ある日の夜
コナン
…おい
キッド
なんだよ
コナン
いい加減おろせ
キッド
へいへい
コナン
…なんで帝丹の屋上なんだよ
キッド
俺別の高校だし
キッド
一度来てみたかっただけだ
コナン
そういやそうか
コナン
…
キッド
…
風が吹く音だけが二人を包み込む
あの一件以来、上手く話ができなくなってしまった
二人きりになる度に心臓がうるさくて落ち着かない
何かを言いたくて口を開いても音にはならず、空気に溶けていく
コナン
…なぁ
キッド
ん?どした?
コナン
…えっと…
キッド
無理に喋るのはやめようぜ
コナン
え…?
キッド
推理も、考えがまとまってないまま話さねぇだろ?
コナン
…そりゃあ、そうだけど…
キッド
いいじゃねぇか、自分の整理できてからで
キッド
それともなんだ?
キッド
俺と二人きりで黙ってるのが気まずいのか?
コナン
…正直今すぐ帰りてぇよ
コナン
蘭も心配するし
キッド
あっそ、んじゃ帰るか
コナン
は!?
コナン
なんでそうなるんだよ!?
キッド
帰りたいって言ったじゃん
コナン
いや、それは、!
キッド
冗談だよ
コナン
なっ…
キッド
あんま遅くなんねぇようにはするけどさ
コナン
…
コナン
高校生で犯罪者か…
キッド
なに他人事みたいに言ってんだよ
キッド
名探偵だって犯罪____
そーゆー話はやめようね
コナン
えっ、何今の
キッド
名探偵が喋ったのか?
コナン
んなわけねーだろ!
キッド
…誰?
コナン
…さぁ?
キッド
…まぁ、いっか
コナン
…そうだな
キッド
やべ、小学生はそろそろお家に帰さねぇとな
コナン
俺は…!
コナン
いや、そっか
キッド
…今でも受け入れきれてない部分もあんのか?
コナン
…当たり前だ
キッド
だよな…でもすげぇじゃん
キッド
突然小学生になったのに自然と子供を演じて大活躍して、大切な人にも秘密を守り通して
キッド
俺だったら絶対無理だな〜
コナン
…正直、キッドにも知って欲しくはなかったんだ
キッド
なんで?
コナン
言ったろ!
コナン
危害が及ぶかもしれねぇって!
コナン
もし、殺されたりしたら…!
コナン
俺は…
コナン
絶対…立ち直れねぇから…
コナン
蘭だけじゃない…灰原達も、博士も、服部も…
コナン
キッドだって…
キッド
俺は別に怖くねぇし、追われるのには慣れてる
コナン
警察とは全く違う存在なんだぞ!?
コナン
平気で人殺すような…!!
キッド
俺も、そういう奴らに目付けられてんだよ
キッド
こう見えても、一つ一つの予告が命懸けなんでね
コナン
…そ…だったのか…?
キッド
まぁな
コナン
…ぁ
キッド
てか、その大切な人の中に俺がいるの地味に嬉しい
コナン
…は?
キッド
え?違ぇの?
コナン
違っ…!!
コナン
…いや…そうだな
キッド
…へ?
コナン
あの事件のせいでこんな思いしてんだからな
コナン
責任…取ってくれんだろ…?
キッド
…わぁお
キッド
意外な告白…
コナン
うるせぇ…!//
コナン
なんか…流れで言ったらあぁなっただけで…!//
キッド
…っはは、そういう事にしといてやるよ
キッド
もちろん、生涯をかけて責任とらせていただきますよ
キッド
愛しの名探偵♡
コナン
…恥ず…///
キッド
な…なんか俺も恥ずかしくなってきた…///
コナン
…帰ろーぜ
キッド
…あぁ
星が光る夜空を白い翼が舞っていく
いつもよりも強く、大切に、小さな名探偵を抱えながら
終わり






