——ジャリッ
西畑大吾
物音が聞こえて反射的に視線をやる。
そこには…俺を見つめる○○さんの姿があった
西畑大吾
今の絶対聞かれた。
…終わりだ
西畑大吾
いつもなら誤魔化してたけど、この時はもう誤魔化すのもめんどくさくなっていた。
言い振らせばいい。俺がこんなやつだってことを
もう最近はなんのためにこんなことしてるのかもわからなくなってるし、
西畑大吾
そう思っていたのに○○さんの反応は予想外なものだった
○○
……は?
西畑大吾
○○
○○
○○
そう言ってふふっと笑う○○さん。
正直その姿を、すごく可愛いと思ってしまった。
でも、同時に腹が立った。
こうやって○○さんはみんなを落としてるんだろうな。
でも俺は絆されない。
西畑大吾
○○
西畑大吾
同情?そんなものいらないから、
俺の劣等感は俺にしか分からない。
特に、○○さんみたいな人に…分かるわけが無い。
○○
まるで何を言ってるのか分からないような反応で、若干こちらも気圧される
本当によく分からない反応をする人だ
どうせ心の中では俺を嘲笑ってるくせに、
西畑大吾
西畑大吾
言い出したら止まらなかった。
自分でも驚くくらい
俺は、俺の中の劣等感は…こんなにも限界だったのだと初めて気づいた。
○○
西畑大吾
○○
西畑大吾
○○
○○
それは誰にも言われたことが無い言葉だった。
○○
○○
上手いことを言ったみたいに満足気に微笑んでる
○○
○○
○○
息が詰まるほど、心臓が大きく揺さぶられた。
だかにこんなにも強く必要だと、言われたことがなかったから
ずっとずっと欲しくて、でも誰もくれなくて、
次第に望んでたことも忘れた言葉を
どうしてこの子は意図も簡単に言ってくれるのだろうか
1番…俺の事を見ていないはずの子が
○○
西畑大吾
○○
西畑大吾
確かにそうだ
○○さんには道枝も高橋も長尾も大西も大橋もいる。
俺よりも優れた奴らから好かれている○○さんに俺に媚びを売る必要なんて1ミリもない
○○
○○
眉を下げてそんなことを言う○○さんに言葉が詰まった。
○○
西畑大吾
○○
西畑大吾
○○
俺の欲しかった言葉ばかり返してくれる○○さん
西畑大吾
○○
何を言っても、どんなに言っても必ず優しい言葉で返してくれた。
○○さんは俺の全てを笑顔で返してくれた。
この子がそう言ってくれるだけでいいと思ってしまった。
○○
○○さんは近づいてきて座ってる俺に目線を合わせるようにしゃがむ
○○
満面の笑みで俺の頭をわしゃわしゃと撫でる○○さん
俺はどうしてか無償にも泣きたくなってしまった。
ただ何も言えずにゆだねられるように頭を撫でられる。
『閉会のお知らせです。制作スタッフ各グループ責任マネージャーは舞台裏までお越しください。』
○○
○○
最後にニコッと笑顔を残して走っていってしまった。
背中が見えなくなるまで見守ったあと、体全部の空気が抜けるほど大きなため息を吐いた
西畑大吾
西畑大吾
自分が落とすはずだったのに、落とされてしまった。
こんな一瞬であっけなく
あの人だけは…
西畑大吾
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ぎゃーーーー