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アン

お姉ちゃん!

マイ

……なによ

アン

もうっ。まだ怒ってるのぉ〜?

マイ

当たり前でしょ!

マイ

どうしてアンタは……また私の彼氏を奪ったの!?

アン

またぁ? ヒドイなぁ、お姉ちゃんってば。

アン

向こうが勝手にあたしのこと好きになったの!

アン

仕方ないじゃんっ。アタシの方が魅力的なんだから!

マイ

っ……アンタねぇ……!

アン

でも、お姉ちゃんも昔から優しいよねぇ。

アン

お姉ちゃんだから、ってパパに叱られたらさ、

アン

なんでもアタシに譲ってくれるんだからっ

マイ

それは……お父さんがアンタを甘やかしてるだけ。

マイ

私の意見なんて、昔から何一つ聞いてくれないじゃない!

アン

それはぁ、お姉ちゃんが取り入れるのが下手だから。

アン

……でしょ?

マイ

アンタは、取り入れるのが上手いとかじゃないわ。

マイ

手癖が悪いだけよ!

アン

まぁた、そうやってぇ!

アン

いいもん、またパパに叱られちゃえっ(笑)

マイ

また、チクるのね

アン

チクる?

アン

チクられて困ることしてるのはお姉ちゃんじゃん(笑)

アン

ま、怒られたくないならさ……

アン

せいぜい、アタシの思い通りに動いてよ?

10年後

タケ

マイ。そろそろ着きそうだよ

マイ

タケ、本当に来るの……? 私の両親のところ

タケ

もちろん。マイを産んでくれたご両親だからね

タケ

しっかりとマイをお嫁さんとしてもらう為に挨拶するよ

マイ

……そんなに良い両親じゃないんだけど

数時間後

アン

お姉ちゃん!!

マイ

アン……? どうしたの?

アン

どうした、じゃないわよ!

アン

なんでお姉ちゃんがあんなイケメンと婚約してるのよ!

アン

しかも……大手企業勤務らしいじゃん! あり得ないんだけど……

マイ

あり得ないって言われても……私の職場で出会った人なんだけど

アン

じゃあ、お姉ちゃんの職場の人紹介してよ!

マイ

え……アンに?

アン

そうだよ! お姉ちゃんでも彼氏が出来たんでしょ?

アン

それなら、 アタシなら一発じゃん!

マイ

うーん……

アン

なんで渋るの!?

マイ

なんで、って……今までもことがあるじゃない

アン

今までのことって?

マイ

私の彼氏を奪ってきたじゃない。

アン

えー? そんな昔のこと
言う?

マイ

だから、私はアンのことなんて信用してないのよ

アン

はぁ……それじゃあ、いいや。

アン

お姉ちゃんの婚約者、タケさんだよね? 私にちょうだい?

マイ

ちょうだいって……タケはモノじゃないんだけど

アン

でも、お姉ちゃんじゃなくてアタシを知ったらさ……

アン

絶対アタシの方が好きになるじゃん!(笑)

マイ

そんなわけないでしょう……!

アン

そう思うなら、タケさんの連絡先教えて?

マイ

……タケに確認するから

数時間後

マイ

タケ、ちょっといい?

タケ

マイ、どうしたの?

マイ

あのね、妹のアンがタケの連絡先を欲しいって言ってるんだ。

タケ

もちろん、結婚したら義妹になるから

マイ

連絡先交換するのも仕方ないと思うけど……

タケ

大丈夫だよ、 マイ。 俺は
今までの人達のようにはならない

タケ

俺が愛してるのは、マイなんだから

マイ

そうだよね、ごめん心配になって……

マイ

それじゃあ、アンの連絡先教えるから連絡取ってみてくれる?

タケ

わかった。マイが心配しているようなことにはならないからさ

数日後

アン

ちょっと! お姉ちゃん!

マイ

アン? どうしたの?

アン

どうした、じゃないよ!

アン

なんでタケさんアタシに連絡してこないの!?

マイ

え? 連絡先教えて連絡取ったはずだけど……

アン

最初は来たけど、それ以降全部既読無視なの!

アン

ちゃんと返信するように言ってよ!

マイ

えぇー……だって、 アンが送ってるメッセージってさ……

マイ

セクハラまがいのメッセージとかさ、

マイ

際どい卑猥な写真ばっかりでしょ?

マイ

タケが困ってたから、 もう送らないで欲しいんだけど……

アン

そうじゃないじゃん!

アン

アタシとタケさんの仲を取り持って欲しいの!

