あっきぃが部屋を出ていくのを見た瞬間俺は膝から崩れ落ちてしまった
あっとくんが咄嗟に支えてくれた
あっとくんに支えてもらってソファーに座る
けちゃが抱きついてくる
けちゃの体が
少しだけ震えているように感じた
ドンドンドンッ
ーー…、!
ー~!
なんだか嫌な予感がした
そう言って気合いで立ち上がる
覗き穴から外を見る
家の前に女の人がいた
どうして開けてくれないの!?
玄関に来るとリビングより声がよく聞こえた
あなたの為なのにッッ!?
なんで!?
あなたはいい子でしょ!?
やめて、
やめてよ
もう、それ以上あの人を傷つけないで
追い詰めないでよ…っ
そんな気持ちがおさえられず
俺は思わずドアを開けた
母
母
母
母
急に何言ってるんだこの人、
母
落ち着け、と言うようにぷりちゃんが肩に手を置いてくれる
母
母
母
母
今度はまぜたんが声をかけてくれる
俺が下がるのと入れ違いにあっとくんが前に出る
そう言って女の人の肩に軽く手をかけた
母
そう言って彼女はあっとくんの手をはたき落とした
母
母
母
母
母
母
母
母
女性の目は空を見つめていて
話しかけても反応がなかった
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
母
全員はっとした
演技
普通
本物
全部全部作られたものだった
だからあんなに苦しそうだったのだと
そう、納得出来てしまったから
母
母
ガチャ…
涙で濡れた頬に
光のない目で
こちらを見る彼の手には
カッターが握られていた
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