、呼んであげる、笑

最初よりも柔らかい笑顔を向けてくれた

…! ありがとうございます、っ笑

そして俺たちは、朱色を通り過ぎ 藍色っぽくなった空を見上げながらプールを後にした

 

 

 

水泳の試合 全然詳しくないので、変なところあったらすみません💦

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