マイ

え……なんで私が?

アン

アタシとタケさんの方が、お似合いだからに決まってるじゃん!

マイ

いや、 なんでよ。

マイ

私とタケはもう婚約してるの。そんな義理ないわ

アン

もう……マジで意味分かんない!お父さんに言いつけるから!

マイ

はぁ……もう勝手にしなよ

数時間後

コウ

ちょっといいか、 マイ

マイ

なに、 お父さん

コウ

どうしてアンにタケさんを譲ってあげないんだ?

コウ

アンが可哀想だろ!?

マイ

は……? 本気で言ってるの?

コウ

タケさんのように素敵な男性はな、アンの方が似合ってる。

コウ

それに、 マイは今回ダメになっても次があるだろ?

コウ

大手企業に勤めてるんだし。

コウ

だから、 今回は妹に譲ってあげたらどうだ?

コウ

アンは高校の途中でいじめられて、

コウ

学校に行けなくなって可哀想な子なんだ

コウ

お姉ちゃんなんだから、 妹が可愛いだろ!?

マイ

ふざけないで!!

コウ

マイ?

マイ

可愛くなんかないよ!お父さんはそうやっていつも……

マイ

いつもアンばかりを可愛がる!

マイ

どれだけアンが悪いことしても、怒られるのは私だった……!

マイ

私、 タケだけは譲るつもりないから

コウ

そう……マイがそのつもりなら……

コウ

お父さんは容赦しないぞ

数日後

タケ

マイ……話があるんだ

マイ

なに? どうしたの?

タケ

もう、限界なんだ……

マイ

え?どういうこと……?

タケ

アンちゃんのことだよ……

マイ

まさか、 タケ…… アンのことを好きになったの……?

タケ

え? 違う違う! その逆だよ!

マイ

え……?

タケ

アンちゃんから毎日毎日、 気持ち悪いメッセージばかり来る……

タケ

マイの大事な妹ということは分かるけど……俺……

タケ

はっきりアンちゃんに思ってること言わないと!

タケ

気持ち悪くてたまらないんだ!

タケ

マイ、結婚前に揉めたくなんてなかったけどさ……

タケ

俺、 はっきり言ってもいいかな?

マイ

……もちろん、 いいわよ

タケ

ありがとう。 それじゃあ、 アンちゃんに言ってくるよ!

数分後

タケ

アンちゃん、今大丈夫かな?

アン

あっ!! タケさんっ!

アン

やっとLINEくれたぁ! 超返事待ってたんだよぉ?

タケ

ごめんね、 なかなか返せなくてさ

アン

でっ! どうなの? お姉ちゃんと別れる気になった?

タケ

別れたりしないさ

アン

なんでよ!? アタシが誘ってるんだよ!?

タケ

アンちゃん、 そのメッセージなんだけどさ……

タケ

俺にとっては不快でたまらないんだ

アン

は?

タケ

好きでもない人から、気持ち悪いLINEが来るのってさ

タケ

すごく苦痛なんだよ

アン

好きでも無い……気持ち悪い!?

タケ

あぁ。俺にとって、アンちゃんからのLINEがそうだよ

アン

そんな……アタシが声を掛けたらみんな……

アン

すぐ、お姉ちゃんよりアタシを好きになるんだよ!!

アン

なんで……どうしてそんなことが言えるの!?

タケ

俺はね、マイの婚約者なんだ。

タケ

アンちゃん、キミには俺よりも素敵な人がいる。

タケ

だから、キミのお姉さんと俺の恋……応援してくれないか?

アン

そんな……そんなの応援できるわけないじゃん!

アン

もういい! お父さんに何とかしてもらうから!!

数分後

コウ

タケさん。すまんね、突然LINEしてしまって。

タケ

お義父さん、どうされました?

コウ

どうされたって……アンから話はすべて聞いたんだけど

コウ

キミ、どういうつもりだ!?

コウ

アンの言うコトを聞いてあげないなんて、可哀想だろ!?

タケ

可哀想……? 俺には、 その意味が全く分からないんですけど……

コウ

はぁ!? 何を言ってるんだ? アンの気持ちを考えないのか?

タケ

同じ娘のマイさんの気持ちは考えないのでしょうか?

コウ

マイは大丈夫だ。あの子は働いてる

コウ

アンはね、フリーターで将来不安定なんだ!

コウ

そんなの考えたら、可哀想じゃないか!

タケ

結婚LINは、アンさんの生活を安定にさせるだけのものではありません

タケ

ギブアンドテイクだと思います。

タケ

仮に、俺と結婚したとしてアンさんから得られるものって

タケ

なんでしょう?

コウ

な、なにって……ずっ、ずっと家にいる。それで安心だろ?

タケ

それなら、俺はマイさんにいて欲しいです

コウ

だから、マイには仕事がある

コウ

今後も誰かと結婚するチャンスがあるだろう!?

タケ

お義父さんも分かってるじゃないですか。

タケ

アンさんの結婚よりも、定職に就かせた方がいいのでは?

タケ

その方が、彼女の将来のためにもなりますよ

コウ

もういい!どうしてアンの魅力を分かってくれない!?

タケ

ですから、俺が結婚したいのはマイさんなので

コウ

もうキミと話す必要なんてない!

コウ

マイを選ぶくらいだから、キミも変わってるんだろう

コウ

もう直接アンからマイに手を引くように説得するからな!

タケ

はぁ……そうですか

数時間後

アン

お姉ちゃん!なんでなの!!

マイ

え……なにが?

アン

なんで、タケさん言うコト聞いてくれないの!?

マイ

当たり前じゃない。彼はモノじゃないんだから

アン

お姉ちゃんもタケさんも本当あり得ない!!

アン

ね、お姉ちゃん!もうタケさんは諦める!

アン

だから誰か紹介してよー!

マイ

……諦めな。アンタは先に就職した方が良い。

マイ

将来、一人で生活できるように

アン

なんでよ!出会いさえあればあたしは付き合えるんだから!

マイ

いい加減にしなさい!

アン

え……?

マイ

アンタねぇ……今のままじゃ、結婚なんて無理

アン

な、なんでそんな酷いこと言えるの!?

マイ

だって、アンタ……今まで人から奪ってばかりじゃない。

マイ

その結果、付き合えてもすぐ別れるでしょ?

マイ

そんな人が、誰かに本当に好きになってもらえるわけない

アン

へ……?

マイ

それに、今きちんとした仕事に就いてない。

マイ

やっとバイトしたと思ったも嫌なことが合ったら、すぐに辞める

マイ

そんなんじゃ、結婚生活だって長く続かないよ

アン

っ……もういいわよ!パパになんとかしてもらうんだから!

マイ

また……親だっていつまでもいるわけじゃないよ。

マイ

それに……お父さんと二人で暮らして、生活できるの?

アン

え?ママがいるもん!

マイ

お母さん、お父さんとの離婚を考えてるらしいよ

アン

へ……?

マイ

お父さんとアンがやってくれたこと、お母さんに報告したの。

マイ

そしたら、すごく怒ってたよ

アン

な、なんでママに言うのよ……!

マイ

アンタが非常識なことするからでしょ。

マイ

うちはお母さんが外で働いて、

マイ

お父さんは働いてないし、二人とも社会に出るしかないね(笑)

アン

そ、そんな……お姉ちゃん!お姉ちゃんからママに言って!

アン

ママに構って欲しくて、言ってたって!

アン

ママは昔からお姉ちゃんには甘いじゃん!

アン

お姉ちゃんの言う事なら絶対聞くから!お願い!

マイ

なんで私がそんなことしなきゃいけないのよ。

マイ

そもそも、もう成人してるんだから働くのは当たり前でしょ

アン

ひどいよ……なんでアタシにそんなひどいことばかりするの!?

マイ

ひどい?当然のことでしょ。アンタ、早く仕事しなさい

マイ

アンタはまだ若いんだから、なんとかなるわよ

アン

そうだ!お姉ちゃんとタケさんのところに住ませてよ!

マイ

はぁ?何言ってるの?

アン

好きでもない……気持ち悪い!?

マイ

無理。ウチはお母さんと同居するから

マイ

じゃ、そういうことだから。仕事探し、頑張ってね?

アン

そ、そんなぁ!お姉ちゃん!!

後日談

マイ

私とタケは無事結婚した。式は来年挙げる予定。

マイ

お母さんはお父さんに離婚を申し出た。

マイ

揉めたが、生活費としてお金を相場より多めに出したら

マイ

あっさり離婚に応じたらしい

マイ

しかし、今まで働いてない専業主夫のお父さんと

マイ

高校中退後、ニートになったアン。

マイ

職歴のない二人は働ける場所が限られていた。

マイ

今では、ボロボロのアパートで二人暮しを始めながら、

マイ

毎日大変な思いをして生活をしてるらしい。

マイ

私とタケはこれからの人生

マイ

楽しく過ごしたいと思います

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